ホテルの名前が変わることがある。
経営企業からして代わったり、経営は同じままでフランチャイズ入りするなどして名前だけ変わったり(リブランドと呼ぶらしい)。どちらにしても、泊まったことがある人のみならず、その町に住む住民にとっても、戸惑いと寂しさを感じることを、秋田市の例で以前取り上げた。
今回は弘前市とその周辺について。今年、知っているだけでも、3つのホテルの名前が変わっている。
まずは過去にさかのぼる。土手町の紀伊國屋書店の上の「ホテル法華クラブ弘前店」→「弘前パークホテル」。
全国チェーンが撤退し、地元企業の経営に変わったもの。名称変更は2001年のことだそう。
変更後は「イマジン株式会社」というところの運営で、弘前プラザホテルのほか、青森県内と函館、大館で結婚式場などもやっているそうだ。
次は、駅前の「シティ弘前ホテル」が、何度か、いずれもややこしい名前に変わったこと。
1989年9月にできた商業施設と一体化したビル(ビル全体としては今も「シティ弘前」?)にある、弘前では高級志向のホテル。「シティ弘前ホテル」だった頃は、東急イン系列だったそうだ。2007年10月で撤退。
2008年4月からは世界的チェーン「ベストウエスタンホテルズ」傘下(日本だけでも複数の運営会社がある)となり、「株式会社ランドーナージャパン」が経営する「ベストウェスタンホテルニューシティ弘前」となった。なんか西部劇みたいな名前で、この時点で僕はついていけなくなった。
そして2014年10月(たぶん)からは、「株式会社ナクア ホテル&リゾーツ マネジメント」経営の「ホテルナクアシティ弘前」となった。
と思っていたら、運営会社が「株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメント」に統合され、今年2016年10月から「アートホテル弘前シティ」となった。
シティ弘前ホテル→ベストウェスタンホテルニューシティ弘前→ホテルナクアシティ弘前→アートホテル弘前シティ
これまでは、「シティ弘前」の名前は“死守”されてきたが、ついに「弘前シティ」と順番が入れ替わってしまった。
とにかくめまぐるしい。NHKのアナウンサーで久能木→黒田→渡邊と姓を変えている人について三谷幸喜氏が「しょっちゅう名前が変わる人」と評していた(ゲスト出演したNHKの番組内にて)ことや、「古畑任三郎」の部下が、作中で向島→東国原(ひがしくにばる)→向島と姓が変わったのを連想してしまったけど、こっちほうがずっと頻繁で複雑だ。
※2021年には、秋田市にも似たような事例が生じた。
昨年宿泊した、大鰐の「青森ロイヤルホテル」は、2016年7月から「青森ワイナリーホテル」になった。
ロイヤルホテル時代から、むつ市で「下北ワイン」を製造する「サンマモルワイナリー」系列の企業だったそうだ。このホテルでもワインを醸造することになり、ホテルの名前を変えたとのこと。
ホテル隣接の「青森ロイヤルゴルフクラブ」や「ろいやるファクトリー」など弘前市内や青森空港にある店舗・飲食店は、今も「ロイヤル」の名前が残っているようだ。
唐突に感じたし、ホテルは「ロイヤル」の名を消してしまったのに、他では残すのも、統一感がない。
12月1日からは、土手町の「弘前国際ホテル」が「スマイルホテル弘前」となった。
運営は引き続き地元企業「みちのくホテル株式会社」が行い、全国チェーンとフランチャイズ契約したことに伴うもの。
電話番号は変わらないが、ホームページアドレスやメールアドレスは変更された。
弘前国際ホテル時代のカード
スマイルホテルは、青森県内の青森市より東側に3店舗(青森、十和田、八戸)が既にある。これらはスマイルホテル本部直営で、もともとは「ホテルユニバース」という、八戸のスーパー「ユニバース」系列だった。
僕は、旧ユニバースのスマイルホテルも、弘前国際ホテルも利用したことがある。
スマイルホテルは宿泊特化、国際ホテルは宴会場などがありコンセプトがやや違いそうだし、価格帯も若干違う気(国際ホテルのほうがちょっと高め)がする。それが同ブランドになるのは、ちょっと戸惑う。
【2日追記】「Aカード」というチェーンに属さないホテルを中心とした共通ポイントシステムがあり、その運営会社とスマイルホテルは密接な関係があるようだ(だからスマイルホテル各店ではAカードを使える)。弘前国際ホテルは以前からAカードに加盟していたので、今回のフランチャイズ入りに伴い、客としては特に変化はないはず。
蓬莱橋越しに
世界地図をイメージしたようなロゴマークも、黄色いスマイルに変わるのだろう。現在のホームページの建物の写真では、看板を合成している。
2005年。アーケードがあった頃、右奥は百貨店・中三
「国際ホテル」という名前では、初めて弘前に来た人はどのようなホテルか想像しにくいのかもしれない。
聞いたことがない地元ホテルよりも、チェーン店のほうが安心して予約・宿泊できるというのはあるだろう。
一方で、全国チェーンとは無関係の地元企業が運営していた「弘前プリンスホテル」は、破産して全国チェーン傘下に入ったが、今も名前はそのままというケースもある。
秋田市も弘前市も、一時期(10年ほど前)は、全国チェーンの新規進出が激しく、秋田市では以前からのホテルが閉店・撤退してしまったものもある。最近は一段落して、リブランドが主流になっていくのだろうか。
【2017年8月17日追記】弘前国際ホテルの2階、フロントの向かいには「レストラン大阪」というレストラン(朝食や宴会会場。昼食や夕食はなく、外部からの利用はできないはず)があった。スマイルホテル変更後もそのままのようだが、なぜ「大阪」なんだろう。
経営企業からして代わったり、経営は同じままでフランチャイズ入りするなどして名前だけ変わったり(リブランドと呼ぶらしい)。どちらにしても、泊まったことがある人のみならず、その町に住む住民にとっても、戸惑いと寂しさを感じることを、秋田市の例で以前取り上げた。
今回は弘前市とその周辺について。今年、知っているだけでも、3つのホテルの名前が変わっている。
まずは過去にさかのぼる。土手町の紀伊國屋書店の上の「ホテル法華クラブ弘前店」→「弘前パークホテル」。
全国チェーンが撤退し、地元企業の経営に変わったもの。名称変更は2001年のことだそう。
変更後は「イマジン株式会社」というところの運営で、弘前プラザホテルのほか、青森県内と函館、大館で結婚式場などもやっているそうだ。
次は、駅前の「シティ弘前ホテル」が、何度か、いずれもややこしい名前に変わったこと。
1989年9月にできた商業施設と一体化したビル(ビル全体としては今も「シティ弘前」?)にある、弘前では高級志向のホテル。「シティ弘前ホテル」だった頃は、東急イン系列だったそうだ。2007年10月で撤退。
2008年4月からは世界的チェーン「ベストウエスタンホテルズ」傘下(日本だけでも複数の運営会社がある)となり、「株式会社ランドーナージャパン」が経営する「ベストウェスタンホテルニューシティ弘前」となった。なんか西部劇みたいな名前で、この時点で僕はついていけなくなった。
そして2014年10月(たぶん)からは、「株式会社ナクア ホテル&リゾーツ マネジメント」経営の「ホテルナクアシティ弘前」となった。
と思っていたら、運営会社が「株式会社マイステイズ・ホテル・マネジメント」に統合され、今年2016年10月から「アートホテル弘前シティ」となった。
シティ弘前ホテル→ベストウェスタンホテルニューシティ弘前→ホテルナクアシティ弘前→アートホテル弘前シティ
これまでは、「シティ弘前」の名前は“死守”されてきたが、ついに「弘前シティ」と順番が入れ替わってしまった。
とにかくめまぐるしい。NHKのアナウンサーで久能木→黒田→渡邊と姓を変えている人について三谷幸喜氏が「しょっちゅう名前が変わる人」と評していた(ゲスト出演したNHKの番組内にて)ことや、「古畑任三郎」の部下が、作中で向島→東国原(ひがしくにばる)→向島と姓が変わったのを連想してしまったけど、こっちほうがずっと頻繁で複雑だ。
※2021年には、秋田市にも似たような事例が生じた。
昨年宿泊した、大鰐の「青森ロイヤルホテル」は、2016年7月から「青森ワイナリーホテル」になった。
ロイヤルホテル時代から、むつ市で「下北ワイン」を製造する「サンマモルワイナリー」系列の企業だったそうだ。このホテルでもワインを醸造することになり、ホテルの名前を変えたとのこと。
ホテル隣接の「青森ロイヤルゴルフクラブ」や「ろいやるファクトリー」など弘前市内や青森空港にある店舗・飲食店は、今も「ロイヤル」の名前が残っているようだ。
唐突に感じたし、ホテルは「ロイヤル」の名を消してしまったのに、他では残すのも、統一感がない。
12月1日からは、土手町の「弘前国際ホテル」が「スマイルホテル弘前」となった。
運営は引き続き地元企業「みちのくホテル株式会社」が行い、全国チェーンとフランチャイズ契約したことに伴うもの。
電話番号は変わらないが、ホームページアドレスやメールアドレスは変更された。


