今年の東北各地の夏祭りが終わった。
人出は青森市の「青森ねぶた祭」は前年比13万人減の297万人。天候が悪かったためだが、新幹線が開業した来年は、大幅に増えそう。
一方、「弘前ねぷたまつり」はここ30年ほどで最多の84団体が参加し、人出も5万人増の163万人。「仙台七夕まつり」は27万人増の235万人。そして秋田市の「竿燈まつり」もすべて平日の開催にも関わらず11万人増の135万人となった。
※個人的見解としては、竿燈の人出が他より少ないのは、「日程の短さ」(ねぶたやねぷたは1週間近く開催されるが毎日参加しない団体も多い。一方、竿燈は全団体が毎日参加するが、参加者の体力消耗を考えるとこれ以上の延長は難しい)と「演ずる方も見る方も動かないため、キャパシティに限度がある」(ねぶたやねぷたは祭りの方が移動する。七夕は観客が移動しながら見る)ためだと思っている。スタイルが異なる他のまつりと単純に比較するべきではないと思う。
今年は当ブログでは、あまり竿燈の様子をご紹介できなかった(前回の記事はこちら)が、小ネタをいくつかまとめます。
●屋台集結
広小路沿い、木内(きのうち)百貨店向かいが空き地になっている。
外堀「穴門の堀」に面しており、かつては薬局などがあったが、現在は秋田市の所有となり、ポケットパークが整備される計画と聞く。そこに
竿燈の屋台が集結
昼間の妙技会の出番までの待機(駐車)場所だったようだ。
昨年、屋台をいくつか紹介したが、そのうち2団体のものを、今年は明るい場所で見ることができた。
●精巧
JR東日本秋田支社の屋台
秋田駅前の支社の玄関脇に置いてあった。会場までは車で牽引するのかな。明るい場所で改めて見ると、
実に精巧なつくりの銅葺き屋根
トラックに電飾を付けたような他の多くの団体の屋台よりは地味だが、存在感がある。
しゃちほこ付き
何でも造ってしまう、秋田市内にある「JR東日本秋田総合車両センター(旧称・土崎工場)」の“作品”なのかもしれない。
●おかいものクマ
秋田西武の屋台
レンタカーのトラックの荷台に枠を付けて飾り付けた、オーソドックスなタイプ。
西武らしく、キャラクター「おかいものクマ」がたくさんいる。正面てっぺんのクマは、つり下げられていますが…
ちなみに、荷台からはみ出す竿燈(の枠)を積んで運んだり、荷台に人が乗って太鼓をたたきながら移動するので、警察署の許可を取っているそうだ。
●竿灯? 竿燈?
このおまつりの表記は「竿燈」。
ただし、一時、「燈」が常用漢字でないということから、「竿灯」としていた時期があった。
今でも、パソコンや携帯電話のかな漢字変換システムに「竿灯」で登録されている場合が多い(ATOKでは竿燈・竿灯両方入っている)ためか、個人のブログ等で「竿灯」と表記されている方も多い。それはその方なりの考え方(常用漢字しか使わないとか)や主催者側の周知不足もあるだろうから、それはいい。
まれに、旅行ガイド本や公的機関のサイト(さすがに秋田市役所ではほとんどないが、秋田県庁ではたまにある)で正式でない「竿灯」表記が使われるのには、引っかかってしまう。
それに、新聞。
竿燈が終わった翌日、秋田の地方紙では、竿燈を総括する記事もあり、たくさんの「竿燈」の文字が紙面にあった。
ただ、その中で1か所だけ「竿灯」があったのだ。
直接的な竿燈まつりの記事でなく、しかも県南部の支局取材分の記事だったので、そこまで気が回らなかったのかもしれないが、地元紙なのに誰も気付かないのかねぇ。
記者の上司や紙面をチェックする部門はどこを見てるんでしょう。って10日ほど前にも書いた気がしますが…
※2013年の関連記事
●練り歩く?
