植物民俗学に興味のある方からご質問いただいたのをきっかけに、
いまタコウナのことをいろいろ調べています。
調べていたら面白いことがたくさんあって興味深いので
さらに調べるつもりですが、情報を整理するために、
これまで分かったことを記載しておくことにします。
*筍/笋(タカムナ)とは - コトバンク
タコウナを検索するとこれが一番上に出てきます。
タコウナは、タケノコの古名であるタカムナがタカンナに変化し、
さらにタカウナに変化した言葉。
いつ頃の言葉かといえば、源氏物語(1008年・寛弘5年)に、
「たかうなをつと握り持ちて」と出てるらしい。1000年ほど前の話。
タコウナを誰が持っていたんでしょう?源氏かな?
さらに古くは、なんと!古事記(712年・和銅5年)に、
イザナギが鬼女に投げつけた棒から生えたタカムナを
鬼女が貪り食う間に逃げたと書かれてあるそうです。
◎8年前の地産地消かわら版「島の生活ガイド」に書かれてあります。
細い貝のことをカワニナと呼ぶように細いタケノコをタカムナと呼んだ。
源氏物語だけでも驚くのに、古事記とは悠久すぎてイメージ湧きませんね。
そんな昔からタコウナはあって、食べていたのかな?
鬼女は好きだったようだけど。
八丈方言の特徴である古語がそのまま方言として残ってるパターンですね。
源氏物語や古事記の言葉を使ってるなんて、八丈方言なんて素敵なり。
タコウナ(ヤダケ|苦くないタコウナ)
タコウナは細いタケノコの総称で、八丈島ではいまでもそう呼んでいます。
八丈島には少なくとも二種類以上のタコウナがあり、
4~5月に出てくる苦味のないタコウナの正式な和名はヤダケ、
6月の今頃たくさん出てくる苦味のあるタコウナの和名はメダケです。
しかし、八丈島ではこの名前で呼ばれることはほとんどありません。
知らない人が多いと思います。
ヤダケはホウキダケ、メダケはニガタケと呼ばれることもありますが、
ほぼタコウナで統一されています。
八丈島郷土料理「いそざきえん」の磯崎光太郎さんご夫妻に話を伺ったら、
メダケ(苦い)は樫立ではシノダケと呼んでいた。
ヤダケ(苦くない)はイエダケ(家の近くにあるから)と呼んでいたとのこと。
また、入り竹、入り笹と呼ぶこともあり、青いタコウナは青シビと呼ぶそうです。
地域によって方言の異なる八丈島では、タコウナの呼び方も様々かもですが、
島全体としてはタコウナで通っています。ほとんどの人はタコウナと呼びます。
焼きタコウナ(中之郷えこ・あぐりまーとタコウナまつりにて)
八丈島で一般的にタコウナと呼ばれているので、
わたしは伊豆諸島どの島でもタコウナと呼ばれ、
明日葉みたいにどの島でも普通に食べられているものだと思っていました。
ところが今回伊豆諸島全島を調べてみたら、まったく違ったので驚きです!
タコウナと呼んでるのは八丈島と青ヶ島だけでした。
しかも青ヶ島ではタコウナと呼ぶのは年配の方だけで、
若い人たちはノダケ(ヤダケの別名)、ニガタケ(メダケの別名)と呼ぶとのこと。
では、他の島ではなんと呼ばれているのでしょうか?
八丈島でタコウナと呼ばれ好んで食べられているこのタケノコは、
他の島にもあるのでしょうか?苦いのと苦くないのがあるでしょうか?
あるとしたら、どんな食べ方で食べているのでしょう?
八丈島と同じくらい好まれて食べられているでしょうか?
