広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

三重の信号機

2010-08-20 20:28:27 | 旅行記
前回に続き、信号機の話。かつ、三重旅行記の続き(以前の記事)です。
三重県四日市市で見かけた、珍しい信号機を2つ紹介します。

●特大矢印
近鉄とJRのそれぞれの四日市駅を結ぶ「中央通り」。市道だが、とても広い道で、その中間地点、
四日市市役所前の交差点
まずは、信号機のポール(信号柱)が目立つ。
「イ」の字というか「F」の字というか…

そして、それに付いている信号機に注目。
どーん
3色の信号機の下に大きなまん丸いものが2つぶら下がっている。
うっすら見えているのでお分かりかと思うが、これは矢印信号機。
デカい!
一般的な矢印信号機は、3色の信号機と同じサイズのものが、3色の信号機本体に直接取り付けられていることが多い。
だけど、これは3色のものよりかなり大きく、独立した部品で取り付けられている。

普通の信号機のレンズ(丸い点灯する部分)は、直径30センチが主流。三重県では、一部で少し小さい直径25センチのものも使用しており、この市役所前の3色の信号機も25センチ。
(なお、我が秋田県も一部に25センチの信号機があり、旧道など狭い道でたまに見かける。LED式はすべて30センチのようだ。)

この特大矢印信号は、なんと直径45センチ!
つまり上の3色と下の矢印では、1.8倍の差があることになる。
点灯したところ
このように、一部の県では、直径45センチの信号機が存在する。
矢印だけでなく、3色の信号機にも45センチ版があり、交通量が多くて道幅が広いような見落としやすい箇所に設置されている。
ただし、元々設置数が少ない上、LED化に際して通常の30センチ版に交換されてしまう場合が多く、かなり数は少なくなっているようだ。それほど費用対効果がないということか。
たしかに目立ちますが…

●次世代信号機
街中の交差点
ここは十字路だが、車両用信号機は、普段は黄点滅/赤点滅で、歩行者が押しボタンを押した時だけ、青→黄→赤と点灯するようだ。
ここの車両用信号機、遠目には普通のLED式かと思うが、近くで見ると…
薄いっ! そして裏面がツルツル
全国的に、LED化に伴い信号機本体はやや薄くなり、視認性が向上したため日除けのフードも薄く(短く)なったため、相対的に今の信号機は「薄く」なった。
でも、この信号機はそんなもんじゃない。「薄っぺら」の「超薄型」だ。
第一、フード(ひさし)がなく、ただの板だ。そのためか、従来の信号機より下向きに角度を付けて設置されている。

5月30日の読売新聞で、石川県でこの信号機が試験設置されていることが報道されており、それによれば、
 「厚さ6センチの薄型で、赤・黄・緑のランプの上に庇がなく、積雪と強風に強い
 「小糸工業(横浜市)が製造した「フラット型LED(発光ダイオード)式車両用交通信号灯器」
 「台風の直撃が多い沖縄県では、強風で庇やレンズが破損したり、信号機の向きが変わってしまうケースが多いため、すでに台風対策として、13か所に43灯が導入されている
 「石川県警では「積雪の多い県内でも有効」と判断(して設置した)」
などとある。

各都道府県それぞれ条件や方針が異なるので、それぞれの判断だが、東北地方でも、岩手県(雫石の国道46号線らしい)や宮城県に設置されるなど、各県ともまだ試験的ながらも、徐々に数を増やしているようだ。
一見、まっ平らで弱そうだが、フードなどの余計な出っ張りをなくすことで、風や積雪への耐性を高めたということだろうか。
その結果、オモチャの信号機みたいに見えなくもないが、シンプルに徹した構造は製造コスト面でも有利だろう。
全部消灯すると、信号機には見えない
石川県では、積雪対策を狙っているようだ。重い雪がしんしんと積もるであろう北陸では、縦型信号機よりも効果が高いのかもしれない。
ただ、北陸よりは水気の少ない雪が横に吹き付ける秋田では、この薄型を設置して効果があるだろうか。
秋田では、薄型信号機のフードを一度短くしたのに再度長いものに戻したり、フード部分が点灯する信号機を試験設置していたりするように、ある程度の吹雪除けが必要な気がする。
こんな薄っぺら信号機では、全面にべったりと雪が付着し、見えなくなってしまいそうだ。

ともかく、最新の信号機技術という点では、とても興味深い。
拡大
LEDが直接見えず、表面に半透明の網みたいなのが付いているような感じ。
正面以外からも見やすくした「面拡散」タイプにも似た光り方かも。
横から
ほんとに薄い!
これはアームも新品のようだが、交わる細い道側は、従来のアームを活用し、それに取り付け金具を介して設置していたようだ。

写真で見ると、とても違和感があるが、現地で見た時は、それほどおかしく見えず、ちゃんと「信号機だ」と思えたのは不思議。
この信号機、今後普及するだろうか。
※その後、この信号機についての鹿児島県青森県の記事
※さらにその後、秋田にも設置された

