秋田の“お盆アイテム”を少し紹介します。
※我が家は秋田市に古くから住む仏教徒ですが、風習についてはかなり簡略化している部分があると思われます。各家庭の考え方、宗派や地域によって、異なる点が多々あるはずです。
※秋田のお盆の風習については、昨年の精霊流しの記事もご参考に。
※由来や他地域の事情については、ネットで調べた情報や憶測した部分もあります。地域差・家庭差も含め、必ずしも正確とは限りませんので、ご了承ください。間違いや新たな情報がありましたら、ぜひお知らせください。
※2016年に知った、こんな風習も。
●盆棚(ぼんだな)
全国的に、仏壇とは別に「盆棚(精霊棚)」という、供え物や飾りを付けてご先祖を迎える机のようなものを準備する所が多い。
秋田県内でも作る所はあるが、我が家では作らず、キュウリの馬とナスの牛や下記で紹介するお供え物などで仏壇前を少し飾る程度。
●草市(くさいち)
8月12日の午後から夜にかけ行われる、お盆用品、花などの露天市のこと。
秋田市内では本来の意味での草市が旭南(きょくなん)地区の馬口労町通り、イベント的性格の強い草市が通町で行われる。今年は台風接近であまり人が来なかったのではないだろうか。
「くさいち」をATOKでは変換できないので、秋田独自の行事かと思ったが、goo辞書(デジタル大辞泉)に「草市」の項があり、「7月12日の夜から翌日にかけて、盂蘭盆(うらぼん)の仏前に供える草花や飾り物などを売る市。盆市。花市。」とある。秋の季語でもあるそうだ。東京都中央区の月島でも7月のお盆前に「月島草市」が行われ、賑わっているようだ。
●蓮の葉
これも全国的に多くの地域で見られるようだが、ハスの葉っぱにものを載せて盆棚にお供えする。
載せるものは、地域によっては刻んだナスなどの野菜、そうめんなど食べ物のようだが、現在の秋田市内の草市やスーパーなどでは、ハスの葉とお供えがあらかじめセットされて売られていることが多い。(それに赤飯などを加えて供える家庭もあるようだ。)
例によって我が家は買ってきたセットをそのまま供えます。
“実”がメイン
ペポカボチャ、小さなリンゴなど、食べられなさそうな果実たちと昆布みたいなのが混ざってる。
オレンジ色の平べったい実はハマナスの実(たぶん)。これは秋田独特らしい。
ホオズキを飾る場合もあるが、似たような色あいの果実で海岸部にハマナスが自生する秋田ならではのものだろうか。
【2015年8月10日追記】秋田の店舗では、このセットを「青棚(あおだな?)」という名称で売っているのを遅ればせながら知った。
【2017年6月18日追記】秋田市出身の版画家・勝平得之の1935年頃の「秋田風風俗十態『草市』」という作品(秋田市立赤れんが郷土館蔵)には、お盆の草市(舞台は明示されていないが、現在も草市が続く旭南の馬口労町は、勝平の生家の近く)の店先の風景が描かれており、ハマナスらしき果実などが載せられた広げたハスの葉が5点ほど並べて売られている。
●トロンコ?
草市でも売られるが、スーパーでも7月頃からお盆のお供え菓子が売られる。
まずは全国どこでもあると思われる
落雁(らくがん)
秋田でメジャーなのは、当ブログのランチパック(フレッシュランチ)カテゴリーでもおなじみの「たけや製パン」製のもの。パン屋製品だけに、スーパーではパン売場の近隣に並んでいることが多い。
多くの店では、この3段組を置いていたが、大館市に本社のあるスーパー「いとく」では、コーナーを広くとり(普段は何を置いてたんだっけ?)、たけや製の5段組(たしか白が2段あり、オレンジ色のも入っていた)など豊富で、150円から280円程度のラインナップだった。
そしてこれ。
商品名は「お盆とうろう」となっている
ちょっと見えにくいですが、これもたけや製品で右下には、
「※食べられません」!