伊豆諸島全島に聞いてみたら、
本土寄りの島ではあまり好まれてないことがわかりました。
島別に、呼び方、種類、食べられているか、食べ方等を
現在までの調べで分かったことだけを書き出してみます。
【伊豆大島】
笹竹と真竹があり、真竹を食べている。
笹竹はほとんど食べられていない。中には食べる人もいるが、少ない。
【利島】
大きい竹はなく笹竹はあるがあまり食べられていない。
タケノコと呼んでいる。食べる場合には茹でてマヨネーズで食べる。
【新島】
タキンコ(タケノコ)と呼んでいるが、正式には野ダキではないか?
早い時期に採るタキンコは苦くないが、
その後に出てくるニガッタケは苦くてアク抜きしないと食べられない。
他に、ポチのタキンコという種類もある。
タコウナという呼び方は聞いたことがない。
【式根島】
タキンコ、またはタケノコと呼ぶ。
※新島、式根島あたりの言葉は母音のエがイに変わる発音をするので、
タケノコ→タキンコ、エビヅル→イビズルと発音する。
タキンコはあるが、食べてるのは年配の一部の人だけ。
たまに転勤族の人が「食べたい。どこで手に入る?」と言うことがあるが、
店では売ってないので、誰かにもらうしかない。
苦味のあるタキンコはあまり人気がないので、人にあげる際には、
「タキンコだけど、式根に生えてるのだよ」と言ったりする。
食べる場合は煮付けが主流。茹でて何かをつけて食べることはほぼない。
式根島にも明日葉あるが、赤茎で苦味の強い式根の明日葉は人気がなく、
八丈島産の苦味の少ない明日葉が人気がある。
式根島では、苦いものは好まれてないと思う。
【神津島】
メジロダケ、真竹、オオダケと呼ばれる竹がある。
時期は4~5月で苦いタケノコはない。
島全体で積極的に食べてる感じではない。
一部の竹林を持ってる人が食べたり配ったりする。
食べる際には、輪切りにして三杯酢、煮付け、茹でてマヨをつける。
【三宅島】
孟宗、ノダケ、ニガタケがある。
(孟宗竹は後から植えられたもので一部の人が食べている)
ノダケ、ニガタケは採りに行ってけっこう食べている。
孟宗、ノダケ、よりニガタケが人気があり、島の人々は楽しみにしている。
食べ方は茹でて酒盗(カツオの塩辛)をつけて食べるのが一般的。
八丈島では里芋に酒盗をつけて食べるが、三宅島ではタケノコにつけるもの。
タケノコを炒めたり煮たりする調味料にも酒盗を使う。塩辛煮という。
他に天ぷら、煮付け、酢味噌でも食べる。
シーズン中に茹でて冷凍しておき、煮付けにしたものが法事などに出る。
【御蔵島】
竹林があり、太い竹もあるが、ニガタケも食べている。
御蔵島では酢味噌が主流。(にんにくや生姜を入れる場合もあり)
何本もむいて長いまま酢味噌にして大皿に盛り、宴会に出る。
【八丈島】
苦くないヤダケ(ホウキダケ、イエダケ)が4~5月、
苦いメダケ(ニガタケ、シノダケ)が6月頃、
どちらも合わせてタコウナと呼ばれ、好んで食べられている。
※真竹も少しあるが、これはタコウナとは呼ばれてない。
自分で採りに行くか採った人からいただくものだったが、
ここ数年はお店でも販売されるようになった。(皮付き、皮なし)
食べ方は、茹でてマヨつける、煮付け、味噌煮(樫立)、焼きタコウナ、
近年では、天ぷらや炊き込みご飯にする人もいる。
シーズン中にたくさん採って皮をむき茹でて冷凍しておく人は多い。
夏の帰省シーズンに煮付けとして使う。
【青ヶ島】
苦くないのはノダケ、苦いのはニガタケと呼ばれ、
年配の方はタコウナと呼ぶが、ノダケ、ニガタケが主に使われている。
食べ方は八丈島とほぼ同じと思われます。
冷凍してストックしておくもの。
以上、各島にいるわたしの友人知人、知り合いのいない島は、
観光協会や役場に聞いて集めた情報です。
※現地へ行って確認してないので、誤った情報もあるかもです。
食べ方で面白いのは、三宅島の酒盗と御蔵島の丸ごと酢味噌。
これはわたしも作ってみたいと思います。
タコウナの呼び方が八丈島と青ヶ島の一部だけに残っているのは、
黒潮で隔てられた八丈島と御蔵島以北には言語圏の違いがあり、
方言も違うからだと八丈島教育委員会の林先生が仰ってました。
八丈方言は絶滅の危機にあり、お年寄り以外方言を話す人が激減してますが、
1000年前のタコウナがいまでも一般的に使われているのは興味深い事実です。
たぶん八丈島と青ヶ島以外に、タコウナと呼ぶ地域は全国でもないのでは?
