05月12日 20:20
ギャンブル依存症になった経験を話す元関脇の貴闘力さん=東京都江東区、松本俊撮影
(朝日新聞)
ギャンブル依存症は人々をどう狂わせていくのか。政府は今国会でカジノ解禁につながる統合型リゾート(IR)実施法案の成立をめざしているが、依存症への懸念は根強い。いまも依存症を克服できずにいるという大相撲元関脇の貴闘力さん(50)に聞いた。
――子どものころから、ギャンブルで苦労されたと聞きました。
生まれてから、ギャンブルは生活の一部、空気みたいだったね。賭け事好きなおやじのせいで、小さい頃は借金取りに追われ続けた。借金取りが家に来て、電話は鳴りっぱなし。電話を押し入れの布団の中に隠しても鳴り続ける。家に差し押さえのシールをばんばん貼られてね。取り立てから逃れるため、小学校は6〜7回転校したよ。
――中学を卒業後、藤島部屋(当時)に入門しました。相撲を始めたきっかけは何だったのですか?
相撲はやりたいっていうか、小学校高学年のとき、たまたまテレビで見てて、面白かったんで。当時、ギャンブルは嫌なものだったし、おやじから離れたいという思いもあってね。借金取りの追い込みに比べたら、相撲でぶったたかれたりけられたり、そんなのは別に我慢できるから。
――その時はギャンブルはしていなかった?
部屋に入ったら3〜4年は相撲漬けの生活。朝5時から昼の11時まで練習があって、それから筋トレとかいろいろして。若い衆の時は、練習よりも、その後の先輩からの用事の方が過酷。やっても先輩と夜に少しマージャンを囲むくらいだったよ。
■化粧まわし代の400万円が
――なぜギャンブルにはまったのですか?
十両昇進が決まると、後援会を作って、着物とか化粧まわしとかを作らないといけない。ほかの人は田舎に帰ってお金を集めてもらうんだけど、俺みたいに転々としてるやつに田舎なんてない。色んな人にお願いして400万円を集めたけど、預けた知人にお金を持ち逃げされたわけよ。
ポケットには10万円だけ。つい大井競馬場(東京都品川区)に行って、知らない馬に全額を賭けたら、大当たり。400万円になった。そのお金で化粧まわしを作った。そっから人生が破滅していくよね。こつこつやっていこうと思っている人と比べて、人生の歯車が狂ってるの。おやじが嫌で「ギャンブルなんてやるもんか」って考えはあったけど、入ってもうたね。』
立会いの前に塩をたくさん土俵にまいて、両方の頬手で叩いて気合を入れてましたね。
貴闘力さん、今もギャンブル依存症なかなか治せせないようですね。
カジノが、日本出来れば、男性も女性もギャンブル依存症になる人が増えるでしょうね。