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秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

配達エリアの示し方

2019-02-26 00:19:25 | 秋田の地理
宅配業者ではない店が、各家庭に商品を配達してくれるサービス、つまりピザや寿司、ネットスーパーや店頭購入商品の配達といったもの、が増えた。
昔ながらの、ご町内の御用聞きとか店屋物の出前よりは広域なので、もし自分の家に届けてもらおうと考えた時、自宅が対象エリアなのか、見極めが必要になる。
そんなことについて、過去にも掲載したヘタで分かりにくい地図にも関係しそうな話。

宅配ピザ会社などでは、ネット上で届け先の住所から自宅が対象エリアかどうか分かる。チラシにも、地図で明示してくれることが多い(チラシが届いた時点で対象エリアなんだろうけど)。
ところが、店によっては、分かりにくい方法で対象エリアを示してくれることもある。
直接「○○町なんですが、届けてくれますか?」と聞くのが手っ取り早くて確実だし、本来はエリア外だけど境目付近なら融通を利かせてくれることもありそう。
でも、チラシやネットも大事な広告媒体だし、一見さんは聞きづらいこともあろう。分かりやすく示すことが大事なはず。


秋田市内のとある高級な配達弁当のお店。秋田市外では歴史がある企業だそうで、何年か前に飲食店として秋田市進出、数年前に宅配も始めた。
そのチラシの配達エリアの表示が、以前からとても分かりにくい。
最近のチラシより
配達無料になる金額が2段階に分かれていて、特に右の8000円以上のエリアが問題。
秋田市の地理を分かる方は感じると思うが、地名の掲載順がメチャクチャ。なぜか横森がトップだったり、隣り合っていて対になるエリアとして認識される、上新城と下新城、上北手と下北手が離れ離れになってしまったり。北から順にとか、五十音順とかでなく、ランダムに近い。

実は、2年くらい前のチラシの書き方は若干違った。同社ホームページにはまだそれが残っていた。


両者を比べると、(見落としがあったらスミマセン)
・ホームページ(旧チラシ)にあって、現チラシにない地名
中島、向浜、御所野、手形山

・現チラシにあって、ホームページ(旧チラシ)にない地名
手形、大平台、桜ヶ丘、浜田  ※「桜ヶ丘」は桜ガ丘が正当

・両者で扱いが違う地名
南通 ホームページでは8000円、チラシでは5000円

ホームページとチラシで異なることは、まずは営業上うまくない。
距離は離れているが、需要はありそうな「御所野」を現チラシで抜かしたということは、配達を取りやめたということなのか? 等。

それよりも気になるのが、ホームページとチラシどちらにしても、地名の順番だけでなく地名の選び方も、かなりいい加減なこと。
「臨海」なんて正式な地名ではない。国道7号線(臨海バイパス)沿線を指してそう呼ぶが、明確な定義はない。「山王臨海町」はあるけれど「山王」に含まれる。【26日追記】多くの市民のイメージとして、臨海はもっと広範囲であって、正式な地名としては川尻~山王~八橋~寺内一帯の西側と認識するはず。
「中島」「追分」はここに挙げる階層の地名ではない。それぞれ「千秋」「金足」とするべきであろう。

「川元」と「川尻」を区別しているような、細かく区分けしている部分もある一方、あっていいはずなのに載っていない地名もある。
「山手台」「大平台」があるなら近隣の同じような新興住宅地「桜台」「南ケ丘」はなくていいのか、「勝平(割山)」がないけど「新屋」に含むのか、「港北(こうほく)」は「土崎」に含むのか。
(川でなく地名としての)旭川、新藤田、保戸野、旭北、高陽、旭南、大町、茨島、卸町、御野場なんかは、載せるだけの需要がありそうだし、5000円か8000円の境界になりそうな場所もあるのに、載っていない。

5000円のエリアは詳しく示し、8000円のエリアは外周の地名を挙げて、「それより内側の各地域」とでもしたほうがいいのでは?


考えてみれば、ここは秋田市外発祥・秋田市進出間もない店。もしかしたら、秋田市の地理をよく知らない人が、地図を見ながら苦労して書き上げたのか。秋田市の地理を知る人なら、(広面や桜の陰に隠れて少々マイナーな)横森をいきなりトップに出したり、上/下新城・上/下北手を分離したり、そんな大胆なマネはできないんじゃ…
でなければ、地理(地図の読み書き、空間認識)がものすごく苦手な人とか。言っちゃ悪いですが…


ところで、この店のホームページとたしか以前のチラシにも、秋田市の地図が載っていた。現在のチラシには掲載されず。
ホームページより一部を抜粋
一瞬、配達エリアの地図かと思ってしまうが…
川も線路も道路もなく、具体的な施設は「秋田駅」「秋田市役所」のみ。お店の場所すらない。

あとは、秋田市内を線で区切って、地名が書かれている。
その地名は土崎、土崎南、高清水…??
東、明徳、築山、そして日新。
そう、秋田市立小学校の校名である。つまり通学区の地図だ。

秋田市教育委員会のホームページでは、住所と学区の対応表を見ることができるが、それを地図に記したものはない。現在は、「MapExpert」という全国の学区が分かる民間の地図サイトは存在する。
これは貴重な地図か?! ※秋田市の学区に関する過去の記事

いや。この地図は、学区の区分け図としても、おかしい。
「外旭川」小学区がやけに広いと思ったら、「旭川」小学区を“併合”させてしまっている。(上の文字でも省かれていたし、この店は旭川地区に冷たいのか?)
さらに、「秋田市役所」と「秋田駅」の所在地は、それぞれ旭北小と明徳小の学区であるが、この図ではそうではない。印が西へ数百メートルずれてしまっているようだ。
そして、地図の範囲が市内全域でなく、土崎、外旭川、広面、日新などが端。その外側の港北、飯島や浜田方面などは茶色一色。

そんないい加減で中途半端な地図を市教委や地図会社が作るわけないので、店側(委託したデザイン会社等)で作図したのだろうか。けっこう大変な作業だったのでは? それが残念ながら間違っていては報われない。

ホームページには「地図は配達エリアの目安となりますので、」とある。
しかし、文字で示した配達エリアとは、範囲も地名の表記も一致していないわけであるから、目安にさえなっていない。
って言うか、弁当の配達に小学校の学区が、しかも地図でだけ出てくる理由が見当たらない。秋田市では(たいていの自治体でも)、小学校名=地名ではないし、学区はあくまで「通学するエリア」であって、それを「配達するエリア」に転用したら、かえって面倒になりそう。
無意味な地図である。


お店全体や商品への文句はありません。また、繰り返しですが電話等で相談すれば、臨機応変に対応してくれるということなのでしょう。
でも、配達範囲をもっと分かりやすく示せば、お客に無駄な不安を抱かせず、お店でも問い合わせ応対の手間も減らすことができると思いますよ。
コメント
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