本日の日曜インタビューは、島のフラメンコサークル代表、
大賀郷在住の村山涼子さんです。
今年20周年を迎えた「文化フェスティバル」に美しい花を添えている
華やかなフラメンコの女性たち。とても熱心な練習をしている噂を聞きます。
次の文フェス(来年1月開催予定)も近くなってきましたからね。
フラメンコのサークル活動についていろいろお聞きしてみたいと思います。
「おじゃれ八丈島」 おじゃ8こと村山賢一くんの奥さんです。
ご本人も「りょんのあそびば」 という子育てブログを書かれてますよ。
村山涼子さん 昭和43(1968)年7月9日生まれ(41歳) 撮影:おじゃ8
●涼子ちゃんは資格試験の勉強をしに島へ来たと聞いたけど?
わたしは東京で経理事務の仕事をしながら税理士の試験を毎年受けてて、
税理士って10何項目ある中で5こ取らなきゃいけないのだけど、
最後の1こがなかなか取れなくて、仕事をしながら勉強するのが大変だったし、
試験に受かったら転職しようと思っていたから、最後の1教科に賭けようかな~
と思って仕事を辞めてしまったのね。辞めたのが7月で試験が8月だったから、
そんなことをする人はあまりいないと思うけど、最後の1ヶ月を八丈島で
勉強してみようかな~と思って島へ来たの。
それで税理士の試験を8月に受けたんだけど発表が12月で、
それまでの間は合否がわからないから自分の身の置き所がわからないし、
自分がフリーになれることなんてそうそうないから、ロングバケーションで
発表までの間を八丈で過ごそうと思って、また8月に来たのが島に住むきっかけ。
●じゃぁ、それからしばらく島にいたのね?
いたっていうか、帰ってないの、それから。(笑)
●え?その間に村山(おじゃ8)くんと知り合って?
そう。ちょこちょこ用事では東京に帰っていたけど、その間はずっと島にいて、
もう12月には結婚することに決めたから。
●じゃぁ、インスピレーションで村山くんのことが気に入ったんだね?
あはははは!お互いなんとも思ってなくて、どちらかというと苦手なかんじだった。
わたしは仕事をしているときにはもっとギスギスしていてきついかんじだったし、
けんちゃん(村山くん)は髪の毛もボサボサで、あんな人あり得ないという感じ
だったけど、わたしはそこが良かったのかな。
かっこいい人だと構えてしまうけど、タイプじゃないから自然に接することができたし、
気負わないで自分が自分らしくいられるというのはこういうことなんだなと感じたの。
●それはは何年前のこと?
わたしが34歳のときだから、もうまる7年が過ぎた。
大賀郷公民館でフラメンコの練習中 撮影:おじゃ8
●涼子ちゃんはフラメンコをはじめる前にもなにかダンスをやっていたの?
わたしは中学高校と学校にダンス部があったから、ジャンルでいえばジャズダンス
の部類だと思うけど、学校のことだから創作ダンスも含めて6年間やっていた。
●現在はフラメンコサークルのメンバーは何人?
8人。昨年は12人だったけど、2人島から転出して、2人引退したから。
●以前にフラメンコを指導していた代表がご主人の転勤で島から転出して、
フラメンコサークルはなくなるかと思ったら、それを涼子ちゃんが引き継いで、
まだフラメンコをはじめて2年ぐらいなのに、その後も文フェスなど参加して
素晴らしいステージを続けていることに驚いてるけど?