笹竹が八丈島へ入ってきたのはいつの時代かわかっていませんが、
八丈島のかやぶき屋根には昔は笹竹が止め道具の役目として使われており、
また、いめみご(芋カゴ)を編むのに使われ、重要な役割を果たしていました。
八丈島と青ヶ島、三宅島で好んで食べられているニガタケが、
東京寄りになるほど好まれていないのは、
もしかしたら明日葉との関連性もあるかもと個人的には思っています。
昔から明日葉をよく食べている八丈島と青ヶ島、三宅島では、
苦味をおいしいと感じる味覚が成熟していて、
ニガタケを好んで食べることができるのかもしれません。
今後も引き続きタコウナについて調べ、
伊豆諸島の違いを含めて情報をまとめておきたいと思っています。
ここに書かれてない情報をお持ちの方は、ぜひ教えてくださいね。
【情報感謝】
高橋千香大島町議員、利島村役場、新島嶋自慢代表宮原さん、
式根島観光協会福本さん、神津島観光協会梅田さん・かくしょうさん、
三宅島西野農園、御蔵島村役場、青ヶ島auraちゃん、
八丈島郷土料理いそざきえん磯崎光太郎ご夫妻、
八丈町教育委員会林先生、岩崎由美八丈町議員、南海タイムス。
■当ブログタコウナ関連記事まとめ
*映画の朝食シーンに撮る八丈島のご馳走(2007年04月24日)
*たこうなと里芋の炊き合わせ@島のおばあちゃんのおもてなし
(2009年04月12日)
*島の生活ガイド5月号好評発行中!(2009年05月19日)
*島のご馳走@藤まつり(2009年04月25日)
*晴れて島市元気に開催!(2009年06月09日)
*島の筍たこうな(2010年06月02日)
*こだわり自家製@立ち寄り酒場「でこでこ」(2010年06月04日)
*たこうなの肉巻き(2010年06月18日)
*たこうなご飯(2010年06月20日)
*たこうなの天ぷら★居酒屋まっちゃんのうまうまメニュー(2012年05月13日)
*簡単おいしい自家製メンマ★コラーゲン鶏そばでいただきます!
(2012年06月10日)
*どう食べる?★たこうなの季節です(2013年06月02日)
*あぁ、おいしい★たこうなご飯とたこうなサラダ(2013年06月04日)
*【昼食】ポークソテーとお献立(2014年09月28日)
*希望の村ウィークエンドカフェ★GWイベント情報【2】(2015年05月02日)
*南の魔女のクレソン鍋(2015年05月24日)
*南国からナポリの島の夜(2015年05月31日)
*楽しい島もの出てますよ♪(2015年06月07日)
*焼きカレーと焼きタコウナ★今日のウチランチ(2016年04月17日)
*土曜市開催中!(2016年05月28日)
*春ごぼうと島野菜の煮物★昨日の夕食(2016年05月29日)
*タコウナ・明日葉・紫芋・クワの実★島もの朝食(2016年05月31日)
*6月1日の献立(1日分)(2016年06月02日)
*たこうな祭り、ウィークエンドカフェ★週末イベント情報
(2016年06月10日)
*ぶり大根(2016年06月19日)
*本日7月八丈DAY2016開催中!(2016年07月08日)
*八丈プラザ公園で手話サークル送別BBQ!(2016年08月09日)
*ねり(島おくら)の肉巻き(2016年09月20日)
*島寿司弁当と今期のドラマ(2016年09月21日)
*八丈島手話サークルの豪華BBQ(2017年05月07日)
*たこうなの味噌煮(2017年06月23日)
タコウナよく食べてるなー!
