白老でエゾシカは何を食べているか?(17)エゾシカの道をたどれば① の続き
下に降りずにシカの道をたどると再び森に入り、人の道と付かず離れず歩いている。
険しいところも歩くが人間よりも歩きやすいところも歩いている。
かつて炭を焼くために使ったと思われるシカの道。今は人間は歩いていない。
やがて山を下り湿地に入った。
湿地には湧水?もあり、水飲み場になっているようだ。シカは水を求めて定期的に移動すると聞いていたが、道はさらに先に続いている。
空地や住宅地を越え
川に出た。
川で途切れている道もあるが、川も越えてさらに続いていた。
これだけでも2キロ以上はある。何のためにどこまで移動しているのだろうか。
前田一歩園財団の森林から報告するエゾシカ問題の現状と課題 を読むと
① エゾシカの採餌行動が山林全域に見られた状態から、餌場とねぐらの周辺やこれを結ぶ通い道(ディア・パス)周辺に集中する、面から点と線に変わってきている。
② 餌場とねぐらの距離は離れていても200~300メートル以内にあり、餌場で寝起きしている箇所も見られる。エゾシカの行動は、無駄なエネルギーを消耗しない最短距離をサラリーマンが出勤する職住接近型になってきており、一日に何度でも通ってきている。
③ しかし、北部地域の一部で試験的に有害駆除をしてエゾシカの行動を観察している箇所では、寝ぐらは餌場から1キロメートル以上も離れており、日中の採餌が見られない。
④ 餌は、夜間に来て食べるか、隣接の餌場に移動して食べているものと考えられる。
と書かれている。
萩の里自然公園のセンターハウスのすぐ北の散策路から見えるこんなところがあった。広い範囲でササがほとんど食べられて、糞も散乱していた。
この付近では、夕方近くを移動するするオスジカの群を見たが食べているところは見ていない。