※旅行記の次の記事はこちら
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交通信号の日

2010-08-20 20:28:14 | 秋田のいろいろ
今日、8月20日は「交通信号の日」なんだそうだ。
(違いが分からないが「交通信号設置記念日」「三色信号設置の日」でもあるらしい)

1931(昭和6)年の今日、東京・銀座などに日本で初めて、三色灯の信号機が設置されたことにちなむという。
記念日の名称が3つもあって統一されていないことからも分かるように、あまりメジャーでなさそうで、特にイベントなどは行われないようだ。

1月10日の「110番の日」には、秋田県警など各地で通報体験イベントなどのPR活動が行われている。
我々の安全な通行を守り、公共物であり、税金でまかなわれている信号機に対しても、この記念日を使って一般市民への啓発が必要ではないだろうか。
来年は80周年だから、何かやってはいかが?


だいぶ前だが、こんなことがあった。
秋田市中心部のある交差点
僕はたまにしか通らないが、通るたびに、この交差点の歩行者用信号機が気になってしょうがなかった。
上の写真、右側の側面が見えている信号機は、“あごが出ている”ようで地面に垂直でなく、フタが開き気味。
正面を向いている信号機はもっとひどい。別のアングルから見ると、
 
錆びているばかりか、底面に大きな穴!
さらに正面の青灯の下にも穴があり、それをテープで補修している。しかもそのテープの接着力がなくなり、風が吹くとめくれてパタパタと動く(テープの意味をなしていない)。
上の写真の1枚目と3枚目は撮影日が異なるので、1枚目では青灯下の左右に2つ付いていたテープが、3枚目では左だけになってしまっている。
なお、この信号機は、フード(ひさし)の内側が白い。これは古い信号機である証拠。現行の信号機は、黒く塗装されている。


穴から水や雪が侵入し、配線や機器に影響して信号機が故障する可能性もあるし、信号機自体あるいはレンズ(光る部分のガラス)などの部品が落下し、運悪く下を通っていた歩行者に当たらないともいえないのではないだろうか。
信号機としての信頼性に関わるように感じた。

この交差点の歩行者用信号機の大部分が、このタイプの信号機で同じような状態だった。
本体裏面の銘板
「昭和47(1972)年」製! 38年も前の製造だ。

信号機は一般的には20年から30年程度で交換されるはず。
当時の信号機のボディは錆びやすい鉄製であり、それが積雪地・沿岸部という過酷な環境である秋田において38年も使い続けているのは奇跡的といえる。
でも、この状態なら、いい加減、交換した方がいいのでは…

警察官がパトロールしているはずだし、この交差点の近くに警察施設があるので、通勤などで多くの県警職員が通るはず。
それ以外にも多数の一般人が通る場所だから、誰も気付かないわけはないだろうと考え、僕は通報するのに気が引けていたが、やっぱりあんまりなので、年度が変わったのを機に、県警の「信号機ボックス」へメールしてみた。

そうして、1月もしないうちに…
交換されている!(交差点内の同型信号機が全部交換されていた)
最新のLED式ではなく電球式で、ボディが汚れたり塗装が剥げたかけたりもしているし、そもそもメーカーがまちまち。一斉更新で撤去されたけどまだ使えそうでよせておいたなどして、余った予備の信号機を設置したのだろう。(新規購入となると、予算とか入札とか手間だろうしね)

でも、これで充分。
アルミ製のようなので耐久性が向上しているはずだし、レンズ部分も明るくくっきり見やすくなった。
前にも書いたが、一県民の声を真摯に受け止めて、迅速に対処してくれた秋田県警に感謝したい。


不思議なのは、ここを通る県警関係者も一般人も、誰一人として、この状態に気付かなかったのかということ。
みなさんにもっと関心を持っていただきたい。
一人一人が、自分の通る道や自宅の近くにある公共物に目を向け、それを大事にすれば、長い目では税金の節約になるはずだし、美しく安全な街になっていくはずだ。
それに薄っぺらな信号機、変な所が光る信号機など、おもしろいものもありますよ。

ここで勝手に宣伝。
信号機の不具合の通報・要望等は、管轄都道府県警の「信号機ボックス」へ!
※信号機ボックスは各県警本部の「交通規制課」が担当していることが多く、電子メールでも受け付けている県が多いです。経験上、交番などへ連絡するよりも、スムーズな気がします。
 また、緊急を要する故障の場合は、110番することも必要でしょう。

また8月は「道路ふれあい月間」でもあるそうだ。
こちらは国交省の各河川国道事務所が自治体と共同でイベントを行うなどしている。
道路や道路標識に関しても、信号機と同様に日頃から目を向けていきたい。

三重県でおもしろい信号機を見たので、こちらで紹介します。
コメント (2)
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