台風や長雨、記録的な日照不足など全国的な天候不順で、野菜の高値が続いている。生育不良で出荷量が減った野菜だけでなく、不足を補う形で購入さ れる他の野菜にまで高値は波及。農林水産省は「今月末には落ち着く」とみるが、ニンジンなど一部品目では高値の継続も予想されている。

  「20年以上店をやって初めての値段を付けた」。東京都練馬区のスーパー「アキダイ」の秋葉弘道社長(48)は、そう明かす。市場の卸売価格が高騰し、普 段なら1袋100〜150円のホウレンソウに一時298円の値札を付けざるをえなかった。コマツナ、ミズナなども通常の1.3〜2倍の価格で販売。それで も、全体の3分の1ほどが原価と同じか原価割れだという。 高値野菜の代わりに買われるため、平年並みだった他の野菜にも高値が広がっているといい、秋葉さんは「こんなに多くの品目が高値になるのは珍しい。後で集計してため息をつくと思う」と嘆いた。農水省によると、9月の日照不足などにより高値になっているのは、ホウレンソウ、ピーマン、キュウリなど。ただ、天候の回復で今月末には多くの卸売価格が落ち着くとみている。一方で担当者が「11月以降も高値が続きそうだ」と指摘するのが、台風被害のため北海道産の出荷が落ち込んだニンジンとジャガイモだ。 ニンジンは11月から千葉県や長崎県で出荷が始まるものの、両県とも天候不順で出荷量が平年より少なくなる見通し。ジャガイモは年内に北海道以外の産地からの大きな出荷がなく、状況は変わらないという。 農水省は「卸売価格が落ち着いても、小売価格に反映されるまで1週間から10日かかる」としており、家計への影響は今しばらく続きそうだ。

◇気象庁、農作物への影響注意呼びかけ

9の日本列島は秋雨前線に湿った風が流れ込んだ上、台風が相次ぎ接近したことで平年より雲の多い状態が続いた。このため、気象庁は同月27日、日照不足により農作物に影響が出る可能性があるとして注意を呼びかけていた。 9月11日から約2週間の日照時間は東京都心で12.8時間(平年の21%)。関東から九州にかけての広い地域で平年の半分以下となり、その大半が統計のある昭和36年以降で最少になった。

 現在は雲の多い状況は解消し、今月13日発表の1カ月予報では、東日本などでほぼ平年並みとなった。ただ、西日本を中心に天気が崩れやすくなり、その地域では平年より日照がやや少ない見通しになっている。」

今年の異常気象で、野菜も鮮度が悪く、冷蔵庫で保管しても長持ちしません。

冷凍野菜では、産地が信頼出来るかどうかが、問題です。