本日はリー・モーガンです。意外なことですが、本ブログで彼のアルバムを取り上げるのは初ですね。私のフェイバリット・ジャズメンの一人なのですが、言われてみれば2年前にブログを始めてから新譜を買ったことはないかもしれません。モーガンは1956年に18歳の天才トランペッターとして颯爽とデビュー。以来、激動のジャズシーンを全速力で駆け抜けました。1972年、享年33にして浮気相手にピストルで射殺されるという悲劇的な最期もジャズファンの語り草となっています。音楽スタイル的には50年代はバリバリのハードバップでしたが、60年代に入ると8ビートを取り入れたいわゆる“ジャズ・ロック”で一世を風靡し、一方でモード/新主流派の面々とも共演するなどうまく時代の流れに乗っています。1966年録音の本作「ザ・ラジャー」では当時流行のボサノバやポップヒットのカバーなど、さらに柔軟な姿勢を打ち出していますが、残念ながらお蔵入りとなってしまいました。やや商業主義的過ぎたとの判断でしょうか?
一応サポートメンバーはハンク・モブレー(テナー)、シダー・ウォルトン(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、ビリー・ヒギンス(ドラム)という面々ですが、確かに50年代のような熱血ハードバップを期待して聴くと、特に演奏面では軟弱に聞こえてしまうのは否めません。ただ、本作は楽曲の魅力でそれを補っています。1曲目カル・マッセイの“A Pilgrim's Funny Farm”は「巡礼者のおかしな農園」というユニークなタイトルが付いた曲。どことなく間の抜けた、それでいて愛らしいメロディが印象的です。2曲目“The Rajah”はモーガン自作のジャズ・ロックですが、正直これはイマイチかな?3曲目“Is That So”もまあまあ。お薦めは後半の3曲です。4曲目“Davisamba”はピアニストのウォルター・デイヴィスが作ったとか言うボサノバ曲ですが、これがなかなかの名曲。モーガンのソロも好調です。続く“What Now My Love”はソニー&シェールのヒット曲ですが、ここではバラードで料理されています。モーガンのバラードプレイの見事さはあらためて言うまでもないでしょう。ウォルトンのピアノソロも美しいです。ラストの“Once In A Lifetime”はあまり聴いたことないミュージカル曲ですが、これもモーダルなアレンジが施された名曲に仕上がっています。いかにも間に合わせで作りました的なジャケットから特に期待せずに買いましたが、意外と拾いモノの佳作でした。
一応サポートメンバーはハンク・モブレー(テナー)、シダー・ウォルトン(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、ビリー・ヒギンス(ドラム)という面々ですが、確かに50年代のような熱血ハードバップを期待して聴くと、特に演奏面では軟弱に聞こえてしまうのは否めません。ただ、本作は楽曲の魅力でそれを補っています。1曲目カル・マッセイの“A Pilgrim's Funny Farm”は「巡礼者のおかしな農園」というユニークなタイトルが付いた曲。どことなく間の抜けた、それでいて愛らしいメロディが印象的です。2曲目“The Rajah”はモーガン自作のジャズ・ロックですが、正直これはイマイチかな?3曲目“Is That So”もまあまあ。お薦めは後半の3曲です。4曲目“Davisamba”はピアニストのウォルター・デイヴィスが作ったとか言うボサノバ曲ですが、これがなかなかの名曲。モーガンのソロも好調です。続く“What Now My Love”はソニー&シェールのヒット曲ですが、ここではバラードで料理されています。モーガンのバラードプレイの見事さはあらためて言うまでもないでしょう。ウォルトンのピアノソロも美しいです。ラストの“Once In A Lifetime”はあまり聴いたことないミュージカル曲ですが、これもモーダルなアレンジが施された名曲に仕上がっています。いかにも間に合わせで作りました的なジャケットから特に期待せずに買いましたが、意外と拾いモノの佳作でした。