引き継ぐというか、わたしは最初は嫌だったの。
前の代表はフラメンコのアカデミーに行ってた人だったし、
知識も実績もわたしが習ったより奥が深いわけだから、
わたしにはそこまでのものはないし、それを追及しようとも思わないから、
続けていくといっても下地のない人が教えていくのは違うかな、無理と思ってた。
でもその頃には文フェスに毎年参加する流れになってたから、
みんなは「踊れるだけでいいよね」というけど、たぶんモチベーションが
もたないだろうとわたしは思ったの。
だけど、前の代表が2~3ヶ月に1度は来島できるという話で、
だったらそのときに新しい振り付けなり新しいものを教えてもらえば、
ビデオを見ながら次までの間に練習するということもできるから、
それでなんとか続けていくイメージができて引き受けたのだけど。
●その後、前の代表に子どもが産まれたりして、
なかなか島に来れない状況になってしまったけど、その後の指導的なことや
新しい曲選びや振り付けなどは涼子ちゃんがやってるの?
そうだね。指導者がいなくなってから2~3年だから、
以前に習った曲にパリージョ(カスタネット)を入れたり、
アバニコ(扇子)を持って踊ったり持たなかったり、アレンジしながらどうにか。
●では、涼子ちゃんが指導のためにどこかで習うようなことはしてない?
あ、それも昨年はやった。やっぱりそれでもネタが尽きたときに、
三根の「青山スポーツ整体」の娘さんが東京でフラメンコをやってるのを知って、
交流が持てて応援してもらえるようになったの。DVDをいただいたり
親切にしてもらって、とても上手な人だから、新しい振り付けをお願いして、
わたしが上京して1日だけだけど、みっちり振り付けを教えてもらったりしたの。
あとはそれをビデオに撮ったのを持って帰ってきて1ヶ月ぐらい家でやったかな。
そうやって振り付けを覚えて、それをみんなに教えて、文フェスで踊った。
文化フェスティバルにて 撮影:おじゃ8
●それはなんという曲?
ファンタンゴス。
フラメンコの曲は、ジャンルで分かれてるの。
セビジャンナス、タンゴス、ファンタンゴス、ルンバスとかジャンルがいろいろある。
それぞれのジャンルの中に曲がいっぱいあって、振り付けは人によって違う。
●今度の文フェスはどんな曲を踊るの?
フラメンコには明るい曲も暗い曲もあるけど、
島の人達は暗い曲は好きじゃないと思うし、しかも文フェスは冬だから、
楽しく踊ってる感じが観てる方も楽しいかと思って、楽しい曲を選んでる。
3曲中の1曲はガロティンというこれまでやったことのない新しいジャンルだけど、
今回は教本のDVDを手に入れて、わたしがそれを見ながら覚えたの。
す~ごい大変だった、わたしはプロじゃないからさ。(笑)
●サークルの練習はどのくらいしてるの?
毎週月・水・土の週3回、10:00~11:30。
●自主練入れたら週5くらい練習してる人もいるんでしょう?
11月ぐらいから、自主練してる人は+2日ぐらいやってるかな。
●主婦の習い事にしてはかなり熱心に時間をかけてやってるし、
素人目にだけど、かなりレベルの高い発表をしてるように思えるけど、
フラメンコは習いだしたらそんなに面白いもの?
結局続いてる人は、楽しいから続いてるのかな~と思う。
来て、続かなかった人もいるから、それぞれのハマり方をしてるのかなと。
●涼子ちゃんは、部活のダンスとは違うフラメンコ独特の魅力は、
どのように感じてるの?
わたし自身は身体を動かせればなんでもいいわけではなくて、
エアロビクスのように身体を動かして楽しいというのは、わたしは興味がないの。
中学の頃から舞台に立ってるから、完成したものを創り上げて見てもらうという
のが好きなんだよね。足をカツカツしたらリズムがかっこいいとか、
スカートをこう動かしたら広がり方がかっこいいとか、そういうのが好き。
完成度が求められるものの方がやっていて面白いから、文フェスという発表の場が
あるのがありがたい。わたしは習い事も試験があったりとか、自分のレベルを
上げるためにやるのが好きで、料理でもただ習うだけでは飽きてしまうから、
自分がステップアップするために真剣にやる感じが好きで楽しい。
舞台があると、そこに向けてレベルを上げていかなきゃいけないから、
そうのんびりもしていられなくて、ペース配分をしてそこを目指すのが楽しい。
●お料理では「ワイルル」のスタッフとして八丈DAY!に協賛してもらったけど、
手作りの子供服を「空間舎」に置いていたり、そうやって作ったものを
発表するのが好きなのかな?
