正社員の解雇規制見直し 政府、雇用改革議論が本格化(ヤフーニュース)
日本の大企業は詰んでいる ―解雇規制緩和についての考察 (藤沢数希) 抜書き
そして一言で解雇規制の緩和、雇用の流動化とマクロにいっても、ミクロで見ればどういうことが起こるのかというと、お父さんがいい会社に務めていてそこそこいい分譲マンションに住んでいる家庭があったとして、お父さんが急に失業したりするわけである。そうすると会社の給料を当てにしていた住宅ローンが払えなくなるので、急にボロいマンションに引っ越すことにもなるし、私立の高校に通っていた子供が、公立に転校したりすることになるだろう。当然だが、こうしたお父さんのうちの何人かは自殺するかもしれない。中高年男性の自殺は何らめずらしいことではない。しかし、それはもともとそういう地位にあったのがおかしいことであり、市場原理により正しいポジションに戻っただけであるともいえる。そしてリストラで企業業績は回復し、その空いたポジションを埋めるために、若年層に複数の雇用が生まれる。ミクロに見ればいくつかの悲劇は発生するであろうが、そういった社会のダイナミクスは必要であり、筆者は経済全体で見れば悪いことではないと思っている。
ならば、小泉政権から言われてきた、「セーフティーネット」はどうする。
覚悟の社会保障(朝日新聞)
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北欧型を受け入れるほど、日本人は政府を信頼しているだろうか。
北海道大学は、2007年に独自の全国世論調査を実施して、日本のあるべき姿を聞いた。「北欧のような福祉重視の社会」とする回答は6割近くにのぼった。だが、財源確保のため「消費税引き上げはやむを得ない」としたのは2割以下、「行財政改革を進め、負担を増やす以外の方法を採る」が4割を超えた。
福祉は欲しいが、負担はごめんこうむるという「いいとこどり」の姿勢にもみえる。
調査を実施した北大教授の宮本太郎は「スウェーデンには自分の負担が自分に戻ってくるという信頼があるが、日本人は、そう考えない。税金は、政府に『とられる』もので『みかじめ料』とか『ショバ代』に近いものとして、受け止められてきた」とみる。
日本人がそうした後ろ向きの姿勢になったのは、戦後論壇で大きな力をもった左派やリベラルの姿勢が影響したという。宮本自身もリベラルの論客だが、「戦後の左派論客の多くは、国家権力を縮小すれば、市民が連帯を強め、社会は回るという能天気な考えに支配されていた」と批判。「真の意味でリベラル派が力をもつには、個人情報の適切な開示も含め、『大きな政府』を運営する知恵の蓄積が必要」と強調する。
スウェーデンの社会保障制度に学ぶ~社会保障制度の持続性こそ成長戦略の基盤~
スウェーデン社会保障の成り立ちについての一考察(兵庫県健康福祉部)