竿燈まつりのメインは、竿燈を空高く揚げること。
竿燈を倒さないようにバランスを取るために動いてしまうことがあるが、1点にとどまって揚げるのが理想。
各団体の拠点から会場へ移動する際やまつり中に一斉に演技場所を変える際、竿燈を横に倒して移動する「流し」(囃子がまつり中と異なる)では動き回ることになるが、決して竿燈を揚げながらパレードするようなまつりではない。
ところが、一部旅行会社のパンフレットなどを見ると、「高さ12mの竹竿に46個の提灯を9段に分けて吊るした竹竿が練り歩く、」といったように、「練り歩く」という表現が使われていることがたまにある。
「練り歩く」とは、goo辞書(デジタル大辞泉)によれば「行列してゆっくりと歩く。調子をそろえて静かに歩く。」ことであるので、竿燈が揚がった状態を指して「練り歩く」とするのは間違っている。
竿燈が誤解されているのか、文章作成者が言葉を知らないのか、どちらかだろう。
※ただし、古くにさかのぼれば、「提灯を持って練り歩く」のが竿燈の起源・原型だったようだ。
●バス待機
たくさんのバスがツアーで竿燈を見に来る。
日赤病院・婦人会館跡地などが駐車場として開放されるが、お客さんをできるだけ歩かせず、待たせずバスに乗ってもらうためか、まつり会場周辺の交通規制が敷かれていない道路上で待機する貸切バスもいる。
路線バスの迂回路にもなっている、通町の通りでは、
こちら側も向かい側も待機中のバス
全国各地からいろんな会社のバスが来るが、例年、通町で待機するバスは、秋○バス、岩○県交通、十○田観光電鉄など青いラインのボディの国○興業グループのバスが圧倒的に多い(今年は親会社、○際興業本体のバスもいた)。
各社とも季節を問わず秋田市内でバスをよく見かけるから、秋田市の道路事情を熟知しているのかもしれないし、グループ内各社で情報を共有しているのかもしれない。
この待機によって目立った渋滞はないし、一大イベントだから多めに見るべきなのかもしれないが、追い越す車や道路を渡る歩行者には危険が伴うし、周辺住民は排気ガスや騒音にさらされることにもなる。
●こんな風景を見た
・竿燈の新技?!
AABのニュースで映像が流れていたのだが、竿燈を揚げながら(腰だったか?)笛を吹いていた人がいた。1人で差し手と囃子方両方をやっていたのだ。
初めて見たが、“新技”ということなのだろうか。邪道な気もしたけど。
・ハスはやっぱり美しい
秋田駅発の路線バスで、2人組の女性の観光客と乗り合わせた。
広小路沿い、大手門の堀にバスが差しかかると、「うわー! いいね。このお堀」「ハスがたくさん咲いてる! すごくきれい」と、周辺の雰囲気にいたく感激されていた。
やっぱり、あのハス。とてもいい。もっと積極的に宣伝するべきではないだろうか。
●中央道路を封鎖せよ!
地下自動車専用トンネル「秋田中央道路」も、西端が竿燈まつり会場であるため、まつり中はトンネル部分全線が通行止めになる。
※以下の画像は、「ふれあいの時間」中に撮影しました。
アプローチの坂部分が封鎖され、警備員を配置
この4時間ほどの通行止めを利用して、トンネル内の清掃などを行ったようだ。
通行止め時には設置されたばかりの遮断機が下りるはず。(直近の記事)だが、この時は遮断棒自体がなかった!
まだ明るい、まつり開始前に見てみると…
18時30分頃(規制開始は18時15分、観覧席への入場は35分開始)、信号機が消灯し、道路の遮断機が下りた。すると県や業者の作業員が駆けつけ、その遮断棒を取り外し、回転灯を消灯・停止させていた。
交通規制解除前には、再び、遮断棒を取り付けるのだろう。したがって、まつり中は毎日、遮断棒の撤去・取り付けを繰り返していたことになる。
●信号機を折りたため!
昨年も少し紹介したように、竿燈大通りでは、まつりの邪魔にならないよう、信号機や標識の一部が、折りたためるようになっている。
特に大規模なのが、会場西端近く、秋田中央道路出口の合流点に設けられた、4車線分をまたぐゲート型の信号柱。信号機や標識が設置された道路をまたぐ構造物が、左右に“観音開き”する。
一体どうやって開閉するのだろうかと、前から興味があった。
電動ではなさそうで、柱の上部に人が登れる構造だから、そこでハンドルでも回せば動くのかと思っていたが…
中央道路の遮断棒が取り外されていたのと同じ頃、信号機設置などを行う業者の車(トラックとバケット式の高所作業車各1台)がやって来た。
1人がするすると柱に登る
同時にバケット車の人も何やらやっていて、気がつくと、
よいしょ!
なんと、ロープを結んで、それを2人がかりで引っ張って動かすという、原始的な方法だった!!