あ~うん、そうかもね。
文化フェスティバルにて 撮影:おじゃ8
●いつも素敵な舞台衣装はどうしてるの?
以前の代表の先生が舞台衣装のレンタルもしてるから、
毎年そこで髪飾りやなんかもセットで格安でレンタルさせていただいてる。
フラメンコの衣装のレンタルはとても高いのだけど、本当に安くしていただいて。
とてもいい衣装で材質がぜんぜん違う。だからスカートの裾の広がりや光沢が
観てる人にもきれいに見えてると思う。たぶんすごいいい物だと思う。
●涼子ちゃんの旦那さんは一応転勤族だけど、
もし転勤になった場合には、サークルはどうなるの?
う~ん、集まれる人だけで集まって、もったいないから今まで習ったのを踊って
続けるかな。涼子ちゃんがいなくなったら終わりだねという人もいるけど、
もったいないから続けるという人もいるし、それは相談すると思う。
やってみてもし続かなくても、わたしはやってみることがかっこいいと思うけど。
●涼子ちゃんがいる間はずっと続けるの?
わたしは来年はどうするかわからない。ちょっとわからないといってるの。
●え!?そうなの?なんで?
また来年の4月でひとりメンバーが(転勤で)いなくなって、
7月にもたぶんひとりいなくなるから、人数がすごく減っちゃうの。
若手が引っ張ってきたのが、若い人たちがいなくなると文フェスもしんどいし、
練習を都合で休む人もいるから、練習へ行っても人数が少ないときついと思う。
以前の代表ががんばってくれたから、わたしも恩返しのつもりでがんばってきたけど、
もうそろそろいいかなとも思ってるの。
●じゃぁ、今度の文フェスがフラメンコの見納めになるかもしれないのね?
そうだね、その可能性は高いと思う。
●あ~そう、それは非常に残念だけど仕方がないね。
たしかに週3の習い事というのは大変でしょうしね。
わたしだったら週1でも難しいわ。(笑)
今年は方向を少し変えて、前半は週2に減らしてたんだけどね。
2曲でもいいから楽しみながらできる中で文フェス目指してやっていこうかと
いってたんだけど、どうにか形が見えてきて3曲できそうだとなったら、
週2日では練習が足りないし、やっぱり出るからには!(笑)
それで週3にまた増やしたんだよね。
文化フェスティバルにて 撮影:おじゃ8
●涼子ちゃんが、フラメンコをやめて時間がもっとできたら
他にやりたいことがあるとか、そういうことではないの?
なにがというのはないけど、ちょっと考えたいかな。
ずっとフラメンコが中心だったから。レッスン以外でも、わたしが覚えて
教えるとなったら毎日家で振り付けを覚えたりとか、文フェスが近くなれば
司会者に紹介してもらう内容を考えたり、フォーメーションとか、いろいろ。
時間は週3でも精神的にもっともっと縛られるから、一度何もなくなって考えたい。
ちょうど子どもも小学生で、2人目の子も保育園に行くから、わたしの時間も増えるし、
自分の時間が増えたところでわたしは何を思うのだろう?という期待かな。
その時思ったことをやれればいい。働きたいと思うかもしれないし。
そしたら働くかもしれないけど、それも何もない状態で決めたい。
●それでは最後になるかもしれない文フェスのフラメンコを
こう見たらより楽しめるというのを教えてもらえますか?
