雀の手箱

折々の記録と墨彩画

承天閣の柴田是真

2010年05月12日 | 雀の足跡

 6日はゆっくりして遅めの朝食の後、予定していた相国寺の承天閣美術館へと車を走らせました。

 ここでは柴田是真の漆工芸品と漆絵展が開催されています。一般には余り知られていない作家ですが、日曜美術館のアート・シーンで取り上げられたときから、巡回を心待ちにしていました。たまたま検索していて見かけた「京都であそぼう」という記事に、アンケートとコメントを入れていたところ抽選に当選、招待券を送ってくださいました。


 




 相国寺は、予ねて若冲と深いゆかりの寺ですから、是非ともゆっくり訪ねたかったお寺です。
 同志社大学に隣接する広い境内には、多くの塔頭があり、夢窓疎石が開山の禅寺ですから簡素ながらも風格のあるお寺です。如拙や雪舟といった画僧を輩出しています。(昨日の等伯は「自雪舟五代」せっしゅうよりごだいを名乗っています。)
 車は相国寺の門の内、承天閣の前まで入ってくれました。美術館らしからぬ寺院の入り口では靴を脱いでそのままの入館でした。
 図録を見ると東京展よりも少し作品が少ないような気がしますが、それでも二つに分かれた展示室に、併せて百点近く、画帖の70点余も加えると大掛かりなものでした。

 (この展覧会に関しては、相国寺のホームページに画像の大きなものや詳しい解説がありますので詳細はそちらでごらんください。)

 江戸っ子らしいきりりとした洒落とモダンなデザイン、発想のユニークに見とれました。
 墨彩画にもそのまま“いただき“のヒントもあって、人もそれ程多くは無くて肩肘張らずにゆっくり楽しめました。

 ホームページに紹介されたものの他にも、私のハンドルネームの「ふくら雀」が、ちょこんと嘴の出た愛らしい顔の背に、菊花文の金銀蒔絵をのっけた根付の姿で並んでいました。(4,1x3,8x1,9cm)


 再現の夕佳亭茶室(相国寺・鹿苑寺)の玉座の間におかれた鉄刀木の煙草盆、流水に蝙蝠をモダンにデザインした欅の木目をいかした角盆などが目を惹きました。
 第二展示室には思いもかけず、肩入れの若冲、鹿苑寺大書院障壁画「葡萄小禽図床貼付」と「月夜芭蕉図」三の間の床貼付に対面できて、予定の時間を大きくはみ出して至福のときを過ごしました。
 会場には変り漆の製作工程も、未知の世界ながら、青海波塗り、紫檀塗り、青銅塗り、と細かく解説してありました。

相国寺・承天閣美術館  相国寺本堂  鐘楼の三枚です。クリックとwクリックでどうぞ

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