おそらく、たけやブランドで唯一、食べられない商品ではないだろうか。
そのため、賞味期限は表示されていない。(落雁には表示されている)
そもそも、この「お盆とうろう」とは何者? と思われる方が(全国的には)大部分だと思うので、詳しくご紹介したい。
袋から取り出すと、
葉付きのカブ(?)とハスの花
5センチ前後くらいの“モナカの皮(最中種)”みたいなのに色を着けたもの同士が、帯状の紙(紙テープ)でつながっている。
この袋には10個5組入っていた。
ちょうちん、「盆鐘」と書いている鐘、ブドウ
よく見ると、どれもかわいらしい。
ブドウとナスの色違い2組
黄色い部分はおそらく生地(皮)の方に色を着けてある。
色の塗り分けが左右だったり上下だったり異なるが、必ず同じ色のもの同士が組み合わされるようだ。
側面
けっこう厚さがあり、しっかりした造り。少し乱暴に扱っても破れたり、紙テープが外れたりはしなそう。
これにあんこを詰めてモナカにしたら、胸焼けしそう…
原材料表示には「もち米、ワキシースターチ、…(以下着色料は略)」とある。
「ワキシースターチ」とは、「もちトウモロコシ(もち米同様、アミロースをほとんど含まず、ほぼすべてがアミロペクチンのトウモロコシの種類)」から取ったデンプンのことだそうだ。
着色料も食用のもののようなので、食べて食べられないことはないのだろうが、おいしそうには見えないね。
さて、これをどうやって使うのかと言うと、ぶら下げるのです!
我が家では仏壇前につっかえ棒を渡してそれにかけてますが
本来は、盆棚の上部に渡した縄(ひも)に、とうろうの紙テープをかけて下げるようだ。
盆棚の縄にホオズキや海藻などをぶら下げる地域があるそうなので、それが変化(簡略化)してモナカの皮になったのだろうか。
ところで、これの名前。
商品名では「お盆とうろう」だが、それだと、お盆に飾る本物の「灯篭」と紛らわしい。
我が家では、「下げるとうろう」とか「モナカの皮の下げるヤツ」とか適当に呼んでいるが、秋田県内では「トロンコ」と呼ぶ地域が多いようだ。
秋田弁では、何にでも「っこ」を付けるので、おそらく、「灯篭っこ」が変化して「とろんこ」になったのではないだろうか。
ネットで調べると、秋田県の近隣、山形県の庄内地方(鶴岡)や青森県津軽地方(青森市)でも同様のアイテムがあるようだが、「トロンコ」とは呼ばないようだ。
庄内では「さげもの」とか「下げ菓子」と呼ぶらしい。
材質も異なり、モナカでなく落雁のような「打ち菓子」で、紙でなく糸でつながっているようだ。
青森では「とうろう」、「盆とうろう」、「さげもの」などと呼ぶようだ。いくつかのメーカーがあるようだが、確認できた限りいずれもモナカの皮に紙テープ。そしてうち1つは秋田のたけやとデザインが細部までそっくり。
憶測だが、(たけや同様ヤマザキと提携している)工藤パンの製品かもしれない。同じ焼き型を所有しているか、もしくは同じ所に委託して製造してもらっているのかもしれない(←あくまで憶測です)。
【2018年8月9日追記】
2017年の弘前のスーパーで、たけやのものと、中身も袋もそっくりなとうろうが売られていた。
工藤パンかと思いきや「かさい製菓」のもの。
弘前市内にあって、リンゴのお菓子やバナナモナカを作る、かさい製菓のことか?
2018年の青森の紅屋商事が展開するドラッグストア「スーパードラッグ メガ」の折り込みチラシでは、青森県内の店舗版ではかさい製菓のとうろうが掲載され、秋田県内の店舗版では、代わりに山野辺商店のものを掲載(価格は違う)。
たけやと競合することを避け、かさい製菓は青森県内限定販売という決まりなのか、配慮なのか、そんなものがあるのだろうか。(以上追記)
秋田に戻るが、たけやの「お盆とうろう」は、200円前後で売られていた。地元資本でない、イトーヨーカドー秋田店にもあったが、秋田サティにはたけやの落雁はあったのに、とうろうは置いていなかった。【2012年8月9日追記】秋田サティがイオン秋田中央店となった2011年以降は、とうろうも扱っている。
そして、ネットで調べても分からなかったことがある。
秋田市のスーパー「ジェイマルエー」には、これまで紹介してきた、たけやの「お盆とうろう」とまったく同じなのに、色が着いていない、真っ白なとうろうがあった。
同じくたけや製で「お盆とうろう」という商品名、袋のデザインも同じ(原材料表示やバーコードは違うはずだけど)。値段も同じだった。
ジェイマルエーでは、色つきと白いのが同じくらいずつ並んでいた。
一方、確認した限りでは、イトーヨーカドー、いとく、グランマート(タカヤナギ=本社・大仙市)など、他のチェーンでは、色着きのみを扱っていて、白いとうろうはなかったし、僕は初めて存在を知った。
何なんだろう?