衣装が本当に素晴らしいのも見てほしいし、わたしたちが踊るのは群舞だから、
動きが揃って見えるのがかっこよくて、その辺を重視して練習してるので
そこを楽しんでもらえたらうれしい。動きを合わせるのがとても難しくて、
自由に踊っているようでいてすごく細かく決めてる部分とかもいっぱいあるんだけど、
わたし達はサークルでみんなで仲良くやってるから、合せようと和気あいあいと
やってる雰囲気を楽しんで観てもらいたいです。
自宅の庭にて 撮影:おじゃ8
●いまの島暮らしはどう?島に暮らすのは楽しい?
楽しいのは楽しい。わたしは東京生まれだから田舎もないし、東京以外の
暮らしを知らないけど、とにかく東京が嫌で嫌でしょうがなかったんだよね。
●東京のどこが嫌だったの?
なんかギスギスしてない?東京の人ってコワくない?わたしもコワかったと思うけど、
電車の中とか、すごいイライラしてるよね。ぶつかったらじろじろ見られるし。
都会に出かけることや買い物に行くこともわたしは好きじゃなかったし。
だから短期で島に来たときに、これだよ!と思ったの。人間これでいいじゃん!と。
わたしは古臭いところがあって、携帯が流行りはじめたときにも(必要?)と
思ったし、あと、仕事で疲れてマッサージに行ってお金を払うって、なんかさ、
おかしくない?まぁ、会社に行って働かなきゃいけないから例がおかしいけど。
●いや、意味はよくわかる。
会社に行って稼いだお金をエステに行って使うなら、エステと仕事がただ
ぐるぐる回ってるような気がするし、だったらもっと楽な仕事をして、
収入は少なくてもエステの分とチャラにしたらいいじゃん。みたいなところ。
●働いてエステに行かないと経済効果が上がらないんだけどね。(笑)
いや、でもわかるよ。わたしもそう思うし。
それを気づいてない人が多いんじゃないかな~と思っててね。
わたしはそこが違うかな~と思ってたから。
わたしは職場が嫌で嫌で、でも次のステップがどうしたらいいかわからなくて、
そこで精神的にすごく疲れて、仕事に生甲斐があるわけでもないのに、
そんなことをするために生きてるみたいな気になってることに、
何かが違う、何かが違うと思ってたのね。悪循環というか。
●では島に来て、そうでない暮らしが良かった?
うん、まぁ、働いてもないからね。(笑)
島でも働けばそれなりの人間関係もあると思うしストレスもたまると思うけど、
ちょうど自分が仕事を辞めたときに島に来て、何もない状態のときに、
ここは自分がいい状態でいられるところと思ったし、東京はやっぱりいい状態で
いられないところと思ったから、その中のどこで暮らしていくかということだなと。
●狙わずしてこのインタビュー、見事に3人連続で東京の暮らしに疲れた
という人が続いてしまったけど、やはり島に来て住もうと思う人の中には、
東京での暮らしに疲れたという人が多いのかもしれないね。
うん、うん。だから東京には、たまに行けばよいと思ってる。
島の中で、転勤族の人達もそうだけど、島外から来た若いママ達は、
海に行ったりキャンプをしたり、いろんなイベントに積極的に参加して、
友達を作って飲み会もして、フルに島暮らしを楽しんでいるように見えるけど、
涼子ちゃんもそういうタイプに見える。そこら辺が島で生まれ育った人達と
ちょっと違う感じがするのね。まぁ貪欲に楽しんでるなぁ!と思うわけよ。
そこまで楽しんだら、島に暮らした元がとれるでしょうと。(笑)
あはは!転勤族の人達は2年とか3年とかいる年数が決まってるから、
わたしから見ても、よくやるなと思う人はいるよね。
わたしはいつまでいるかわからないけど、3年と決まってると夏も3回しかないからね。
__
税理士試験の勉強に八丈島に来た涼子ちゃんは、見事試験に合格したことも
書き加えておきます。次のステージを目指して取得した資格はいつか使う日が
くるのかな?どこにいてもなにをしていても、たぶん更なるステップを目指して
がんばる人なのでしょう。島暮らしも更にステップアップさせて楽しんでね!