(これでも抜粋です)
※実はタコウナの皮むき動画も撮ったのですが、
まとめに時間かかって疲れてしまったので、明日この記事に追載します。
■6月28日(水)追記
タコウナのむき方動画と見分け方です。
八丈島郷土料理いそざきえんさんにタコウナのむき方を教えていただきました。
動画を撮りましたので、分からなかった方はじっくりご覧くださいね。
タコウナのむき方
いかがでしたか?やってみてくださいね。
このやり方でバリバリとタコウナがむけるようになると、
できる島の女感がアップしますよ~!
ついでに、いそざきえんさんから、おいしいタコウナの見分け方です。
左から右へ行くにつれておいしいタコウナです。右が一番のタコウナ◎
竹薮の奥に入ったとこにあるから入り竹・入り笹という。
左は道端にある青しび。日が当たる場所にあるタコウナは青くて苦い。
明日葉もそうですが、強い日差しを浴びたものはかたく苦くなるので、
タコウナも同じというわけです。藪の奥の方に入っていって、
日当たりの悪い場所からゲットした入り竹が苦味が少なくおいしいのです。
青しびはタコウナをむくときのために取っておきます。
かたい青しびがタコウナをむきやすいそうです。
鉄分強化に八丈島産きくらげ★今週の特売チラシはこちらです!
クックパッドにあさぬまの特売情報を掲載中です!
八丈島の天気と就航状況のtwitter(ツイッター)はこちらです!
八丈島情報のtwitter(ツイッター)はこちらです!
海風おねえさんのtwitter(ツイッター)はこちらです!
八丈島ジャージーカフェのtwitter(ツイッター)はこちらです!
ブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします!
いまタコウナのことをいろいろ調べています。
調べていたら面白いことがたくさんあって興味深いので
さらに調べるつもりですが、情報を整理するために、
これまで分かったことを記載しておくことにします。
*筍/笋(タカムナ)とは - コトバンク
タコウナを検索するとこれが一番上に出てきます。
タコウナは、タケノコの古名であるタカムナがタカンナに変化し、
さらにタカウナに変化した言葉。
いつ頃の言葉かといえば、源氏物語(1008年・寛弘5年)に、
「たかうなをつと握り持ちて」と出てるらしい。1000年ほど前の話。
タコウナを誰が持っていたんでしょう?源氏かな?
さらに古くは、なんと!古事記(712年・和銅5年)に、
イザナギが鬼女に投げつけた棒から生えたタカムナを
鬼女が貪り食う間に逃げたと書かれてあるそうです。
◎8年前の地産地消かわら版「島の生活ガイド」に書かれてあります。
細い貝のことをカワニナと呼ぶように細いタケノコをタカムナと呼んだ。
源氏物語だけでも驚くのに、古事記とは悠久すぎてイメージ湧きませんね。
そんな昔からタコウナはあって、食べていたのかな?
