昨年の秋、秋田市中央部の川沿いの道のフェンスに、変わったツル植物が生えているのに気づいた。一昨年以前も通っている場所だけど、気づかないでいたようだ。
雰囲気は、雑草系ツル植物として一般的なヘクソカズラに似ているものの、果実が違う。この記事後半に写真が出てきますが、とても独特で、ある意味グロテスクかも。
名前は思い浮かばなかったけれど、こういう植物もあったような…
調べるとガガイモ科ガガイモ属の「ガガイモ」という植物だった。そういえば覚えがある名だけど、名前もインパクトがある。
多年草なので今年もツルを伸ばした。※木でなく草なので、地上部は冬に枯れ、春に根元から新たに伸びる。
9月下旬からの観察記録。
左にはヨウシュヤマゴボウも
9月下旬、緑の葉を茂らせるガガイモ。小さな花が咲いている。
葉の形、花が小さく白&赤の組み合わせでなのがヘクソカズラに似ているが、近縁ではない。
ガガイモの花
複数の花がいくつかまとまって咲くタイプ。
1つ1つの花はヒトデのような形。花弁が5つあるように見えるが、基はつながっていて、先端で裂けている構造。花弁の裏面は白く、表が赤紫で白い毛が生えている。
かわいらしいようにも、気持ち悪いようにも見えてしまう。においはかいでないけど、どうなんだろう。
実際にはもっと早くから花が咲いていたようで、9月下旬で果実がぶら下がる部分もあった。
これがガガイモの実!
一見、アケビかと思ってしまうけれど、アケビより細長く、角張って、先端ほど細い形状で硬そう。(アケビとも近縁ではない)
花と共存
やがて果実がいくぶん膨らんできて、表面にボツボツと突起が出てくるとともに、色が紫色っぽくなる。【22日追記】この辺りから、気味悪さが増してくる。
まとまって実る
花の数に比べれば果実は少ない。
さあ。ここからがガガイモのクライマックス。
どんな果実でも、最後は成熟して種を残すわけですが、ガガイモではどういう形でそれをするか。
間が空いて11月中旬。
上のまとまった果実。葉は枯れ落ちた
枯れかけたツルに、乾燥した果実がついていた。
よく見ると、果実の1か所が縦に裂けている。そこに種が入っている。裂けた中に種があるというのは、アケビみたいだけど、そのスタイルは違う。
11月下旬。中に茶色い種と白いモノ?
そして、
綿毛つき種!
ガガイモは、綿毛が付いた種を、果実から飛ばすのです!
タンポポもそうだけど、ガガイモは種が飛び立つ場所が斬新だし、サイズが大きい。
その後、綿毛と種はすっかり飛んでなくなり、空っぽになった果実がよりいっそうカラカラに乾いて残り、やがて土に還りつつある。
ガガイモ科には庭でたまに植えられる「トウワタ」という植物もあるが、それも綿毛ができるそうだ。
ガガイモの綿毛は、いわゆる「ケセランパサラン」として扱われたり、大昔は朱肉に使ったり(色を染み込ませたということか。ヨモギの毛も使ったそうだ)した。
また、日本神話では、「スクナビコナ」という神様が、ガガイモの実を半分に割った舟に乗って、やって来たそうだ。
「ガガイモ」という不思議な名前には諸説あるそうだ。「イモ」は「芋」で、根あるいは果実を芋に見立てたとか。「ガガ」については、日本神話に関係していそう(少々難しいお話)。
気持ち悪いなんて感じてしまったけれど、日本に自生し、古くから人々に親しまれてきた植物のようだ。
ここでしか見たことがないけれど、ほかのどこかでも綿毛を飛ばしていることだろう。
このシリーズ定番の結びですが、今回も、まだまだ知らない植物があるものだと思わされた。
【2022年9月25日追記】この場所のガガイモは、この翌2017年くらいまでは生えていた気がするが、2020年頃以降になるとなくなってしまった。
雰囲気は、雑草系ツル植物として一般的なヘクソカズラに似ているものの、果実が違う。この記事後半に写真が出てきますが、とても独特で、ある意味グロテスクかも。
名前は思い浮かばなかったけれど、こういう植物もあったような…
調べるとガガイモ科ガガイモ属の「ガガイモ」という植物だった。そういえば覚えがある名だけど、名前もインパクトがある。
多年草なので今年もツルを伸ばした。※木でなく草なので、地上部は冬に枯れ、春に根元から新たに伸びる。
9月下旬からの観察記録。
左にはヨウシュヤマゴボウも
9月下旬、緑の葉を茂らせるガガイモ。小さな花が咲いている。
葉の形、花が小さく白&赤の組み合わせでなのがヘクソカズラに似ているが、近縁ではない。
ガガイモの花
複数の花がいくつかまとまって咲くタイプ。
1つ1つの花はヒトデのような形。花弁が5つあるように見えるが、基はつながっていて、先端で裂けている構造。花弁の裏面は白く、表が赤紫で白い毛が生えている。
かわいらしいようにも、気持ち悪いようにも見えてしまう。においはかいでないけど、どうなんだろう。
実際にはもっと早くから花が咲いていたようで、9月下旬で果実がぶら下がる部分もあった。
これがガガイモの実!
一見、アケビかと思ってしまうけれど、アケビより細長く、角張って、先端ほど細い形状で硬そう。(アケビとも近縁ではない)
花と共存
やがて果実がいくぶん膨らんできて、表面にボツボツと突起が出てくるとともに、色が紫色っぽくなる。【22日追記】この辺りから、気味悪さが増してくる。
まとまって実る
花の数に比べれば果実は少ない。
さあ。ここからがガガイモのクライマックス。
どんな果実でも、最後は成熟して種を残すわけですが、ガガイモではどういう形でそれをするか。
間が空いて11月中旬。
上のまとまった果実。葉は枯れ落ちた
枯れかけたツルに、乾燥した果実がついていた。
よく見ると、果実の1か所が縦に裂けている。そこに種が入っている。裂けた中に種があるというのは、アケビみたいだけど、そのスタイルは違う。
11月下旬。中に茶色い種と白いモノ?
そして、
綿毛つき種!
ガガイモは、綿毛が付いた種を、果実から飛ばすのです!
タンポポもそうだけど、ガガイモは種が飛び立つ場所が斬新だし、サイズが大きい。
その後、綿毛と種はすっかり飛んでなくなり、空っぽになった果実がよりいっそうカラカラに乾いて残り、やがて土に還りつつある。
ガガイモ科には庭でたまに植えられる「トウワタ」という植物もあるが、それも綿毛ができるそうだ。
ガガイモの綿毛は、いわゆる「ケセランパサラン」として扱われたり、大昔は朱肉に使ったり(色を染み込ませたということか。ヨモギの毛も使ったそうだ)した。
また、日本神話では、「スクナビコナ」という神様が、ガガイモの実を半分に割った舟に乗って、やって来たそうだ。
「ガガイモ」という不思議な名前には諸説あるそうだ。「イモ」は「芋」で、根あるいは果実を芋に見立てたとか。「ガガ」については、日本神話に関係していそう(少々難しいお話)。
気持ち悪いなんて感じてしまったけれど、日本に自生し、古くから人々に親しまれてきた植物のようだ。
ここでしか見たことがないけれど、ほかのどこかでも綿毛を飛ばしていることだろう。
このシリーズ定番の結びですが、今回も、まだまだ知らない植物があるものだと思わされた。
【2022年9月25日追記】この場所のガガイモは、この翌2017年くらいまでは生えていた気がするが、2020年頃以降になるとなくなってしまった。