大賀郷在住の村山涼子さんです。
今年20周年を迎えた「文化フェスティバル」に美しい花を添えている
華やかなフラメンコの女性たち。とても熱心な練習をしている噂を聞きます。
次の文フェス(来年1月開催予定)も近くなってきましたからね。
フラメンコのサークル活動についていろいろお聞きしてみたいと思います。
「おじゃれ八丈島」 おじゃ8こと村山賢一くんの奥さんです。
ご本人も「りょんのあそびば」 という子育てブログを書かれてますよ。
村山涼子さん 昭和43(1968)年7月9日生まれ(41歳) 撮影:おじゃ8
●涼子ちゃんは資格試験の勉強をしに島へ来たと聞いたけど?
わたしは東京で経理事務の仕事をしながら税理士の試験を毎年受けてて、
税理士って10何項目ある中で5こ取らなきゃいけないのだけど、
最後の1こがなかなか取れなくて、仕事をしながら勉強するのが大変だったし、
試験に受かったら転職しようと思っていたから、最後の1教科に賭けようかな~
と思って仕事を辞めてしまったのね。辞めたのが7月で試験が8月だったから、
そんなことをする人はあまりいないと思うけど、最後の1ヶ月を八丈島で
勉強してみようかな~と思って島へ来たの。
それで税理士の試験を8月に受けたんだけど発表が12月で、
それまでの間は合否がわからないから自分の身の置き所がわからないし、
自分がフリーになれることなんてそうそうないから、ロングバケーションで
発表までの間を八丈で過ごそうと思って、また8月に来たのが島に住むきっかけ。
●じゃぁ、それからしばらく島にいたのね?
いたっていうか、帰ってないの、それから。(笑)
●え?その間に村山(おじゃ8)くんと知り合って?
そう。ちょこちょこ用事では東京に帰っていたけど、その間はずっと島にいて、
もう12月には結婚することに決めたから。
●じゃぁ、インスピレーションで村山くんのことが気に入ったんだね?
あはははは!お互いなんとも思ってなくて、どちらかというと苦手なかんじだった。
わたしは仕事をしているときにはもっとギスギスしていてきついかんじだったし、
けんちゃん(村山くん)は髪の毛もボサボサで、あんな人あり得ないという感じ
だったけど、わたしはそこが良かったのかな。
かっこいい人だと構えてしまうけど、タイプじゃないから自然に接することができたし、
気負わないで自分が自分らしくいられるというのはこういうことなんだなと感じたの。
●それはは何年前のこと?
わたしが34歳のときだから、もうまる7年が過ぎた。
大賀郷公民館でフラメンコの練習中 撮影:おじゃ8
●涼子ちゃんはフラメンコをはじめる前にもなにかダンスをやっていたの?
わたしは中学高校と学校にダンス部があったから、ジャンルでいえばジャズダンス
の部類だと思うけど、学校のことだから創作ダンスも含めて6年間やっていた。
●現在はフラメンコサークルのメンバーは何人?
8人。昨年は12人だったけど、2人島から転出して、2人引退したから。
●以前にフラメンコを指導していた代表がご主人の転勤で島から転出して、
フラメンコサークルはなくなるかと思ったら、それを涼子ちゃんが引き継いで、
まだフラメンコをはじめて2年ぐらいなのに、その後も文フェスなど参加して
素晴らしいステージを続けていることに驚いてるけど?
