たけや製パンのロングセラー商品といえば、「アベックトースト」「バナナボート」「粒あんグッディ」などなど。
秋田県民のソウルフードとされることもあるが、申し訳ないけれど、どれもあまり好きじゃない。好きなのは、
かた焼きメロンパン 312kcal
平成初期・中学生の頃のはずだけど、かなりの頻度で食べていた。
その後、店で見かけなくなったような気がしていたが、この10年ほどは発売されている。扱い店は多くはないけど。たけやホームページには未掲載。
今のメロンパン事情は、数十年前とかなり変わった。メロン果汁やクリームが入っていたり、コンビニオリジナルや車で乗り付けて販売したり。
平成初め頃までは、メロンパンを知らない人は少ないものの、あんパンやクリームパンほど身近でなかった。僕も含めて、メロンパンには原料にメロンが使われていると思っていた人もいる。
たけやでは、1985年に「あん入りメロンパン」を発売(2011年に復刻)しているから、普通の(何も入ってない)メロンパンはそれ以前から発売されていたと考えるべきだろう。
僕が初めてメロンパンを食べたのは、昭和末か平成初期辺りだったはず。それが、かた焼きメロンパンで、はまってしまったのだった。1~2回程度だと思うが、学校給食に出た(中学校で行事がある日の簡易給食として?)ような気もする。
ネット上でも、たけやのかた焼きメロンパンを好きな人は少なくないようだ。でも、アベックトーストやバナナボートと比べると、インパクトが薄いのか、知る人ぞ知るという感じに近いかも。
さて、久々のかた焼きメロンパン。
真上から
記憶と違うのは、思ったより小さい(これは経済状況の変化でしょう)のと形。上から見るとまん丸だと思っていたが、個体差なのかこれはやや扁平で、短いほうが10センチ、長いほうが12センチほど。
表面に光沢がある(触ると若干べたつく)が、昔はツヤはなかった気もする。
シュークリームのよう
砂糖がまぶされず、焼き目がなく、表面が茶色いのは、昔と同じ。【5日補足・あとツヤは別として、表面のボコボコした質感も。】
中はふわふわパン
食感や味は、おおむね記憶どおり。やはりおいしい。
甘すぎず、かといって(中部分も含めて)甘さが物足りなくもなく、いいあんばい。「かた焼き」というほど硬くはないが、他のメロンパンと比べると柔らかくはない。砂糖はかかってないし、皮が分離したりボロボリ【5日訂正】ボロボロ、ポロポロになって落ちたりしづらく、食べやすいのもいい。
そうか。僕は初めて知ったメロンパンがこれだったから、こういうもんだと思った。
でも、黄色くて薄い(網目模様が入ったり)砂糖がかかったりした、標準的なメロンパンを先に知っている人からすれば、変わったメロンパンに映りそう。
ところで、たけやではかた焼きじゃない普通のメロンパンはあるのか?
公式サイト内に画像があるのを検索で発見。その名も「メロンパン」というのがある(あった?)ようで、そう言えば見たような気もするが、メジャーではない。緑のチェック風の包装で「皮はサクッと、中はふわふわ」とあり、黄色っぽくて焼き目は目立たない。
なお、工藤パンでは巨大なメロンパンなど時々出しているが、レギュラーの普通のメロンパンはないかもしれない。
そして山崎製パン。これは秋田でも流通して、5月新発売のクラウンメロンホイップ入り、大きなメロンパン、皮だけとかいくつもある。
さらに「かたいメロンパン」という商品も存在していた。確認した限り、2010年と2016年に出ていて、パッケージが違う。たけやのかた焼きにわりと似ているが、表面はもっとつるんとしている。
ところで、徳光和夫氏はメロンパンが好物。
日本テレビ「ズームイン!!朝!」の司会を務めていた時は、本番前にメロンパンを食べるのが日課(今で言うルーティン)だったという。
スタジオの片隅で、袋を開けてメロンパンにかぶりつく徳光氏をテレビで見た。
その食べていたメロンパンが、たけやのかた焼きに似ていたはず。当時はヤマザキとたけやの関係は認識していなかったはずで、「同じメロンパンを食べてるんだ」と思った。【5日補足・徳光氏が食べていたのがヤマザキ製かどうかの記憶が、そもそもない。】
徳光氏がズームインに出ていたのは1988年3月まで。勘違いがなければ、僕は小学生のうちにかた焼きメロンパンを知っていたことになる。
ちなみに、秋田放送では1992年秋までは、この時間はTBSをネットしてズームインは放送されなかった。その他の日テレの番組で、舞台裏が放送されたのだと思う。
最後に、たけやかた焼きメロンパンの包装。
緑と白の2色で、網目メロンのイラストが描かれている。昔と変わっていないと思う。
「かた焼きメロンパン」の書体。
