雀の手箱

折々の記録と墨彩画

秋の訪れ

2016年10月19日 | 塵界茫々
「目にはさやかに見えねども」風の気配に秋の訪れを感じたいにしへのうた人が詠んだのは今頃の季節なのでしょう。
 ただ今年の自然界は異常のようです。我が家の荒れた庭でも、柿の実が今年は数えるほどの生りで、造園業者も長年見てきて、裏年とはいえはじめてのことと驚いています。
 ホトトギスの傍ではツワブキが盛りの黄色ですし、金木犀も高い香を放っています。例年は刈り取るほどの水引草が、夏の炎暑で枯れて、細々とひっそり赤い粒をつけています。10月半ばを過ぎても、半袖でも暑い日があるかと思えば、雨の後などは長袖のカーデガンが必要な日もあります。颱風もいつまでも発生し続けているようです。

 やっと「平常」が戻った老い二人だけの暮らしは、言葉も少なく、早くも「秋深みかも」の様相を呈しています。