鬼女は好きだったようだけど。
八丈方言の特徴である古語がそのまま方言として残ってるパターンですね。
源氏物語や古事記の言葉を使ってるなんて、八丈方言なんて素敵なり。
タコウナ(ヤダケ|苦くないタコウナ)
タコウナは細いタケノコの総称で、八丈島ではいまでもそう呼んでいます。
八丈島には少なくとも二種類以上のタコウナがあり、
4~5月に出てくる苦味のないタコウナの正式な和名はヤダケ、
6月の今頃たくさん出てくる苦味のあるタコウナの和名はメダケです。
しかし、八丈島ではこの名前で呼ばれることはほとんどありません。
知らない人が多いと思います。
ヤダケはホウキダケ、メダケはニガタケと呼ばれることもありますが、
ほぼタコウナで統一されています。
八丈島郷土料理「いそざきえん」の磯崎光太郎さんご夫妻に話を伺ったら、
メダケ(苦い)は樫立ではシノダケと呼んでいた。
ヤダケ(苦くない)はイエダケ(家の近くにあるから)と呼んでいたとのこと。
また、入り竹、入り笹と呼ぶこともあり、青いタコウナは青シビと呼ぶそうです。
地域によって方言の異なる八丈島では、タコウナの呼び方も様々かもですが、
島全体としてはタコウナで通っています。ほとんどの人はタコウナと呼びます。
焼きタコウナ(中之郷えこ・あぐりまーとタコウナまつりにて)
八丈島で一般的にタコウナと呼ばれているので、
わたしは伊豆諸島どの島でもタコウナと呼ばれ、
明日葉みたいにどの島でも普通に食べられているものだと思っていました。
ところが今回伊豆諸島全島を調べてみたら、まったく違ったので驚きです!
タコウナと呼んでるのは八丈島と青ヶ島だけでした。
しかも青ヶ島ではタコウナと呼ぶのは年配の方だけで、
若い人たちはノダケ(ヤダケの別名)、ニガタケ(メダケの別名)と呼ぶとのこと。
では、他の島ではなんと呼ばれているのでしょうか?
八丈島でタコウナと呼ばれ好んで食べられているこのタケノコは、
他の島にもあるのでしょうか?苦いのと苦くないのがあるでしょうか?
あるとしたら、どんな食べ方で食べているのでしょう?
八丈島と同じくらい好まれて食べられているでしょうか?
伊豆諸島全島に聞いてみたら、
本土寄りの島ではあまり好まれてないことがわかりました。
島別に、呼び方、種類、食べられているか、食べ方等を
現在までの調べで分かったことだけを書き出してみます。
【伊豆大島】
笹竹と真竹があり、真竹を食べている。
笹竹はほとんど食べられていない。中には食べる人もいるが、少ない。
【利島】
大きい竹はなく笹竹はあるがあまり食べられていない。
タケノコと呼んでいる。食べる場合には茹でてマヨネーズで食べる。
【新島】
タキンコ(タケノコ)と呼んでいるが、正式には野ダキではないか?
早い時期に採るタキンコは苦くないが、
その後に出てくるニガッタケは苦くてアク抜きしないと食べられない。
他に、ポチのタキンコという種類もある。
タコウナという呼び方は聞いたことがない。
【式根島】
タキンコ、またはタケノコと呼ぶ。
※新島、式根島あたりの言葉は母音のエがイに変わる発音をするので、
タケノコ→タキンコ、エビヅル→イビズルと発音する。
タキンコはあるが、食べてるのは年配の一部の人だけ。
たまに転勤族の人が「食べたい。どこで手に入る?」と言うことがあるが、
店では売ってないので、誰かにもらうしかない。
苦味のあるタキンコはあまり人気がないので、人にあげる際には、
「タキンコだけど、式根に生えてるのだよ」と言ったりする。
食べる場合は煮付けが主流。茹でて何かをつけて食べることはほぼない。
式根島にも明日葉あるが、赤茎で苦味の強い式根の明日葉は人気がなく、
八丈島産の苦味の少ない明日葉が人気がある。
式根島では、苦いものは好まれてないと思う。
【神津島】
メジロダケ、真竹、オオダケと呼ばれる竹がある。
時期は4~5月で苦いタケノコはない。
島全体で積極的に食べてる感じではない。
一部の竹林を持ってる人が食べたり配ったりする。
食べる際には、輪切りにして三杯酢、煮付け、茹でてマヨをつける。
【三宅島】
孟宗、ノダケ、ニガタケがある。
(孟宗竹は後から植えられたもので一部の人が食べている)
ノダケ、ニガタケは採りに行ってけっこう食べている。
