本日からしばらくは先日発売されたブルーノートのお蔵入り作品コレクションを取り上げたいと思います。50年代後半から60年代にかけてのブルーノートはジャズ史に残る傑作群を次々とリリースし、私のCDライブラリーにも170枚を超える作品が収蔵されています。ただ、同レーベルには録音当時は日の目を見ることがなかったお蔵入り作品が多数あり、今回それらの作品群がほぼ20年ぶりにCD化される運びとなりました(中には初CD化もあります)。ジャズのCDを買うとよく未発表テイクがボーナストラックで収録されていますが、ブルーノートのすごい所は曲単位でなくセッションまるごとをボツにしてしまうところで、これも社長であったアルフレッド・ライオンの完璧主義ぶりと、ジャズ史に名を残す名手達のプレイがいつでも生で聴くことができた当時の時代背景ゆえでしょう。ただ、50年後の我々からすると録音に参加したメンバーを見るだけで、思わず胸が高鳴ってしまう理想的なラインナップで、とてもスルーするわけにはいきません。
今日ピックアップする「ジュビリー・シャウト」は60年代ブルーノートの顔でもあったスタンリー・タレンタインが1962年に録音したセッション。参加メンバーはトランペットが兄でもあるトミー・タレンタイン、ギターがケニー・バレル、ピアノがソニー・クラーク、ベースがブッチ・ウォーレン、ドラムがアル・ヘアウッドです。個人的にはNo.1ギタリストと思っているバレルの参加が嬉しいですね。生前最後の録音である(3ヶ月後にドラッグ中毒で死亡)ソニー・クラークのプレイもジャズファン的には聴き逃せません。内容ですがボツ作品ということで果たしてどんなもんかと身構えていたのですが、1曲目タイトル曲の“Jubilee Shout”でワイルドなテナーのブロウが1分以上続いた後、4拍子の軽快なビートに転調した瞬間に懸念は吹き飛びます。これこそまさに正真正銘のブルーノート・ジャズですね。歌うようなタレンタインのアドリブ、続くバレルのソウルフルなギターソロも最高です。この“Jubilee Shout”をはじめ、典型的ビバップ“Brother Tom”と10分を超えるレイジーなブルース“Cotton Walk”の3曲がスタンリーのオリジナルで、作曲のセンスも発揮しています。もう1曲のオリジナル“You Said It”は兄トミー作のハードバップです。残り2曲はスタンダードで、“My Ship”“Little Girl Blue”ともバラード演奏ですが、こちらは及第点レベルか?とは言え、全体的に見てメンバー、楽曲の質、演奏内容ともに文句のつけようがなく、むしろこの作品がお蔵入りになっていた時点で当時のブルーノートがいかに質の高いジャズを追求していたかがわかります。これは他の作品も期待できそうです!
今日ピックアップする「ジュビリー・シャウト」は60年代ブルーノートの顔でもあったスタンリー・タレンタインが1962年に録音したセッション。参加メンバーはトランペットが兄でもあるトミー・タレンタイン、ギターがケニー・バレル、ピアノがソニー・クラーク、ベースがブッチ・ウォーレン、ドラムがアル・ヘアウッドです。個人的にはNo.1ギタリストと思っているバレルの参加が嬉しいですね。生前最後の録音である(3ヶ月後にドラッグ中毒で死亡)ソニー・クラークのプレイもジャズファン的には聴き逃せません。内容ですがボツ作品ということで果たしてどんなもんかと身構えていたのですが、1曲目タイトル曲の“Jubilee Shout”でワイルドなテナーのブロウが1分以上続いた後、4拍子の軽快なビートに転調した瞬間に懸念は吹き飛びます。これこそまさに正真正銘のブルーノート・ジャズですね。歌うようなタレンタインのアドリブ、続くバレルのソウルフルなギターソロも最高です。この“Jubilee Shout”をはじめ、典型的ビバップ“Brother Tom”と10分を超えるレイジーなブルース“Cotton Walk”の3曲がスタンリーのオリジナルで、作曲のセンスも発揮しています。もう1曲のオリジナル“You Said It”は兄トミー作のハードバップです。残り2曲はスタンダードで、“My Ship”“Little Girl Blue”ともバラード演奏ですが、こちらは及第点レベルか?とは言え、全体的に見てメンバー、楽曲の質、演奏内容ともに文句のつけようがなく、むしろこの作品がお蔵入りになっていた時点で当時のブルーノートがいかに質の高いジャズを追求していたかがわかります。これは他の作品も期待できそうです!