宗派によって白いものを使うとか、ひょっとして自分で好みの色にしてくださいってこと?
あるいは、新盆のお宅では、「白提灯」といって白いちょうちんをお盆に下げるが、それと関係あるのだろうか?
何かご存じであれば、教えてください。
※その後、これの製造過程に関して、こんな秘密があった(リンク先記事後半)
※別メーカーの製品についてはこちら、さらにこちら
※ほとんど変化がないものの、2020年の状況。
●青りんご
上で紹介したハスの葉の中には、小さな青いリンゴが入っていたが、もう少し大きな青リンゴが単独で売られていて、秋田ではスイカと並ぶお盆の果物の定番になっている。
おそらく津軽地方でもそうだし、信州でもそのようだ。
日本のリンゴとしては小型
これは食べることができ、若干渋みを感じることもあるが、おおむねさわやかな酸味があり、夏らしいリンゴだ。
※地域や人によっては、「王林」のような黄色いリンゴのことを「青リンゴ」と称する場合もあるようですが、このリンゴは緑色です。
おそらくこれは「祝(いわい)」という品種。サイズは小玉、早晩は極早生(ごくわせ)種という位置づけになるだろう。
熟すと赤くなり、さらにおいしくなるそうだ。未熟な果実がこの時期に流通していることになる。
古くに海外から伝わった品種だが、青くても食べられ、お盆に間に合うということで今も残っているのだろう。
昨年秋に収穫して保存されたものが流通していたリンゴも、そろそろ店頭から姿を消す頃。
そしてバトンタッチされたように、初物の「祝」が今年度産リンゴのスタートを切り、実りの秋へと季節が移っていく。
12日と14日の秋田市は大雨になったが、13日だけは晴天となった。
気温も上がったが、数日前のような蒸し暑さはあまり感じなかった。
青空とムクゲ
雲も秋のよう。
※我が家は秋田市に古くから住む仏教徒ですが、風習についてはかなり簡略化している部分があると思われます。各家庭の考え方、宗派や地域によって、異なる点が多々あるはずです。
※秋田のお盆の風習については、昨年の精霊流しの記事もご参考に。
※由来や他地域の事情については、ネットで調べた情報や憶測した部分もあります。地域差・家庭差も含め、必ずしも正確とは限りませんので、ご了承ください。間違いや新たな情報がありましたら、ぜひお知らせください。
※2016年に知った、こんな風習も。
●盆棚(ぼんだな)
全国的に、仏壇とは別に「盆棚(精霊棚)」という、供え物や飾りを付けてご先祖を迎える机のようなものを準備する所が多い。
秋田県内でも作る所はあるが、我が家では作らず、キュウリの馬とナスの牛や下記で紹介するお供え物などで仏壇前を少し飾る程度。
●草市(くさいち)
8月12日の午後から夜にかけ行われる、お盆用品、花などの露天市のこと。
秋田市内では本来の意味での草市が旭南(きょくなん)地区の馬口労町通り、イベント的性格の強い草市が通町で行われる。今年は台風接近であまり人が来なかったのではないだろうか。
「くさいち」をATOKでは変換できないので、秋田独自の行事かと思ったが、goo辞書(デジタル大辞泉)に「草市」の項があり、「7月12日の夜から翌日にかけて、盂蘭盆(うらぼん)の仏前に供える草花や飾り物などを売る市。盆市。花市。」とある。秋の季語でもあるそうだ。東京都中央区の月島でも7月のお盆前に「月島草市」が行われ、賑わっているようだ。
●蓮の葉
これも全国的に多くの地域で見られるようだが、ハスの葉っぱにものを載せて盆棚にお供えする。
載せるものは、地域によっては刻んだナスなどの野菜、そうめんなど食べ物のようだが、現在の秋田市内の草市やスーパーなどでは、ハスの葉とお供えがあらかじめセットされて売られていることが多い。(それに赤飯などを加えて供える家庭もあるようだ。)
例によって我が家は買ってきたセットをそのまま供えます。
“実”がメイン
ペポカボチャ、小さなリンゴなど、食べられなさそうな果実たちと昆布みたいなのが混ざってる。
オレンジ色の平べったい実はハマナスの実(たぶん)。これは秋田独特らしい。
ホオズキを飾る場合もあるが、似たような色あいの果実で海岸部にハマナスが自生する秋田ならではのものだろうか。
【2015年8月10日追記】秋田の店舗では、このセットを「青棚(あおだな?)」という名称で売っているのを遅ればせながら知った。
【2017年6月18日追記】秋田市出身の版画家・勝平得之の1935年頃の「秋田風風俗十態『草市』」という作品(秋田市立赤れんが郷土館蔵)には、お盆の草市(舞台は明示されていないが、現在も草市が続く旭南の馬口労町は、勝平の生家の近く)の店先の風景が描かれており、ハマナスらしき果実などが載せられた広げたハスの葉が5点ほど並べて売られている。
●トロンコ?
