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内服薬と内膜はくり術はどっちがいいのか?

2009年10月15日 | 脳梗塞
前回の最後にお話しした「内服薬と内膜はくり術はどっちがいいのか?」の答えです。
これは
1)脳梗塞をおこしたかどうか?
2)狭窄の程度
の2つに依存します。

まず「脳梗塞を起こしたことがあって、さらに狭窄の程度が強い場合」を考えてみます。
このような患者さんを「内服薬群」と「手術群」に振り分けてどちらが良かったかを調べた研究があります。
上の図のNASCET研究(ナセット研究)が最も有名です。

この研究の結果、「手術した方が、内服薬だけで治療するよりもずっと良い」ということが分かりました。
これと同じような研究が他にもあり、やはり手術の方が良いという結果でした。
ですからそれらを総合すると
「脳梗塞を起こしたことがあって、50%以上の狭窄がある場合は手術をした方が良い!」
と言えます。

まあ、考える限り、もっとも重症ですもんね。
ちなみに内服薬だけだと上の表を見ると「2年間で26%」も脳梗塞を再発します。
年間13%!アスピリンなどを飲んでも脳梗塞が再発してしまうのです!



では脳梗塞を起こしたことがない人はどうなんでしょうか?
コメント
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