広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

赤い新幹線

2010-08-26 22:56:11 | 秋田のいろいろ
秋田新幹線(実際にはレール幅を広げただけで在来線扱いだけど)を走る列車は、「こまち」だけ。(同じレールを走る田沢湖線の普通電車もあるが、まあ置いておいて)
既にお伝えしているように、現在は「E3系」電車という形式の車両が走っていて、新しい「E6系」電車が試験走行を始めたところ。

だけど、たまーにこんなのが来るのです。
赤い新幹線?!
白とグレーのボディにピンクのライン、正面の“顔”の“鼻筋”が黒いE3系に形はそっくりだが、これは真っ白いボディに太い赤ラインで正面の鼻筋も赤。
赤い塗装ということで、新しいE6系かと思ってしまう方もいそうだが、そうではない。形は現行「こまち」E3系と同一。
E6系が登場する前は、これが唯一の赤系統の色をメインに使った新幹線だった(はず)。
East i」と書いている。「i」がとても躍動的な書体だ
これは、「E926形」という形式の「電気・軌道総合試験車」という車両で、その愛称が「East i」。

今年初め、秋田の車両基地に所属する在来線用の「East i-D」を紹介したが、その新幹線版。通称「検測車」と呼ばれる種類の鉄道車両。
業務用の「はたらく電車」なので、乗客が乗ることはない。
役目は在来線用も新幹線用もほぼ同じで、走行しながら線路や架線(電線)の設備などに異常がないか、検査・点検すること。

この新幹線用East iは、2001年にE3系をベースに6両編成が1本だけ製造され、仙台の車両基地に配置されている。
黄色い車体の「ドクター・イエロー」をご存じの方もおられると思うが、その後継車両のJR東日本版に当たる。
黄色でなくなったのはデザイン上のことだろうが、ミニ新幹線用のE3系がベースになったのは、トンネルやホームの幅が狭いミニ新幹線区間(山形新幹線と秋田新幹線)にも乗り入れて検査を行えるようにするため。
さらに、電源の周波数が異なり、急勾配区間があって特殊なブレーキ装置が必要な長野新幹線への乗り入れにも対応する。(「はやて」や「こまち」などは長野新幹線を走行できない)
また、E3系は走らない、盛岡以北の八戸までの区間や上越新幹線も走る。
つまり、East iは、JR東日本の新幹線(のレール幅の区間)全路線を走ることのできる、唯一の車両ということになる。

フル規格の新幹線区間(東北・上越・長野)は、頻繁に(月に1回以上?)走行しているようだ。最高速度275km/hで東京・長野・新潟・八戸へと向かい、新幹線の安全運行を支えている。
一方、ミニ新幹線区間は、在来線扱いなので年に4回程度しか検査を行わない。

そんなこともあり、僕がEast iをじっくりと見たのは今回が初めて。
登場して間もない頃、秋田駅のホームで展示会を行ったことが1度だけあったが見に行かれなかったし、数年前、仙台駅で一瞬見かけただけだった。
秋田駅へ到着(最後尾6号車)
正装(特急用の白いスーツ)の車掌がちゃんと乗っていて、後部運転席から安全確認をしていた。
各種機器を積んでいるためか、窓が少ないが、上の写真の6号車には、1つしか窓がない!
秋田駅の新幹線ホーム11番線に入線して車内の社員を降ろし、East iは車両基地(楢山の秋田車両センター)へ引き上げていった。

その後こんな「こまち」が来た。
ポケモンと仲間たち
近年、夏恒例になった「ポケモン新幹線」。今年は7月17日から9月20日まで運行されており、「こまち」では26本中2本の編成にポケモンのキャラクターが描かれている。(どの列車に入るかはJR東日本の公式サイトで公表)
ポケモンについては全然知識がないので、なんとも…

その後、車両基地からEast iが戻ってきた。「下りは11番線、上りは12番線」という、秋田駅の原則通り、今度は12番線に入る。
E3系とEast iが並んだ!
East iには駅員のような制服の社員も、ヘルメットをかぶった保線のような服装の社員もぞろぞろと乗り込んでいった。
 両者を比較
白の色あいが微妙に違う感じ。運転席の上が黒と白で異なる。
鼻筋の塗装されている範囲も異なる(East iの方が若干広い)が、黒と赤では、だいぶ印象が異なる。赤いお顔も悪くない。
East iは下部まで白くて汚れやすく、営業用車両でないので清掃頻度が低いこともあるのだろうが、足回りはだいぶ汚れている。
【27日追記】今気付いたが、前照灯の位置は、East iの方がほんのわずか高いようだ。下記の装置を設置する都合だろう。

さて、East iは、ヘッドライト(前照灯)の下に、四角い窓みたいなのがある。
左右にあるが対称でなく右の方が大きい
これは、線路の状態(ゆがんでいないかとか?)を観測する装置らしい。最初に到着した際は、中のランプが点灯していたが、車庫へ出入りする際は消灯していた。
発車
観測窓が再び点灯している。線路に光を照射してセンサーで測定するんだろうか?
秋田の滞在は約1時間。帰り道も検測しながら帰るわけだ。営業運転の「こまち」と変わらないスピードで盛岡・大曲へ向かっていった。「ふぅーん」という独特の走行音(インバータ装置の音)もE3系と同じだった。

次に来るのは晩秋から初冬頃だろう。機会があったら、ホームで見てみようかな。※その後、2020年の記事
コメント (5)
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