孟宗、ノダケ、よりニガタケが人気があり、島の人々は楽しみにしている。
食べ方は茹でて酒盗(カツオの塩辛)をつけて食べるのが一般的。
八丈島では里芋に酒盗をつけて食べるが、三宅島ではタケノコにつけるもの。
タケノコを炒めたり煮たりする調味料にも酒盗を使う。塩辛煮という。
他に天ぷら、煮付け、酢味噌でも食べる。
シーズン中に茹でて冷凍しておき、煮付けにしたものが法事などに出る。
【御蔵島】
竹林があり、太い竹もあるが、ニガタケも食べている。
御蔵島では酢味噌が主流。(にんにくや生姜を入れる場合もあり)
何本もむいて長いまま酢味噌にして大皿に盛り、宴会に出る。
【八丈島】
苦くないヤダケ(ホウキダケ、イエダケ)が4~5月、
苦いメダケ(ニガタケ、シノダケ)が6月頃、
どちらも合わせてタコウナと呼ばれ、好んで食べられている。
※真竹も少しあるが、これはタコウナとは呼ばれてない。
自分で採りに行くか採った人からいただくものだったが、
ここ数年はお店でも販売されるようになった。(皮付き、皮なし)
食べ方は、茹でてマヨつける、煮付け、味噌煮(樫立)、焼きタコウナ、
近年では、天ぷらや炊き込みご飯にする人もいる。
シーズン中にたくさん採って皮をむき茹でて冷凍しておく人は多い。
夏の帰省シーズンに煮付けとして使う。
【青ヶ島】
苦くないのはノダケ、苦いのはニガタケと呼ばれ、
年配の方はタコウナと呼ぶが、ノダケ、ニガタケが主に使われている。
食べ方は八丈島とほぼ同じと思われます。
冷凍してストックしておくもの。
以上、各島にいるわたしの友人知人、知り合いのいない島は、
観光協会や役場に聞いて集めた情報です。
※現地へ行って確認してないので、誤った情報もあるかもです。
食べ方で面白いのは、三宅島の酒盗と御蔵島の丸ごと酢味噌。
これはわたしも作ってみたいと思います。
タコウナの呼び方が八丈島と青ヶ島の一部だけに残っているのは、
黒潮で隔てられた八丈島と御蔵島以北には言語圏の違いがあり、
方言も違うからだと八丈島教育委員会の林先生が仰ってました。
八丈方言は絶滅の危機にあり、お年寄り以外方言を話す人が激減してますが、
1000年前のタコウナがいまでも一般的に使われているのは興味深い事実です。
たぶん八丈島と青ヶ島以外に、タコウナと呼ぶ地域は全国でもないのでは?
笹竹が八丈島へ入ってきたのはいつの時代かわかっていませんが、
八丈島のかやぶき屋根には昔は笹竹が止め道具の役目として使われており、
また、いめみご(芋カゴ)を編むのに使われ、重要な役割を果たしていました。
八丈島と青ヶ島、三宅島で好んで食べられているニガタケが、
東京寄りになるほど好まれていないのは、
もしかしたら明日葉との関連性もあるかもと個人的には思っています。
昔から明日葉をよく食べている八丈島と青ヶ島、三宅島では、
苦味をおいしいと感じる味覚が成熟していて、
ニガタケを好んで食べることができるのかもしれません。
今後も引き続きタコウナについて調べ、
伊豆諸島の違いを含めて情報をまとめておきたいと思っています。
ここに書かれてない情報をお持ちの方は、ぜひ教えてくださいね。
【情報感謝】
高橋千香大島町議員、利島村役場、新島嶋自慢代表宮原さん、
式根島観光協会福本さん、神津島観光協会梅田さん・かくしょうさん、
三宅島西野農園、御蔵島村役場、青ヶ島auraちゃん、
八丈島郷土料理いそざきえん磯崎光太郎ご夫妻、
八丈町教育委員会林先生、岩崎由美八丈町議員、南海タイムス。
■当ブログタコウナ関連記事まとめ
*映画の朝食シーンに撮る八丈島のご馳走(2007年04月24日)
*たこうなと里芋の炊き合わせ@島のおばあちゃんのおもてなし
(2009年04月12日)
*島の生活ガイド5月号好評発行中!(2009年05月19日)
*島のご馳走@藤まつり(2009年04月25日)
*晴れて島市元気に開催!(2009年06月09日)
*島の筍たこうな(2010年06月02日)
*こだわり自家製@立ち寄り酒場「でこでこ」(2010年06月04日)
*たこうなの肉巻き(2010年06月18日)
*たこうなご飯(2010年06月20日)
*たこうなの天ぷら★居酒屋まっちゃんのうまうまメニュー(2012年05月13日)
*簡単おいしい自家製メンマ★コラーゲン鶏そばでいただきます!
