ブルーノートお蔵入りシリーズも一通り聴きましたので、しばらくはクラシックのCDを取り上げていきたいと思います。今日ご紹介するのはチャイコフスキーの交響曲第6番「悲愴」です。実はこの作品、私がまだクラシック初心者だった大学生の頃にカラヤン指揮ベルリン・フィル盤を買ったのですが、その時にはあまり魅力がわからず、いつの間にやら中古CDに売り払っておりました。当ブログでも過去に第4番と第5番を取り上げていますが、その際に第6番「悲愴」は暗くてイマイチみたいなことを調子に乗って書いております。すいません、前言撤回します。「悲愴」は普通にいい作品です。20歳の若僧には理解できなかっただけのことなんですよね。
この曲はチャイコフスキーが1893年に53歳で死ぬ直前に書かれたものです。「悲愴(Pathetique)」というタイトルもあって何か不吉なものを感じさせますが、彼の死因はコレラによる急死であり、別にチャイコフスキー自身が遺作と意識して書いたわけではないようですね。ただ、悲愴な雰囲気はそこここに漂っております。特に第4楽章。交響曲の終楽章と言えば、通常はフルオーケストラで華々しくジャジャーン♪と終わるのですが、この曲は終楽章が最も悲しげな旋律でしかも消え入るようにエンディングを迎えるという異色の展開。これ、きっと最初に聴いた観客は「え?終わり?ウソ?」と戸惑ったでしょうなあ。むしろこの曲のハイライトは第1楽章にあり、とりわけ甘美な第2主題は後に「星降る夜の物語」というタイトルでグレン・ミラーがヒットさせるなどしたため非常に有名です。チャイコフスキーならではのベタな旋律ですが、やはり抗いがたい魅力があります。ロシア民謡を思わせる爽やかなワルツの第2楽章、勇壮な行進曲風の第3楽章も悪くないです。
CDは朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団のものを買いました。朝比奈さんは言うまでもなく日本を代表する名指揮者で、2001年に亡くなられるまで大阪フィルを指揮しておられたようですが、残念ながら私は生前にライヴを聴くことは一度もありませんでした。ブルックナーの大家として世界的に有名ですが、チャイコフスキーやリムスキー=コルサコフなどロシア物も得意だったようですね。1982年、フェスティバルホールのライブ録音で、曲の終りの「ブラボー!」という歓声に思わずこちらも唱和してしまう名演です。
この曲はチャイコフスキーが1893年に53歳で死ぬ直前に書かれたものです。「悲愴(Pathetique)」というタイトルもあって何か不吉なものを感じさせますが、彼の死因はコレラによる急死であり、別にチャイコフスキー自身が遺作と意識して書いたわけではないようですね。ただ、悲愴な雰囲気はそこここに漂っております。特に第4楽章。交響曲の終楽章と言えば、通常はフルオーケストラで華々しくジャジャーン♪と終わるのですが、この曲は終楽章が最も悲しげな旋律でしかも消え入るようにエンディングを迎えるという異色の展開。これ、きっと最初に聴いた観客は「え?終わり?ウソ?」と戸惑ったでしょうなあ。むしろこの曲のハイライトは第1楽章にあり、とりわけ甘美な第2主題は後に「星降る夜の物語」というタイトルでグレン・ミラーがヒットさせるなどしたため非常に有名です。チャイコフスキーならではのベタな旋律ですが、やはり抗いがたい魅力があります。ロシア民謡を思わせる爽やかなワルツの第2楽章、勇壮な行進曲風の第3楽章も悪くないです。
CDは朝比奈隆指揮大阪フィルハーモニー交響楽団のものを買いました。朝比奈さんは言うまでもなく日本を代表する名指揮者で、2001年に亡くなられるまで大阪フィルを指揮しておられたようですが、残念ながら私は生前にライヴを聴くことは一度もありませんでした。ブルックナーの大家として世界的に有名ですが、チャイコフスキーやリムスキー=コルサコフなどロシア物も得意だったようですね。1982年、フェスティバルホールのライブ録音で、曲の終りの「ブラボー!」という歓声に思わずこちらも唱和してしまう名演です。