当然、一定の重量があるわけで、動かし始めなど、かなり力が必要な模様。動き始めれば、ぐーっとダイナミックな動き。
おそらく柱の部分での操作で、ゲートをロック/解除するのだろう。
柱の上やバケットにいる人から「もう少し」といった指示がロープを持つ2人に与えられ、極力ギリギリまで折りたたんでいた。
中央分離帯の観覧席にまだ入れないので、歩道で待たされていた観光客と早々と場所取りする歩道の観光客がたくさんいたが、この作業は注目を集め、大きく動いた時は歓声が沸いた。
ゲートを拡大(平常時)
矢印の部分にフックが付いている。ここにバケットで近づいてロープを結びつけるようだ。
フックの位置をもう少しずらせば、てこの原理でもっと軽く動きそうな気もするけど。
数年前、地元紙でこの装置のことを取り上げていて、記憶によれば、特注なので、開閉しない一般的なゲートより、数十万だか数百万円だか高価(意外に安いなと思った記憶がある)ということだった。
お客さんに竿燈を楽しんでもらうための心遣いと思えば安いものだが、定期的な保守はしっかりお願いしたい。竿燈シーズンじゃないのに風が吹いたら開いてしまったとか、逆にいざ竿燈当日になって動かなくなったりしないように。
まつりは20時50分頃に「ふれあいの時間」が終わり、各団体の屋台も観客も帰っていく。交通規制は21時15分に解除されるので、それまでに元に戻さないといけない。
竿燈も人もだいぶ少なくなった21時を過ぎた頃、中央道路トンネル内に待機していた2台のトラックが出てきて、セッティングを済ませ作業開始。
まだ帰る途中の団体がいる
ロープは付けっぱなしでなく、その都度、いったん外しており、再度結んでいた。左右どちらかを先に動かさないとダメとかいう順番はなさそうだ。
ここでも、通りかかった竿燈の団体や観光客に注目され、カメラに収める人も。(わざわざ待って写真を撮った物好きは僕1名だけですが)
いつもの大通りに戻る瞬間
【2016年8月9日追記】この数年後から、折りたたまないようになってしまった。(2016年時点)せっかくの装備がもったいないし、導入時の秋田県警の意気込みはどこへ行ったのか。
人出は青森市の「青森ねぶた祭」は前年比13万人減の297万人。天候が悪かったためだが、新幹線が開業した来年は、大幅に増えそう。
一方、「弘前ねぷたまつり」はここ30年ほどで最多の84団体が参加し、人出も5万人増の163万人。「仙台七夕まつり」は27万人増の235万人。そして秋田市の「竿燈まつり」もすべて平日の開催にも関わらず11万人増の135万人となった。
※個人的見解としては、竿燈の人出が他より少ないのは、「日程の短さ」(ねぶたやねぷたは1週間近く開催されるが毎日参加しない団体も多い。一方、竿燈は全団体が毎日参加するが、参加者の体力消耗を考えるとこれ以上の延長は難しい)と「演ずる方も見る方も動かないため、キャパシティに限度がある」(ねぶたやねぷたは祭りの方が移動する。七夕は観客が移動しながら見る)ためだと思っている。スタイルが異なる他のまつりと単純に比較するべきではないと思う。
今年は当ブログでは、あまり竿燈の様子をご紹介できなかった(前回の記事はこちら)が、小ネタをいくつかまとめます。
●屋台集結
広小路沿い、木内(きのうち)百貨店向かいが空き地になっている。
外堀「穴門の堀」に面しており、かつては薬局などがあったが、現在は秋田市の所有となり、ポケットパークが整備される計画と聞く。そこに
竿燈の屋台が集結
昼間の妙技会の出番までの待機(駐車)場所だったようだ。
昨年、屋台をいくつか紹介したが、そのうち2団体のものを、今年は明るい場所で見ることができた。
●精巧
JR東日本秋田支社の屋台
秋田駅前の支社の玄関脇に置いてあった。会場までは車で牽引するのかな。明るい場所で改めて見ると、
実に精巧なつくりの銅葺き屋根
トラックに電飾を付けたような他の多くの団体の屋台よりは地味だが、存在感がある。
しゃちほこ付き
何でも造ってしまう、秋田市内にある「JR東日本秋田総合車両センター(旧称・土崎工場)」の“作品”なのかもしれない。
●おかいものクマ
秋田西武の屋台
レンタカーのトラックの荷台に枠を付けて飾り付けた、オーソドックスなタイプ。
西武らしく、キャラクター「おかいものクマ」がたくさんいる。正面てっぺんのクマは、つり下げられていますが…
ちなみに、荷台からはみ出す竿燈(の枠)を積んで運んだり、荷台に人が乗って太鼓をたたきながら移動するので、警察署の許可を取っているそうだ。
●竿灯? 竿燈?
