人生の裏側

人生は思われた通りでは無い。
人生の裏側の扉が開かれた時、貴方の知らない自分、世界が見えてくる・・・

空が震える夜

2016-11-10 19:19:43 | 詩的文章
こないだまでの涼風が
突然、寒風となって吹き荒れた
心地よさは厳しさにもなる
木枯し吹き込むビルの谷間
あっという間の落日
街のテレビには…いつも勝ち誇ったような顔…
赤と青の比率はいつの間に入れ替わったのだろう
大平洋の向こうからの風は、
逆風になるのだろうか…それとも

見かけだらけの平和
見かけだらけの繁栄
見かけだらけのグローバリズム…
綺麗ごとにゃ、もうもう飽き飽き…
明日の天国より、今日のパン
貧困の前では、どんな信仰も唯物論
国際社会よりも我が国、国家よりも我が州…
我が街、わが家…とどのつまり、おいらの世界…
どんな暴言でも、綺麗ごとよりゃマシ…

日が暮れて行く…
つらい冬がやってくる
お花畑の住人にゃ分からない
ずっと日の差さない裏町で
行きどころのない怒りに
いつ襲うとも知れない恐怖に
そして…凍てつく寒さに
身が震えてくる…

世界は震われる
人々は震われる
中心も無く、一体どこに向かっていくのだろう
おっと…そんなことより、今日のしのぎ…

”さあ、ノラちゃん、おすそわけだ
一緒に温まろう…”

これが僕の全ての平和
お前と僕には、そうだ…人間社会のややこしい垣根は無いね…
ややこしい信仰も唯物論も無い
大口と悪口の戦争も終わった
今日の僕はこれでも豊かになれそうだ
こんな気持ちになっちまうんだ
有難さに…身が震えてくる…

日の差さないビルの谷間でも、
夜には星が目ン玉のように光っている
風に揺られて…空も震えている


























コメント
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