(2012年06月10日)
*どう食べる?★たこうなの季節です(2013年06月02日)
*あぁ、おいしい★たこうなご飯とたこうなサラダ(2013年06月04日)
*【昼食】ポークソテーとお献立(2014年09月28日)
*希望の村ウィークエンドカフェ★GWイベント情報【2】(2015年05月02日)
*南の魔女のクレソン鍋(2015年05月24日)
*南国からナポリの島の夜(2015年05月31日)
*楽しい島もの出てますよ♪(2015年06月07日)
*焼きカレーと焼きタコウナ★今日のウチランチ(2016年04月17日)
*土曜市開催中!(2016年05月28日)
*春ごぼうと島野菜の煮物★昨日の夕食(2016年05月29日)
*タコウナ・明日葉・紫芋・クワの実★島もの朝食(2016年05月31日)
*6月1日の献立(1日分)(2016年06月02日)
*たこうな祭り、ウィークエンドカフェ★週末イベント情報
(2016年06月10日)
*ぶり大根(2016年06月19日)
*本日7月八丈DAY2016開催中!(2016年07月08日)
*八丈プラザ公園で手話サークル送別BBQ!(2016年08月09日)
*ねり(島おくら)の肉巻き(2016年09月20日)
*島寿司弁当と今期のドラマ(2016年09月21日)
*八丈島手話サークルの豪華BBQ(2017年05月07日)
*たこうなの味噌煮(2017年06月23日)
タコウナよく食べてるなー!
(これでも抜粋です)
※実はタコウナの皮むき動画も撮ったのですが、
まとめに時間かかって疲れてしまったので、明日この記事に追載します。
■6月28日(水)追記
タコウナのむき方動画と見分け方です。
八丈島郷土料理いそざきえんさんにタコウナのむき方を教えていただきました。
動画を撮りましたので、分からなかった方はじっくりご覧くださいね。
タコウナのむき方
いかがでしたか?やってみてくださいね。
このやり方でバリバリとタコウナがむけるようになると、
できる島の女感がアップしますよ~!
ついでに、いそざきえんさんから、おいしいタコウナの見分け方です。
左から右へ行くにつれておいしいタコウナです。右が一番のタコウナ◎
竹薮の奥に入ったとこにあるから入り竹・入り笹という。
左は道端にある青しび。日が当たる場所にあるタコウナは青くて苦い。
明日葉もそうですが、強い日差しを浴びたものはかたく苦くなるので、
タコウナも同じというわけです。藪の奥の方に入っていって、
日当たりの悪い場所からゲットした入り竹が苦味が少なくおいしいのです。
青しびはタコウナをむくときのために取っておきます。
かたい青しびがタコウナをむきやすいそうです。
鉄分強化に八丈島産きくらげ★今週の特売チラシはこちらです!
クックパッドにあさぬまの特売情報を掲載中です!
八丈島の天気と就航状況のtwitter(ツイッター)はこちらです!
八丈島情報のtwitter(ツイッター)はこちらです!
海風おねえさんのtwitter(ツイッター)はこちらです!
八丈島ジャージーカフェのtwitter(ツイッター)はこちらです!
ブログランキングに参加しています。応援クリックお願いします!