このおまつりの表記は「竿燈」。
ただし、一時、「燈」が常用漢字でないということから、「竿灯」としていた時期があった。
今でも、パソコンや携帯電話のかな漢字変換システムに「竿灯」で登録されている場合が多い(ATOKでは竿燈・竿灯両方入っている)ためか、個人のブログ等で「竿灯」と表記されている方も多い。それはその方なりの考え方(常用漢字しか使わないとか)や主催者側の周知不足もあるだろうから、それはいい。
まれに、旅行ガイド本や公的機関のサイト(さすがに秋田市役所ではほとんどないが、秋田県庁ではたまにある)で正式でない「竿灯」表記が使われるのには、引っかかってしまう。
それに、新聞。
竿燈が終わった翌日、秋田の地方紙では、竿燈を総括する記事もあり、たくさんの「竿燈」の文字が紙面にあった。
ただ、その中で1か所だけ「竿灯」があったのだ。
直接的な竿燈まつりの記事でなく、しかも県南部の支局取材分の記事だったので、そこまで気が回らなかったのかもしれないが、地元紙なのに誰も気付かないのかねぇ。
記者の上司や紙面をチェックする部門はどこを見てるんでしょう。って10日ほど前にも書いた気がしますが…
※2013年の関連記事
●練り歩く?
竿燈まつりのメインは、竿燈を空高く揚げること。
竿燈を倒さないようにバランスを取るために動いてしまうことがあるが、1点にとどまって揚げるのが理想。
各団体の拠点から会場へ移動する際やまつり中に一斉に演技場所を変える際、竿燈を横に倒して移動する「流し」(囃子がまつり中と異なる)では動き回ることになるが、決して竿燈を揚げながらパレードするようなまつりではない。
ところが、一部旅行会社のパンフレットなどを見ると、「高さ12mの竹竿に46個の提灯を9段に分けて吊るした竹竿が練り歩く、」といったように、「練り歩く」という表現が使われていることがたまにある。
「練り歩く」とは、goo辞書(デジタル大辞泉)によれば「行列してゆっくりと歩く。調子をそろえて静かに歩く。」ことであるので、竿燈が揚がった状態を指して「練り歩く」とするのは間違っている。
竿燈が誤解されているのか、文章作成者が言葉を知らないのか、どちらかだろう。
※ただし、古くにさかのぼれば、「提灯を持って練り歩く」のが竿燈の起源・原型だったようだ。
●バス待機
たくさんのバスがツアーで竿燈を見に来る。
日赤病院・婦人会館跡地などが駐車場として開放されるが、お客さんをできるだけ歩かせず、待たせずバスに乗ってもらうためか、まつり会場周辺の交通規制が敷かれていない道路上で待機する貸切バスもいる。
路線バスの迂回路にもなっている、通町の通りでは、
こちら側も向かい側も待機中のバス
全国各地からいろんな会社のバスが来るが、例年、通町で待機するバスは、秋○バス、岩○県交通、十○田観光電鉄など青いラインのボディの国○興業グループのバスが圧倒的に多い(今年は親会社、○際興業本体のバスもいた)。
各社とも季節を問わず秋田市内でバスをよく見かけるから、秋田市の道路事情を熟知しているのかもしれないし、グループ内各社で情報を共有しているのかもしれない。
この待機によって目立った渋滞はないし、一大イベントだから多めに見るべきなのかもしれないが、追い越す車や道路を渡る歩行者には危険が伴うし、周辺住民は排気ガスや騒音にさらされることにもなる。
●こんな風景を見た
・竿燈の新技?!
AABのニュースで映像が流れていたのだが、竿燈を揚げながら(腰だったか?)笛を吹いていた人がいた。1人で差し手と囃子方両方をやっていたのだ。
初めて見たが、“新技”ということなのだろうか。邪道な気もしたけど。
・ハスはやっぱり美しい
秋田駅発の路線バスで、2人組の女性の観光客と乗り合わせた。
広小路沿い、大手門の堀にバスが差しかかると、「うわー! いいね。このお堀」「ハスがたくさん咲いてる! すごくきれい」と、周辺の雰囲気にいたく感激されていた。
やっぱり、あのハス。とてもいい。もっと積極的に宣伝するべきではないだろうか。
●中央道路を封鎖せよ!