引き継ぐというか、わたしは最初は嫌だったの。
前の代表はフラメンコのアカデミーに行ってた人だったし、
知識も実績もわたしが習ったより奥が深いわけだから、
わたしにはそこまでのものはないし、それを追及しようとも思わないから、
続けていくといっても下地のない人が教えていくのは違うかな、無理と思ってた。
でもその頃には文フェスに毎年参加する流れになってたから、
みんなは「踊れるだけでいいよね」というけど、たぶんモチベーションが
もたないだろうとわたしは思ったの。
だけど、前の代表が2~3ヶ月に1度は来島できるという話で、
だったらそのときに新しい振り付けなり新しいものを教えてもらえば、
ビデオを見ながら次までの間に練習するということもできるから、
それでなんとか続けていくイメージができて引き受けたのだけど。
●その後、前の代表に子どもが産まれたりして、
なかなか島に来れない状況になってしまったけど、その後の指導的なことや
新しい曲選びや振り付けなどは涼子ちゃんがやってるの?
そうだね。指導者がいなくなってから2~3年だから、
以前に習った曲にパリージョ(カスタネット)を入れたり、
アバニコ(扇子)を持って踊ったり持たなかったり、アレンジしながらどうにか。
●では、涼子ちゃんが指導のためにどこかで習うようなことはしてない?
あ、それも昨年はやった。やっぱりそれでもネタが尽きたときに、
三根の「青山スポーツ整体」の娘さんが東京でフラメンコをやってるのを知って、
交流が持てて応援してもらえるようになったの。DVDをいただいたり
親切にしてもらって、とても上手な人だから、新しい振り付けをお願いして、
わたしが上京して1日だけだけど、みっちり振り付けを教えてもらったりしたの。
あとはそれをビデオに撮ったのを持って帰ってきて1ヶ月ぐらい家でやったかな。
そうやって振り付けを覚えて、それをみんなに教えて、文フェスで踊った。
文化フェスティバルにて 撮影:おじゃ8
●それはなんという曲?
ファンタンゴス。
フラメンコの曲は、ジャンルで分かれてるの。
セビジャンナス、タンゴス、ファンタンゴス、ルンバスとかジャンルがいろいろある。
それぞれのジャンルの中に曲がいっぱいあって、振り付けは人によって違う。
●今度の文フェスはどんな曲を踊るの?
フラメンコには明るい曲も暗い曲もあるけど、
島の人達は暗い曲は好きじゃないと思うし、しかも文フェスは冬だから、
楽しく踊ってる感じが観てる方も楽しいかと思って、楽しい曲を選んでる。
3曲中の1曲はガロティンというこれまでやったことのない新しいジャンルだけど、
今回は教本のDVDを手に入れて、わたしがそれを見ながら覚えたの。
す~ごい大変だった、わたしはプロじゃないからさ。(笑)
●サークルの練習はどのくらいしてるの?
毎週月・水・土の週3回、10:00~11:30。
●自主練入れたら週5くらい練習してる人もいるんでしょう?
11月ぐらいから、自主練してる人は+2日ぐらいやってるかな。
●主婦の習い事にしてはかなり熱心に時間をかけてやってるし、
素人目にだけど、かなりレベルの高い発表をしてるように思えるけど、
フラメンコは習いだしたらそんなに面白いもの?
結局続いてる人は、楽しいから続いてるのかな~と思う。
来て、続かなかった人もいるから、それぞれのハマり方をしてるのかなと。
●涼子ちゃんは、部活のダンスとは違うフラメンコ独特の魅力は、
どのように感じてるの?
わたし自身は身体を動かせればなんでもいいわけではなくて、
エアロビクスのように身体を動かして楽しいというのは、わたしは興味がないの。
中学の頃から舞台に立ってるから、完成したものを創り上げて見てもらうという
のが好きなんだよね。足をカツカツしたらリズムがかっこいいとか、
スカートをこう動かしたら広がり方がかっこいいとか、そういうのが好き。
完成度が求められるものの方がやっていて面白いから、文フェスという発表の場が
あるのがありがたい。わたしは習い事も試験があったりとか、自分のレベルを
上げるためにやるのが好きで、料理でもただ習うだけでは飽きてしまうから、
自分がステップアップするために真剣にやる感じが好きで楽しい。
舞台があると、そこに向けてレベルを上げていかなきゃいけないから、
そうのんびりもしていられなくて、ペース配分をしてそこを目指すのが楽しい。
●お料理では「ワイルル」のスタッフとして八丈DAY!に協賛してもらったけど、
手作りの子供服を「空間舎」に置いていたり、そうやって作ったものを
発表するのが好きなのかな?