「かた焼き」の丸ゴシック体は、今は道路の案内標識ほぼ限定でおなじみ、写研「ナール」だ。「た」「き」が間違いない。
「メロンパン」は極太の丸ゴシック。写研「スーボ」という書体だと思う。「パ」の丸の重なりかたが特徴的。
スーボは最近まで知らなかったが、かつては本のタイトルなどでわりと使われたようで、例えば「美味しんぼ」は、漫画もアニメもスーボだと思う。今もどこかで似たフォントがありそう【後述のモリサワ「トンネル」等】だけど、線の流れと重なりかたは違う。
ただし、まったく変わっていないというわけでもない。Takeyaの現行ロゴになったのは1992年だし、裏面には食塩相当量も含めた栄養成分表示があり、全面でおそらくモリサワのデジタルフォントを使っている。
また、表の下に小さく「イラストはイメージです」とあるのは、フォントワークス「スーラ」のようだ。昔は許されても、今はメロンが入ってないのにメロンの絵を入れるには、注記が欠かせないから、後で追加したのだろう。
手直ししながら、商品名部分はあえて変えていないのだと思う。
ほかにも、たけやでは「アベックトースト」や「あんぱん」などもスーボだ。「学生調理」も? 「粒あんグッディ」は似ているが違う。
そうした商品で派生商品が発売される時は、商品名部分はスーボで、他はデジタルフォントを組み合わせている。
例えば、2017年夏には、水色で印刷した「かた焼きメロンパン 塩バター風味」があったが、「塩バター風味」だけ角ゴシックの別書体だった。
今、アベックトーストの中身をロールパンに入れた「アベックバターロール」というのが出ている。それは「アベック」だけスーボを流用し、「バターロール」はモリサワの「トンネル」というフォントで代用している。注目すれば、線の重なり方が違う。
写研は、自社書体をパソコン向けフォントにするのをかたくなに拒んだが、今、たけや(が委託したデザイン会社?)がそういうことができるということは、写研書体(の輪郭線)をデジタル化して、パソコンで扱えるようにしているのかな。
※シライシの巨大メロンパンの話。
※2024年のかた焼きメロンパン。
秋田県民のソウルフードとされることもあるが、申し訳ないけれど、どれもあまり好きじゃない。好きなのは、
かた焼きメロンパン 312kcal
平成初期・中学生の頃のはずだけど、かなりの頻度で食べていた。
その後、店で見かけなくなったような気がしていたが、この10年ほどは発売されている。扱い店は多くはないけど。たけやホームページには未掲載。
今のメロンパン事情は、数十年前とかなり変わった。メロン果汁やクリームが入っていたり、コンビニオリジナルや車で乗り付けて販売したり。
平成初め頃までは、メロンパンを知らない人は少ないものの、あんパンやクリームパンほど身近でなかった。僕も含めて、メロンパンには原料にメロンが使われていると思っていた人もいる。
たけやでは、1985年に「あん入りメロンパン」を発売(2011年に復刻)しているから、普通の(何も入ってない)メロンパンはそれ以前から発売されていたと考えるべきだろう。
僕が初めてメロンパンを食べたのは、昭和末か平成初期辺りだったはず。それが、かた焼きメロンパンで、はまってしまったのだった。1~2回程度だと思うが、学校給食に出た(中学校で行事がある日の簡易給食として?)ような気もする。
ネット上でも、たけやのかた焼きメロンパンを好きな人は少なくないようだ。でも、アベックトーストやバナナボートと比べると、インパクトが薄いのか、知る人ぞ知るという感じに近いかも。
さて、久々のかた焼きメロンパン。
真上から
記憶と違うのは、思ったより小さい(これは経済状況の変化でしょう)のと形。上から見るとまん丸だと思っていたが、個体差なのかこれはやや扁平で、短いほうが10センチ、長いほうが12センチほど。
表面に光沢がある(触ると若干べたつく)が、昔はツヤはなかった気もする。
シュークリームのよう
砂糖がまぶされず、焼き目がなく、表面が茶色いのは、昔と同じ。【5日補足・あとツヤは別として、表面のボコボコした質感も。】
中はふわふわパン
食感や味は、おおむね記憶どおり。やはりおいしい。
甘すぎず、かといって(中部分も含めて)甘さが物足りなくもなく、いいあんばい。「かた焼き」というほど硬くはないが、他のメロンパンと比べると柔らかくはない。砂糖はかかってないし、皮が分離したり
そうか。僕は初めて知ったメロンパンがこれだったから、こういうもんだと思った。
でも、黄色くて薄い(網目模様が入ったり)砂糖がかかったりした、標準的なメロンパンを先に知っている人からすれば、変わったメロンパンに映りそう。
ところで、たけやではかた焼きじゃない普通のメロンパンはあるのか?