スマイルホテルは、青森県内の青森市より東側に3店舗(青森、十和田、八戸)が既にある。これらはスマイルホテル本部直営で、もともとは「ホテルユニバース」という、八戸のスーパー「ユニバース」系列だった。
僕は、旧ユニバースのスマイルホテルも、弘前国際ホテルも利用したことがある。
スマイルホテルは宿泊特化、国際ホテルは宴会場などがありコンセプトがやや違いそうだし、価格帯も若干違う気(国際ホテルのほうがちょっと高め)がする。それが同ブランドになるのは、ちょっと戸惑う。
【2日追記】「Aカード」というチェーンに属さないホテルを中心とした共通ポイントシステムがあり、その運営会社とスマイルホテルは密接な関係があるようだ(だからスマイルホテル各店ではAカードを使える)。弘前国際ホテルは以前からAカードに加盟していたので、今回のフランチャイズ入りに伴い、客としては特に変化はないはず。

世界地図をイメージしたようなロゴマークも、黄色いスマイルに変わるのだろう。現在のホームページの建物の写真では、看板を合成している。

「国際ホテル」という名前では、初めて弘前に来た人はどのようなホテルか想像しにくいのかもしれない。
聞いたことがない地元ホテルよりも、チェーン店のほうが安心して予約・宿泊できるというのはあるだろう。
一方で、全国チェーンとは無関係の地元企業が運営していた「弘前プリンスホテル」は、破産して全国チェーン傘下に入ったが、今も名前はそのままというケースもある。
秋田市も弘前市も、一時期(10年ほど前)は、全国チェーンの新規進出が激しく、秋田市では以前からのホテルが閉店・撤退してしまったものもある。最近は一段落して、リブランドが主流になっていくのだろうか。
【2017年8月17日追記】弘前国際ホテルの2階、フロントの向かいには「レストラン大阪」というレストラン(朝食や宴会会場。昼食や夕食はなく、外部からの利用はできないはず)があった。スマイルホテル変更後もそのままのようだが、なぜ「大阪」なんだろう。