雀の手箱

折々の記録と墨彩画

九月尽

2015年09月30日 | 塵界茫々
 慌ただしく季節が移り過ぎてゆきます。
 雲間の中秋の望月を愛でた次の日は、みじかかった夏日を惜しむかのように、強い陽射に途惑いました。
 旧暦ではなくとも、もう九月尽。「季秋」の言葉のごとく九月は秋三か月の終わりの月。明日からは陰陽道では陰が終り陽に転ずる月で、十月を陽月とよぶのだそうです。
 ともあれ、どうか穏やかな日々が訪れることを祈るばかりです。
描きためた中から、季の名残の蝉と萩、秋草です。

   すり流すよき墨の香や九月尽  会津八一