公式サイト内に画像があるのを検索で発見。その名も「メロンパン」というのがある(あった?)ようで、そう言えば見たような気もするが、メジャーではない。緑のチェック風の包装で「皮はサクッと、中はふわふわ」とあり、黄色っぽくて焼き目は目立たない。
なお、工藤パンでは巨大なメロンパンなど時々出しているが、レギュラーの普通のメロンパンはないかもしれない。
そして山崎製パン。これは秋田でも流通して、5月新発売のクラウンメロンホイップ入り、大きなメロンパン、皮だけとかいくつもある。
さらに「かたいメロンパン」という商品も存在していた。確認した限り、2010年と2016年に出ていて、パッケージが違う。たけやのかた焼きにわりと似ているが、表面はもっとつるんとしている。
ところで、徳光和夫氏はメロンパンが好物。
日本テレビ「ズームイン!!朝!」の司会を務めていた時は、本番前にメロンパンを食べるのが日課(今で言うルーティン)だったという。
スタジオの片隅で、袋を開けてメロンパンにかぶりつく徳光氏をテレビで見た。
その食べていたメロンパンが、たけやのかた焼きに似ていたはず。当時はヤマザキとたけやの関係は認識していなかったはずで、「同じメロンパンを食べてるんだ」と思った。【5日補足・徳光氏が食べていたのがヤマザキ製かどうかの記憶が、そもそもない。】
徳光氏がズームインに出ていたのは1988年3月まで。勘違いがなければ、僕は小学生のうちにかた焼きメロンパンを知っていたことになる。
ちなみに、秋田放送では1992年秋までは、この時間はTBSをネットしてズームインは放送されなかった。その他の日テレの番組で、舞台裏が放送されたのだと思う。
最後に、たけやかた焼きメロンパンの包装。
緑と白の2色で、網目メロンのイラストが描かれている。昔と変わっていないと思う。
「かた焼きメロンパン」の書体。
「かた焼き」の丸ゴシック体は、今は道路の案内標識ほぼ限定でおなじみ、写研「ナール」だ。「た」「き」が間違いない。
「メロンパン」は極太の丸ゴシック。写研「スーボ」という書体だと思う。「パ」の丸の重なりかたが特徴的。
スーボは最近まで知らなかったが、かつては本のタイトルなどでわりと使われたようで、例えば「美味しんぼ」は、漫画もアニメもスーボだと思う。今もどこかで似たフォントがありそう【後述のモリサワ「トンネル」等】だけど、線の流れと重なりかたは違う。
ただし、まったく変わっていないというわけでもない。Takeyaの現行ロゴになったのは1992年だし、裏面には食塩相当量も含めた栄養成分表示があり、全面でおそらくモリサワのデジタルフォントを使っている。
また、表の下に小さく「イラストはイメージです」とあるのは、フォントワークス「スーラ」のようだ。昔は許されても、今はメロンが入ってないのにメロンの絵を入れるには、注記が欠かせないから、後で追加したのだろう。
手直ししながら、商品名部分はあえて変えていないのだと思う。
ほかにも、たけやでは「アベックトースト」や「あんぱん」などもスーボだ。「学生調理」も? 「粒あんグッディ」は似ているが違う。
そうした商品で派生商品が発売される時は、商品名部分はスーボで、他はデジタルフォントを組み合わせている。
例えば、2017年夏には、水色で印刷した「かた焼きメロンパン 塩バター風味」があったが、「塩バター風味」だけ角ゴシックの別書体だった。
今、アベックトーストの中身をロールパンに入れた「アベックバターロール」というのが出ている。それは「アベック」だけスーボを流用し、「バターロール」はモリサワの「トンネル」というフォントで代用している。注目すれば、線の重なり方が違う。
写研は、自社書体をパソコン向けフォントにするのをかたくなに拒んだが、今、たけや(が委託したデザイン会社?)がそういうことができるということは、写研書体(の輪郭線)をデジタル化して、パソコンで扱えるようにしているのかな。
※シライシの巨大メロンパンの話。
※2024年のかた焼きメロンパン。