ハードバピッシュ&アレグロな日々

CD(主にジャズ・クラシック)の感想を書き留めます

ベートーヴェン/交響曲第1番&第2番

2014-07-05 11:40:00 | クラシック(交響曲)
本日はベートーヴェンの最初の交響曲2曲を取り上げます。ベートーヴェンの交響曲と言えばどうしても第3番「英雄」以降の作品に人気が偏りがちで、最初の2曲は地味ですね。楽曲の規模も小さく1番は約25分、2番が約30分です。続く「英雄」が50分を超える大作だけに小ぢんまりした感じを受けますね。曲風も一聴したところハイドンやモーツァルトなど18世紀の古典派音楽の影響が強く、何だか物足りない感じを正直受けます。ただ、繰り返し聴いてるうちにやはりベートーヴェンならではの旋律が浮かび上がってきます。



一般的には第1番と第2番を比べると、後者の方が完成度を増しているというのが定評のようですが、個人的には第1番の方が若きベートーヴェンの男性的な力強さが表れて好きですね。勇壮な第1楽章もいいですし、跳ねるような第3楽章メヌエットから壮麗な第4楽章のフィナーレへと続く流れも素晴らしいです。一方、第2番はひたすら明るい第1番に比べると規模も大きくなった反面、後期のベートーヴェンに通じる内省的な重苦しさも感じられます。確かにこの方がベートーヴェンらしいとも言えますが。希望に満ちあふれた青年作曲家から、成熟した大作曲家へと成長していく過程の作品とも言えますね。CDはクラウディオ・アバド指揮ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のものです。解説を読むとベーレンライター版とか言う新しい楽譜をもとによる演奏とありますが、私のようななんちゃってクラシックファンにはよくわからないです。普通にいい演奏だな~、で良いと思いますが?
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グローフェ/グランド・キャニオン組曲

2014-07-01 21:57:50 | クラシック(管弦楽作品)
本日はアメリカの作曲家ファーディ・グローフェの「グランド・キャニオン組曲」をご紹介します。グローフェ自体はお世辞にも有名とは言えませんが、この曲はアメリカのクラシック音楽を代表する名曲として取り上げられることも多いですね。タイトル通り雄大なグランド・キャニオンを描いた標題音楽で、「日の出」「赤い砂漠」「山道を行く」「日没」「豪雨」の5曲から成ります。特に「山道を行く」は親しみやすいメロディで、“On The Trail”の名前でジャズスタンダードにもなっています。(以前にもドナルド・バードの「ムスタング!」で取り上げました)他では壮麗なオープニング曲の「日の出」、美しいメロディの「日没」も素晴らしいです。20世紀の、しかもアメリカの曲ということで、正統派クラシックよりは一段下に見る向きもあるかもしれませんが、オーケストレーションの華やかさ、旋律の美しさとも文句なしの名曲ですね。



CDはユージーン・オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団のものを買いました。アメリカを代表するオーケストラと同楽団を40年以上に渡って率いた名指揮者の組み合わせですね。このCDには同じく20世紀アメリカを代表する名曲であるジョージ・ガーシュウィン「ラプソディ・イン・ブルー」と「パリのアメリカ人」も収録されています。この2曲は今さら取り上げるまでもないほど有名ですが、うち「ラプソディ・イン・ブルー」については実はグローフェが編曲を行ったそうです。何でもガーシュウィンはオーケストレーションが苦手で、グローフェの手を借りたとか。そういう意味では2人の共作と言えるかもしれません。グローフェ、もっと評価されてもいいのでは?
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