一般には「AIは考えて答えを出している」と勘違いしているようだが
AIというのは多数決的に「○○らしい答え」に同調迎合するだけであって 物事を論理客観的に「考え」て割り出しているわけではない
現在の深層学習型ニューラルネットワークAIというのは大量の正解データを「学習」させておくことで 「ネコらしさが何%」といった傾向性を抽出するだけであって ヘイトスピーチだらけのTweetを正解データとして「学習」させればヘイトスピーチに同調するようにもなるのである
「学習」させている「正解データ」とは AIの学習環境・生育環境のことだと言える
養老孟司が「私は教科書に墨を塗らされた」という生育環境の中で育つことで 平気で支離滅裂な嘘を言い出すようになることも いわば養老にとっての「正解データ」を学習した結果であり 養老は主体的に論理客観的根拠のある「考え」に基づいた理論を主張しているわけではない
宮台真司が教師から「自分で考えるのは10年早い 丸暗記しろ」と言われたことを「学習」する形で「連鎖」するのも同じことである
認知的不協和を解消する形で自分の生育学習環境を事後正当化したがることによって 理不尽な因習は「連鎖」するのであり これは生物の脳を模倣したニューラルネットワークAIの「学習」過程の結果と同じものである
虐待されて育った人が 自分の子供に対しても虐待を「連鎖」してしまうのは 虐待環境こそを「正常(正解データ)」として学習してしまった結果である
これはイジメや差別においても同様であり イジメや差別のある環境で育つことによってイジメや差別があることが「正常(正解)」だと学習してしまうことで問題意識を喪失してしまうのである
ある企業において 採用にAIを用いた事例において その企業の過去の採用事例を「正解データ」として学習された結果 過去に女性の採用が少なかったことから女性に対して採用確率を下げるバイアスが働いてしまっていたことが明らかになり AI採用を急遽とりやめるという事態になったという
深層学習型ニューラルネットワークAIというものは 生物の脳を模倣したものであり 学習(生育)環境に適応する形で多数を「正解(正常)」として認識するようになるのである
シエラレオネの少年ゲリラが「妊婦を殺害して胎児の性別で賭博をする」という残虐な行為をするようになったのも ゲリラ社会集団の中で育つことで 残虐行為を「正常(正解)」として認識するよう学習した結果である
学術権威の言っている内容を鵜呑みにし 主体的に論理検証することを多くのヒトがしなくなるのも 生育環境において権威を疑わないように「学習」してしまった結果であり
イマヌエル:カントの「純粋理性批判」における「悟性」だの「純粋統覚」だの「絶対に知覚することの出来ない叡智界」だのといった実証不能の謎の観念であっても 誰も疑わずに鵜呑みにしてしまい
また 学術権威の肩書を持った生物学者による遺伝的進化における「典型的な間違い」についても誰も何も疑うことなく鵜呑みにし 何とも「思わ」ないのである
思うか思わないかは主観である
論理客観的には遺伝的進化に意図目的戦略「考え」に基づいた選択可能性など介在する余地は一切存在しないのであり 論理的間違いを間違いだと「思わ」ないかどうかは科学的に正しいかどうかとは無関係である
深層学習型ニューラルネットワークAIのようにヒトの平均的な錯覚や誤謬を「正解データ」として学習してしまっていれば 科学的真実(本当のこと)と嘘や間違いは主観的には区別できなくなるのである
主観によって促される間違いや錯覚を 間違いだと識別するために必要なのは論理客観的検証性であり これこそが人間としての意識の本質である
Ende;