地下自動車専用トンネル「秋田中央道路」も、西端が竿燈まつり会場であるため、まつり中はトンネル部分全線が通行止めになる。
※以下の画像は、「ふれあいの時間」中に撮影しました。
アプローチの坂部分が封鎖され、警備員を配置
この4時間ほどの通行止めを利用して、トンネル内の清掃などを行ったようだ。
通行止め時には設置されたばかりの遮断機が下りるはず。(直近の記事)だが、この時は遮断棒自体がなかった!
まだ明るい、まつり開始前に見てみると…
18時30分頃(規制開始は18時15分、観覧席への入場は35分開始)、信号機が消灯し、道路の遮断機が下りた。すると県や業者の作業員が駆けつけ、その遮断棒を取り外し、回転灯を消灯・停止させていた。
交通規制解除前には、再び、遮断棒を取り付けるのだろう。したがって、まつり中は毎日、遮断棒の撤去・取り付けを繰り返していたことになる。
●信号機を折りたため!
昨年も少し紹介したように、竿燈大通りでは、まつりの邪魔にならないよう、信号機や標識の一部が、折りたためるようになっている。
特に大規模なのが、会場西端近く、秋田中央道路出口の合流点に設けられた、4車線分をまたぐゲート型の信号柱。信号機や標識が設置された道路をまたぐ構造物が、左右に“観音開き”する。
一体どうやって開閉するのだろうかと、前から興味があった。
電動ではなさそうで、柱の上部に人が登れる構造だから、そこでハンドルでも回せば動くのかと思っていたが…
中央道路の遮断棒が取り外されていたのと同じ頃、信号機設置などを行う業者の車(トラックとバケット式の高所作業車各1台)がやって来た。
1人がするすると柱に登る
同時にバケット車の人も何やらやっていて、気がつくと、
よいしょ!
なんと、ロープを結んで、それを2人がかりで引っ張って動かすという、原始的な方法だった!!
当然、一定の重量があるわけで、動かし始めなど、かなり力が必要な模様。動き始めれば、ぐーっとダイナミックな動き。
おそらく柱の部分での操作で、ゲートをロック/解除するのだろう。
柱の上やバケットにいる人から「もう少し」といった指示がロープを持つ2人に与えられ、極力ギリギリまで折りたたんでいた。
中央分離帯の観覧席にまだ入れないので、歩道で待たされていた観光客と早々と場所取りする歩道の観光客がたくさんいたが、この作業は注目を集め、大きく動いた時は歓声が沸いた。
ゲートを拡大(平常時)
矢印の部分にフックが付いている。ここにバケットで近づいてロープを結びつけるようだ。
フックの位置をもう少しずらせば、てこの原理でもっと軽く動きそうな気もするけど。
数年前、地元紙でこの装置のことを取り上げていて、記憶によれば、特注なので、開閉しない一般的なゲートより、数十万だか数百万円だか高価(意外に安いなと思った記憶がある)ということだった。
お客さんに竿燈を楽しんでもらうための心遣いと思えば安いものだが、定期的な保守はしっかりお願いしたい。竿燈シーズンじゃないのに風が吹いたら開いてしまったとか、逆にいざ竿燈当日になって動かなくなったりしないように。
まつりは20時50分頃に「ふれあいの時間」が終わり、各団体の屋台も観客も帰っていく。交通規制は21時15分に解除されるので、それまでに元に戻さないといけない。
竿燈も人もだいぶ少なくなった21時を過ぎた頃、中央道路トンネル内に待機していた2台のトラックが出てきて、セッティングを済ませ作業開始。
まだ帰る途中の団体がいる
ロープは付けっぱなしでなく、その都度、いったん外しており、再度結んでいた。左右どちらかを先に動かさないとダメとかいう順番はなさそうだ。
ここでも、通りかかった竿燈の団体や観光客に注目され、カメラに収める人も。(わざわざ待って写真を撮った物好きは僕1名だけですが)
いつもの大通りに戻る瞬間
【2016年8月9日追記】この数年後から、折りたたまないようになってしまった。(2016年時点)せっかくの装備がもったいないし、導入時の秋田県警の意気込みはどこへ行ったのか。