ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ケニー・ドリュー/パル・ジョーイ

2013-04-07 22:52:24 | ジャズ(ピアノ)
忙しさもピークを越えたので、ぼちぼち更新を再開していきたいと思います。今日ご紹介するのはケニー・ドリューです。後年北欧に移住し、特に70年代から80年代にかけて大量のトリオ作品を発表した彼ですが、50年代のハードバップ全盛期はむしろサイドメンとして活躍していました。クリフォード・ブラウン、デクスター・ゴードン、ジョン・コルトレーン、ジョニー・グリフィン、ケニー・ドーハム。共演したジャズメンの名を挙げるだけでハードバップシーンにおけるドリューの位置付けがわかろうというものです。一方でリーダー作はこの時期多くなく、特にトリオとなるとリヴァーサイド盤「ケニー・ドリュー・トリオ」と1957年録音の本作ぐらいでしょうか?



全8曲。うち5曲が同名のミュージカルの挿入曲だそうです。ミュージカル自体は今では全く上演されることはありませんが、作詞作曲があのロジャース&ハートだけあって楽曲の質は高いです。特に“Bewitched, Bothered And Bewildered”“I Could Write A Book”はスタンダードナンバーとしてすっかりお馴染みですね。本作でももちろんこの2曲は取り上げられています。が、個人的には普段演奏されることのないナンバーの方が好きですね。スインギーな“Do It The Hard Way”“What Is A Man?”とドライブ感抜群の“Happy Hunting Horn”。どれも快心の出来栄えです。一方でミュージカルとは直接関係ない“My Funny Valentine”“I Don't Know What Time It Was”は特に印象の残らない演奏。有名スタンダードなので収録したんでしょうが、正直蛇足な気も。脇を固めるのはウィルバー・ウェア(ベース)とフィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラム)。地味ながらも堅実なプレイでドリューをサポートしています。
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