本日は少し変化球でプッチーニの管弦楽作品をご紹介したいと思います。プッチーニは言うまでもなくイタリア・オペラを代表する作曲家。「ラ・ボエーム」「蝶々夫人」「トスカ」「トゥーランドット」はじめ多くの名作をすぐに思い浮かべることができます。ただ、プッチーニは交響曲や協奏曲の分野には全く関心を示さず、一つも作品を残していません。これはヴェルディら他のイタリアの作曲家もほぼ同じで、同時期のドイツやフランス、ロシアの作曲家達とは明らかに一線を画しています。20世紀に入るとレスピーギのように管弦楽の分野に強い作曲家も登場しますが、それまではイタリアでは作曲家はとにかくオペラを書いてなんぼの評価だったようです。ただ、そんなプッチーニにもわずかながら管弦楽作品が残されており、その代表が今日紹介する「交響的前奏曲」と「交響的奇想曲」です。
まず「交響的前奏曲」ですが、これは1876年にプッチーニがまだ18歳の時に書かれた8分あまりの曲。彼の最も初期の作品にあたりますが、この時点でプッチーニ特有のうっとりするようなロマンチックなメロディは完成されています。この曲に歌詞を乗せたら美しいアリアの出来上がりですね。一方の「交響的奇想曲」はその7年後に書かれた曲で、13分超とスケールも大きく、展開もよりドラマチックになっています。重厚なオーケストレーションで始まる導入部、歌心あふれる中間部と次々と魅力的な旋律が現れます。CDですが、巨匠たちの名演が目白押しのオペラ作品に比べると、管弦楽曲については数も少ないですね。現在入手可能なのはイタリアの2大巨匠リッカルド・ムーティとリッカルド・シャイーの演奏ぐらいですが、私の買ったのはムーティの方です。1998年の録音で、まだ50代のりりしいムーティの立ち姿が印象的です。
このCDの良いところは他の収録曲も魅力的なところ。まず、「前奏曲」と「奇想曲」に挟まれているのが、プッチーニ最初のオペラ「妖精ヴィッリ」からの間奏曲。オペラ自体はプッチーニ作品の中ではマイナーですが、勇壮な行進曲風のこの間奏曲はコンサートでもちょくちょく取り上げられます。プッチーニ以外にもポンキエッリとカタラーニのマイナー作品を取り上げていますが、これらもなかなか捨てがたい。ポンキエッリはオペラ「ラ・ジョコンダ」の収録曲である「時の踊り」のみが有名で、それ以外は取り上げることはまずありませんが、本CDの1曲目に収録されている「哀歌」は文字通り哀調を帯びた静かな旋律の中に、ハッとする美しさが感じられるなかなかの名曲。カタラーニはフランス映画「ディーヴァ」に使われたオペラ「ラ・ワリー」ぐらいしか知られていませんが、本盤収録の「瞑想」もロマンチックな旋律に彩られた佳曲です。どの作品も一般的にはあまり知られていない曲ばかりですが、意外にもクオリティの高い曲ばかりで掘り出し物の1枚でした。
まず「交響的前奏曲」ですが、これは1876年にプッチーニがまだ18歳の時に書かれた8分あまりの曲。彼の最も初期の作品にあたりますが、この時点でプッチーニ特有のうっとりするようなロマンチックなメロディは完成されています。この曲に歌詞を乗せたら美しいアリアの出来上がりですね。一方の「交響的奇想曲」はその7年後に書かれた曲で、13分超とスケールも大きく、展開もよりドラマチックになっています。重厚なオーケストレーションで始まる導入部、歌心あふれる中間部と次々と魅力的な旋律が現れます。CDですが、巨匠たちの名演が目白押しのオペラ作品に比べると、管弦楽曲については数も少ないですね。現在入手可能なのはイタリアの2大巨匠リッカルド・ムーティとリッカルド・シャイーの演奏ぐらいですが、私の買ったのはムーティの方です。1998年の録音で、まだ50代のりりしいムーティの立ち姿が印象的です。
このCDの良いところは他の収録曲も魅力的なところ。まず、「前奏曲」と「奇想曲」に挟まれているのが、プッチーニ最初のオペラ「妖精ヴィッリ」からの間奏曲。オペラ自体はプッチーニ作品の中ではマイナーですが、勇壮な行進曲風のこの間奏曲はコンサートでもちょくちょく取り上げられます。プッチーニ以外にもポンキエッリとカタラーニのマイナー作品を取り上げていますが、これらもなかなか捨てがたい。ポンキエッリはオペラ「ラ・ジョコンダ」の収録曲である「時の踊り」のみが有名で、それ以外は取り上げることはまずありませんが、本CDの1曲目に収録されている「哀歌」は文字通り哀調を帯びた静かな旋律の中に、ハッとする美しさが感じられるなかなかの名曲。カタラーニはフランス映画「ディーヴァ」に使われたオペラ「ラ・ワリー」ぐらいしか知られていませんが、本盤収録の「瞑想」もロマンチックな旋律に彩られた佳曲です。どの作品も一般的にはあまり知られていない曲ばかりですが、意外にもクオリティの高い曲ばかりで掘り出し物の1枚でした。