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内服薬と内膜はくり術はどっちがいいのか? その2

2009年10月17日 | 脳梗塞
「内服薬と内膜はくり術はどっちがいいのか?」
脳梗塞の既往がある場合のことは分かりました。
手術した方がいいということです。
それでは「検査で偶然見つかった人」はどうなんでしょうか?

実はこのような患者さんが最近急速に増えているのです。
それはMRIが普及したことと、動脈硬化の指標として最近「頚動脈エコー」が盛んに行われるようになったことが原因だと思います。
皆さんの近くのクリニックでもこの頚動脈エコーを行うところが増えていると思います。

このように偶然見つかった場合には、まず「どの程度の脳梗塞の危険があるか」ということが重要です。
上の図を見てください。これは無症状で診断された頚動脈狭窄症で高度狭窄(60%以上)の患者さんに、内服薬と内膜はくり術(CEA)を行ってどちらが良かったかを調べた研究です。
この結果、「無症状でもCEAを行った方が良い」ことが分かりました。

この結果を忠実に受け止めて実践すれば、相当多くの人が手術を受けなければならないことになります。
とにかく検査をうけて60%以上の狭窄なら全ての人が手術になる。
非常に分かりやすい話です。
でも本当にそれでいいのでしょうか?
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