ここ1カ月ほどブルーノートのお蔵入りコレクションをご紹介してきましたが、もちろん全てが名盤という訳ではありません。グラント・グリーンの初期作品やジャッキー・マクリーン、ソニー・クラーク、アート・ブレイキーのアルバムも買いましたが、やはりどこか物足りない出来で、お蔵入りも納得という内容でした。そりゃそうですよね。もともとレコード会社側に何か不満があって発売されてないわけですから。でも、今日も取り上げるスタンリー・タレンタインの作品に関してはハズレなしですね。「ジュビリー・シャウト」、「カミン・ユア・ウェイ」も良かったですが、この「Z.T.’sブルース」も充実の出来。60年代前半(本作録音は1961年9月)のタレンタインは本当に手のつけられないぐらい絶好調だったんでしょうね。
ただ、この作品ですが同時期のタレンタイン作品とは毛色が違います。まず、サポートメンバーがホレス・パーラン・トリオではなく、グラント・グリーン(ギター)、トミー・フラナガン(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、アート・テイラー(ドラム)という顔ぶれと言うこと。特にブルーノートにはあまり客演しないフラナガンの名前が目を引きますね。個人的にはウィントン・ケリーと並んでハードバップ・ピアニストの最高峰と目しているフラナガンの参加は嬉しい限りです。ソウルフルなプレイが持ち味のグラント・グリーンも意外と端正なプレイで演奏を盛り立てます。もう一つの特長が本作がスタンダード中心の選曲だということ。全7曲中オリジナルはタイトル曲の“Z.T.'s Blues”だけで、後は全て有名なスタンダード曲。こういう構成は耳馴染みがいい反面、よほど演奏がしっかりしてないと没個性に陥ってしまうんですが、タレンタインの絶好調のアドリブとフラナガンを中心としたリズムセクションの的確なサポートでどの曲も水準以上の出来栄えに仕上がっています。ダンディズム薫るバラード“More Than You Know”“For Heaven's Sake”、アップテンポで演奏するドライブ感溢れる“The Way You Look Tonight”“Be My Love”、ミディアムテンポに料理した“I Wish I Knew”、そしてラヴェルのクラシック曲「亡き王女のためのパバーヌ」をお洒落なジャズにアレンジした“The Lamp Is Low”。どれも原曲のメロディを損なわず、それでいてジャズのグルーブ感も十二分に伝わってくるという理想的なスタンダード集となっています。タレンタインの間口の広さを実感させられる1枚ですね。
ただ、この作品ですが同時期のタレンタイン作品とは毛色が違います。まず、サポートメンバーがホレス・パーラン・トリオではなく、グラント・グリーン(ギター)、トミー・フラナガン(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、アート・テイラー(ドラム)という顔ぶれと言うこと。特にブルーノートにはあまり客演しないフラナガンの名前が目を引きますね。個人的にはウィントン・ケリーと並んでハードバップ・ピアニストの最高峰と目しているフラナガンの参加は嬉しい限りです。ソウルフルなプレイが持ち味のグラント・グリーンも意外と端正なプレイで演奏を盛り立てます。もう一つの特長が本作がスタンダード中心の選曲だということ。全7曲中オリジナルはタイトル曲の“Z.T.'s Blues”だけで、後は全て有名なスタンダード曲。こういう構成は耳馴染みがいい反面、よほど演奏がしっかりしてないと没個性に陥ってしまうんですが、タレンタインの絶好調のアドリブとフラナガンを中心としたリズムセクションの的確なサポートでどの曲も水準以上の出来栄えに仕上がっています。ダンディズム薫るバラード“More Than You Know”“For Heaven's Sake”、アップテンポで演奏するドライブ感溢れる“The Way You Look Tonight”“Be My Love”、ミディアムテンポに料理した“I Wish I Knew”、そしてラヴェルのクラシック曲「亡き王女のためのパバーヌ」をお洒落なジャズにアレンジした“The Lamp Is Low”。どれも原曲のメロディを損なわず、それでいてジャズのグルーブ感も十二分に伝わってくるという理想的なスタンダード集となっています。タレンタインの間口の広さを実感させられる1枚ですね。