ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ジョー・カストロ/グルーブ・ファンク・ソウル

2013-03-24 21:57:53 | ジャズ(ハードバップ)
最近公私ともに多忙で久々の更新となってしまいました。2週間ぶりのピックアップは50年代から60年代にかけて西海岸で活躍した白人ピアニスト、ジョー・カストロです。と言っても誰それ?と言うのが普通の反応ですよね。何でも西海岸を代表する黒人テナー、テディ・エドワーズの専属ピアニストを務めていたとか。確かに私も所有する彼のパシフィック・ジャズ盤「サンセット・アイズ」にカストロの名前がありました。でも他ではとんと見かけない名前ですね。アニタ・オデイの歌伴も務めたことがあるそうですが、私のライブラリーにはありませんし。1959年に録音された本作はそんなカストロがアトランティックに残した貴重なリーダー作です。サポートメンバーはボスのテディ・エドワーズ(テナー)に加え、バンドの僚友だったリロイ・ヴィネガー(ベース)、ビリー・ヒギンス(ドラム)。何気に豪華メンツですね。



ただ、こんなこと言ったら身も蓋もありませんが、これって実質のリーダーはテディ・エドワーズですよね?いや、もちろんジャケットにはカストロがアップで写ってるんですが、どう考えてもプレイの目立ち度ではエドワーズなんですよねえ。きっとレコード会社の契約の問題とかでカストロが名義上のリーダーになったのではないかと察します。何せ冒頭の“Groove Funk Soul”からエドワーズのテナーがノリノリなんですよ。序奏抜きのフェイド・インでいきなりアドリブから始まるというユニークな編集なんですが、タイトル通りにグルーヴィーでファンキーでソウルフルなアドリブに圧倒されます。続くカストロも躍動感あふれるピアノ・ソロを聴かせてはくれるんですけどね。もう1つのお薦め曲“Play Me The Blues”は読んで字の如くコッテリしたブルースですが、これもエドワーズの悠揚たるプレイが圧巻です。ラストにエドワーズ抜きのピアノトリオ“That's All”が収録されていて、ようやくカストロの独壇場かと思いきや演奏自体は至って平凡なのが残念。う~ん、別に下手とかじゃないんですけどね。個性が足りないのかなあ。ただ、カストロはともかくとして、決して正当に評価されているとは言えない隠れた名手エドワーズのテナーが存分に聴けるだけでも一聴に値する作品だと思います。
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