草市でも売られるが、スーパーでも7月頃からお盆のお供え菓子が売られる。
まずは全国どこでもあると思われる
落雁(らくがん)
秋田でメジャーなのは、当ブログのランチパック(フレッシュランチ)カテゴリーでもおなじみの「たけや製パン」製のもの。パン屋製品だけに、スーパーではパン売場の近隣に並んでいることが多い。
多くの店では、この3段組を置いていたが、大館市に本社のあるスーパー「いとく」では、コーナーを広くとり(普段は何を置いてたんだっけ?)、たけや製の5段組(たしか白が2段あり、オレンジ色のも入っていた)など豊富で、150円から280円程度のラインナップだった。
そしてこれ。
商品名は「お盆とうろう」となっている
ちょっと見えにくいですが、これもたけや製品で右下には、
「※食べられません」!
おそらく、たけやブランドで唯一、食べられない商品ではないだろうか。
そのため、賞味期限は表示されていない。(落雁には表示されている)
そもそも、この「お盆とうろう」とは何者? と思われる方が(全国的には)大部分だと思うので、詳しくご紹介したい。
袋から取り出すと、
葉付きのカブ(?)とハスの花
5センチ前後くらいの“モナカの皮(最中種)”みたいなのに色を着けたもの同士が、帯状の紙(紙テープ)でつながっている。
この袋には10個5組入っていた。
ちょうちん、「盆鐘」と書いている鐘、ブドウ
よく見ると、どれもかわいらしい。
ブドウとナスの色違い2組
黄色い部分はおそらく生地(皮)の方に色を着けてある。
色の塗り分けが左右だったり上下だったり異なるが、必ず同じ色のもの同士が組み合わされるようだ。
側面
けっこう厚さがあり、しっかりした造り。少し乱暴に扱っても破れたり、紙テープが外れたりはしなそう。
これにあんこを詰めてモナカにしたら、胸焼けしそう…
原材料表示には「もち米、ワキシースターチ、…(以下着色料は略)」とある。
「ワキシースターチ」とは、「もちトウモロコシ(もち米同様、アミロースをほとんど含まず、ほぼすべてがアミロペクチンのトウモロコシの種類)」から取ったデンプンのことだそうだ。
着色料も食用のもののようなので、食べて食べられないことはないのだろうが、おいしそうには見えないね。
さて、これをどうやって使うのかと言うと、ぶら下げるのです!
我が家では仏壇前につっかえ棒を渡してそれにかけてますが
本来は、盆棚の上部に渡した縄(ひも)に、とうろうの紙テープをかけて下げるようだ。
盆棚の縄にホオズキや海藻などをぶら下げる地域があるそうなので、それが変化(簡略化)してモナカの皮になったのだろうか。
ところで、これの名前。
商品名では「お盆とうろう」だが、それだと、お盆に飾る本物の「灯篭」と紛らわしい。
我が家では、「下げるとうろう」とか「モナカの皮の下げるヤツ」とか適当に呼んでいるが、秋田県内では「トロンコ」と呼ぶ地域が多いようだ。
秋田弁では、何にでも「っこ」を付けるので、おそらく、「灯篭っこ」が変化して「とろんこ」になったのではないだろうか。
ネットで調べると、秋田県の近隣、山形県の庄内地方(鶴岡)や青森県津軽地方(青森市)でも同様のアイテムがあるようだが、「トロンコ」とは呼ばないようだ。
庄内では「さげもの」とか「下げ菓子」と呼ぶらしい。
材質も異なり、モナカでなく落雁のような「打ち菓子」で、紙でなく糸でつながっているようだ。
青森では「とうろう」、「盆とうろう」、「さげもの」などと呼ぶようだ。いくつかのメーカーがあるようだが、確認できた限りいずれもモナカの皮に紙テープ。そしてうち1つは秋田のたけやとデザインが細部までそっくり。
憶測だが、(たけや同様ヤマザキと提携している)工藤パンの製品かもしれない。同じ焼き型を所有しているか、もしくは同じ所に委託して製造してもらっているのかもしれない(←あくまで憶測です)。
【2018年8月9日追記】
2017年の弘前のスーパーで、たけやのものと、中身も袋もそっくりなとうろうが売られていた。
工藤パンかと思いきや「かさい製菓」のもの。
弘前市内にあって、リンゴのお菓子やバナナモナカを作る、かさい製菓のことか?
