8日、そろそろ帰ろうかと言い出したのを宥め、やっと真面に歩けるようになったから、せめてもう一ケ所美術館巡りをして帰りたいからといって、あるじを孫娘に任せて、私は一人で出かけることにしました。
私の好みを知っていて、娘が集めてくれていた美術館のチラシの中からさんざんに迷って、「KATAGAMI展」を選びました。二重橋そばの三菱1号館美術館が会場です。
本当は、東博で開催中の、ボストン美術館から里帰りしている海を渡った国宝に会いたかったのですが、待ち時間を思うと足が可哀そうなので、諦めて曽我蕭白の雲竜図も図録で見ることにしました。
初めて行く美術館でしたが千代田線の二重橋前駅から歩いて3分ほどでした。
400点を超える展示品はよく整理されて纏められ、会場もそれほど混んではいませんでした。日本の型紙のなかでも伊勢型紙を中心に、このような精密な作業が人の手で可能なものかと思う仕事です。単なるエキゾチックな図柄というだけでなく、ヨーロッパの人々を魅了したのがよくわかります。
5章構成で、1章は型紙とそれが使われた日本の着物など 2章は英語圏 3章はフランス語圏 4章はドイツ語圏での型紙の受容された作品 5章は現代のプロダクトへの応用 です。
アールヌーボー様式への影響はもちろん、諸国への浸透も系統だった展示で、理解しやすく、途中椅子で休憩しながらの2時間余でした。1号館から見下ろす中庭は、丸の内で働く人たちのお昼休みの憩いのひと時を過ごす場所でもあるようでした。
ゆっくり昼食の休みを取って元気を回復したので、帰りの千代田線で、気が変わって、表参道で途中下車して、欲張って車で山種美術館を覗いてきました。こちらでは季節遅れではありますが桜を描く高名な画家たち(大観、玉堂、魁夷、渓泉、土牛、又造などなど)の特集60点ほどで、速水御舟の夜桜の一点が気に入りました。
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