あ~うん、そうかもね。
文化フェスティバルにて 撮影:おじゃ8
●いつも素敵な舞台衣装はどうしてるの?
以前の代表の先生が舞台衣装のレンタルもしてるから、
毎年そこで髪飾りやなんかもセットで格安でレンタルさせていただいてる。
フラメンコの衣装のレンタルはとても高いのだけど、本当に安くしていただいて。
とてもいい衣装で材質がぜんぜん違う。だからスカートの裾の広がりや光沢が
観てる人にもきれいに見えてると思う。たぶんすごいいい物だと思う。
●涼子ちゃんの旦那さんは一応転勤族だけど、
もし転勤になった場合には、サークルはどうなるの?
う~ん、集まれる人だけで集まって、もったいないから今まで習ったのを踊って
続けるかな。涼子ちゃんがいなくなったら終わりだねという人もいるけど、
もったいないから続けるという人もいるし、それは相談すると思う。
やってみてもし続かなくても、わたしはやってみることがかっこいいと思うけど。
●涼子ちゃんがいる間はずっと続けるの?
わたしは来年はどうするかわからない。ちょっとわからないといってるの。
●え!?そうなの?なんで?
また来年の4月でひとりメンバーが(転勤で)いなくなって、
7月にもたぶんひとりいなくなるから、人数がすごく減っちゃうの。
若手が引っ張ってきたのが、若い人たちがいなくなると文フェスもしんどいし、
練習を都合で休む人もいるから、練習へ行っても人数が少ないときついと思う。
以前の代表ががんばってくれたから、わたしも恩返しのつもりでがんばってきたけど、
もうそろそろいいかなとも思ってるの。
●じゃぁ、今度の文フェスがフラメンコの見納めになるかもしれないのね?
そうだね、その可能性は高いと思う。
●あ~そう、それは非常に残念だけど仕方がないね。
たしかに週3の習い事というのは大変でしょうしね。
わたしだったら週1でも難しいわ。(笑)
今年は方向を少し変えて、前半は週2に減らしてたんだけどね。
2曲でもいいから楽しみながらできる中で文フェス目指してやっていこうかと
いってたんだけど、どうにか形が見えてきて3曲できそうだとなったら、
週2日では練習が足りないし、やっぱり出るからには!(笑)
それで週3にまた増やしたんだよね。
文化フェスティバルにて 撮影:おじゃ8
●涼子ちゃんが、フラメンコをやめて時間がもっとできたら
他にやりたいことがあるとか、そういうことではないの?
なにがというのはないけど、ちょっと考えたいかな。
ずっとフラメンコが中心だったから。レッスン以外でも、わたしが覚えて
教えるとなったら毎日家で振り付けを覚えたりとか、文フェスが近くなれば
司会者に紹介してもらう内容を考えたり、フォーメーションとか、いろいろ。
時間は週3でも精神的にもっともっと縛られるから、一度何もなくなって考えたい。
ちょうど子どもも小学生で、2人目の子も保育園に行くから、わたしの時間も増えるし、
自分の時間が増えたところでわたしは何を思うのだろう?という期待かな。
その時思ったことをやれればいい。働きたいと思うかもしれないし。
そしたら働くかもしれないけど、それも何もない状態で決めたい。
●それでは最後になるかもしれない文フェスのフラメンコを
こう見たらより楽しめるというのを教えてもらえますか?
