本日は19世紀のフランスの作曲家、エマニュエル・シャブリエを取り上げます。サンサーンスやフォーレ、フランクらと同世代ですが、有名な曲と言えば狂詩曲「スペイン」ぐらいで、正直かなりマイナーな存在です。私もこれまで全くノーマークでした。何でもシャブリエは40歳近くまで公務員として働いた後、作曲家に転身したという異色の経歴の持ち主で作品の数も決して多くはありませんが、残された楽曲はどれも魅力的なものばかり。どうしてこれほどの過小評価に甘んじているのか不思議でなりません。
そんなシャブリエの入門として最適なのが今日ご紹介するジョン・エリオット・ガーディナー指揮ウィーン・フィルハーモニーのCD。というよりシャブリエのオーケストラ作品がまとまった形で収録されているほぼ唯一のCDと言ってよいでしょう。全11曲収録されており、どれも標準以上の出来ですが、特に魅力的なものを紹介しましょう。まず、最初の4曲は「田園組曲」と呼ばれるピアノ作品のオーケストラ版。タイトルどおり明るく牧歌的なメロディにあふれたチャーミングな楽曲です。どことなくバロックの香りもします。続いては異国情緒にあふれた「ハバネラ」と「スペイン」。前者は当時ヨーロッパで大流行していたキューバの民俗舞曲ハバネラにインスピレーションを受けたもので素朴なメロディと力強いリズムがうまくミックスされた名曲。後者はスペインの華やかな祭の風景を想い起させる活き活きとした旋律を色彩豊かなオーケストレーションで描いた実に楽しい作品です。
続く「ホルンとオーケストラのためのラルゲット」は、ゆったりした弦楽アンサンブルをバックに、まるで波間をたゆたうような美しいホルン演奏がフィーチャーされる隠れた逸品。「グヴァンドリーヌ」序曲は同名のオペラのための序曲で、オペラ自体は全く無名ですが、この序曲の出来は素晴らしい。高らかに金管楽器が鳴り響く前半部分の後に現れる、壮麗な主題が感動的です。終盤に向けてのドラマチックな展開も見事。ラストの「ポーランドの祭り」は文字どおりポーランド民謡をふんだんに使った舞踏曲で、絢爛豪華なワルツで華やかに締めくくります。以上、シャブリエの知られざる魅力がぎっしり詰まった超お薦め盤です。
そんなシャブリエの入門として最適なのが今日ご紹介するジョン・エリオット・ガーディナー指揮ウィーン・フィルハーモニーのCD。というよりシャブリエのオーケストラ作品がまとまった形で収録されているほぼ唯一のCDと言ってよいでしょう。全11曲収録されており、どれも標準以上の出来ですが、特に魅力的なものを紹介しましょう。まず、最初の4曲は「田園組曲」と呼ばれるピアノ作品のオーケストラ版。タイトルどおり明るく牧歌的なメロディにあふれたチャーミングな楽曲です。どことなくバロックの香りもします。続いては異国情緒にあふれた「ハバネラ」と「スペイン」。前者は当時ヨーロッパで大流行していたキューバの民俗舞曲ハバネラにインスピレーションを受けたもので素朴なメロディと力強いリズムがうまくミックスされた名曲。後者はスペインの華やかな祭の風景を想い起させる活き活きとした旋律を色彩豊かなオーケストレーションで描いた実に楽しい作品です。
続く「ホルンとオーケストラのためのラルゲット」は、ゆったりした弦楽アンサンブルをバックに、まるで波間をたゆたうような美しいホルン演奏がフィーチャーされる隠れた逸品。「グヴァンドリーヌ」序曲は同名のオペラのための序曲で、オペラ自体は全く無名ですが、この序曲の出来は素晴らしい。高らかに金管楽器が鳴り響く前半部分の後に現れる、壮麗な主題が感動的です。終盤に向けてのドラマチックな展開も見事。ラストの「ポーランドの祭り」は文字どおりポーランド民謡をふんだんに使った舞踏曲で、絢爛豪華なワルツで華やかに締めくくります。以上、シャブリエの知られざる魅力がぎっしり詰まった超お薦め盤です。