2018年の青森の紅屋商事が展開するドラッグストア「スーパードラッグ メガ」の折り込みチラシでは、青森県内の店舗版ではかさい製菓のとうろうが掲載され、秋田県内の店舗版では、代わりに山野辺商店のものを掲載(価格は違う)。
たけやと競合することを避け、かさい製菓は青森県内限定販売という決まりなのか、配慮なのか、そんなものがあるのだろうか。(以上追記)
秋田に戻るが、たけやの「お盆とうろう」は、200円前後で売られていた。地元資本でない、イトーヨーカドー秋田店にもあったが、秋田サティにはたけやの落雁はあったのに、とうろうは置いていなかった。【2012年8月9日追記】秋田サティがイオン秋田中央店となった2011年以降は、とうろうも扱っている。
そして、ネットで調べても分からなかったことがある。
秋田市のスーパー「ジェイマルエー」には、これまで紹介してきた、たけやの「お盆とうろう」とまったく同じなのに、色が着いていない、真っ白なとうろうがあった。
同じくたけや製で「お盆とうろう」という商品名、袋のデザインも同じ(原材料表示やバーコードは違うはずだけど)。値段も同じだった。
ジェイマルエーでは、色つきと白いのが同じくらいずつ並んでいた。
一方、確認した限りでは、イトーヨーカドー、いとく、グランマート(タカヤナギ=本社・大仙市)など、他のチェーンでは、色着きのみを扱っていて、白いとうろうはなかったし、僕は初めて存在を知った。
何なんだろう?
宗派によって白いものを使うとか、ひょっとして自分で好みの色にしてくださいってこと?
あるいは、新盆のお宅では、「白提灯」といって白いちょうちんをお盆に下げるが、それと関係あるのだろうか?
何かご存じであれば、教えてください。
※その後、これの製造過程に関して、こんな秘密があった(リンク先記事後半)
※別メーカーの製品についてはこちら、さらにこちら
※ほとんど変化がないものの、2020年の状況。
●青りんご
上で紹介したハスの葉の中には、小さな青いリンゴが入っていたが、もう少し大きな青リンゴが単独で売られていて、秋田ではスイカと並ぶお盆の果物の定番になっている。
おそらく津軽地方でもそうだし、信州でもそのようだ。
日本のリンゴとしては小型
これは食べることができ、若干渋みを感じることもあるが、おおむねさわやかな酸味があり、夏らしいリンゴだ。
※地域や人によっては、「王林」のような黄色いリンゴのことを「青リンゴ」と称する場合もあるようですが、このリンゴは緑色です。
おそらくこれは「祝(いわい)」という品種。サイズは小玉、早晩は極早生(ごくわせ)種という位置づけになるだろう。
熟すと赤くなり、さらにおいしくなるそうだ。未熟な果実がこの時期に流通していることになる。
古くに海外から伝わった品種だが、青くても食べられ、お盆に間に合うということで今も残っているのだろう。
昨年秋に収穫して保存されたものが流通していたリンゴも、そろそろ店頭から姿を消す頃。
そしてバトンタッチされたように、初物の「祝」が今年度産リンゴのスタートを切り、実りの秋へと季節が移っていく。
12日と14日の秋田市は大雨になったが、13日だけは晴天となった。
気温も上がったが、数日前のような蒸し暑さはあまり感じなかった。
青空とムクゲ
雲も秋のよう。