衣装が本当に素晴らしいのも見てほしいし、わたしたちが踊るのは群舞だから、
動きが揃って見えるのがかっこよくて、その辺を重視して練習してるので
そこを楽しんでもらえたらうれしい。動きを合わせるのがとても難しくて、
自由に踊っているようでいてすごく細かく決めてる部分とかもいっぱいあるんだけど、
わたし達はサークルでみんなで仲良くやってるから、合せようと和気あいあいと
やってる雰囲気を楽しんで観てもらいたいです。
自宅の庭にて 撮影:おじゃ8
●いまの島暮らしはどう?島に暮らすのは楽しい?
楽しいのは楽しい。わたしは東京生まれだから田舎もないし、東京以外の
暮らしを知らないけど、とにかく東京が嫌で嫌でしょうがなかったんだよね。
●東京のどこが嫌だったの?
なんかギスギスしてない?東京の人ってコワくない?わたしもコワかったと思うけど、
電車の中とか、すごいイライラしてるよね。ぶつかったらじろじろ見られるし。
都会に出かけることや買い物に行くこともわたしは好きじゃなかったし。
だから短期で島に来たときに、これだよ!と思ったの。人間これでいいじゃん!と。
わたしは古臭いところがあって、携帯が流行りはじめたときにも(必要?)と
思ったし、あと、仕事で疲れてマッサージに行ってお金を払うって、なんかさ、
おかしくない?まぁ、会社に行って働かなきゃいけないから例がおかしいけど。
●いや、意味はよくわかる。
会社に行って稼いだお金をエステに行って使うなら、エステと仕事がただ
ぐるぐる回ってるような気がするし、だったらもっと楽な仕事をして、
収入は少なくてもエステの分とチャラにしたらいいじゃん。みたいなところ。
●働いてエステに行かないと経済効果が上がらないんだけどね。(笑)
いや、でもわかるよ。わたしもそう思うし。
それを気づいてない人が多いんじゃないかな~と思っててね。
わたしはそこが違うかな~と思ってたから。
わたしは職場が嫌で嫌で、でも次のステップがどうしたらいいかわからなくて、
そこで精神的にすごく疲れて、仕事に生甲斐があるわけでもないのに、
そんなことをするために生きてるみたいな気になってることに、
何かが違う、何かが違うと思ってたのね。悪循環というか。
●では島に来て、そうでない暮らしが良かった?
うん、まぁ、働いてもないからね。(笑)
島でも働けばそれなりの人間関係もあると思うしストレスもたまると思うけど、
ちょうど自分が仕事を辞めたときに島に来て、何もない状態のときに、
ここは自分がいい状態でいられるところと思ったし、東京はやっぱりいい状態で
いられないところと思ったから、その中のどこで暮らしていくかということだなと。
●狙わずしてこのインタビュー、見事に3人連続で東京の暮らしに疲れた
という人が続いてしまったけど、やはり島に来て住もうと思う人の中には、
東京での暮らしに疲れたという人が多いのかもしれないね。
うん、うん。だから東京には、たまに行けばよいと思ってる。
島の中で、転勤族の人達もそうだけど、島外から来た若いママ達は、
海に行ったりキャンプをしたり、いろんなイベントに積極的に参加して、
友達を作って飲み会もして、フルに島暮らしを楽しんでいるように見えるけど、
涼子ちゃんもそういうタイプに見える。そこら辺が島で生まれ育った人達と
ちょっと違う感じがするのね。まぁ貪欲に楽しんでるなぁ!と思うわけよ。
そこまで楽しんだら、島に暮らした元がとれるでしょうと。(笑)
あはは!転勤族の人達は2年とか3年とかいる年数が決まってるから、
わたしから見ても、よくやるなと思う人はいるよね。
わたしはいつまでいるかわからないけど、3年と決まってると夏も3回しかないからね。
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税理士試験の勉強に八丈島に来た涼子ちゃんは、見事試験に合格したことも
書き加えておきます。次のステージを目指して取得した資格はいつか使う日が
くるのかな?どこにいてもなにをしていても、たぶん更なるステップを目指して
がんばる人なのでしょう。島暮らしも更にステップアップさせて楽しんでね!