広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

川を渡る葛

2022-08-23 20:48:42 | 動物・植物
秋田市楢山登町と旭南二丁目・三丁目の間、馬口労町通りの旭川に架かる「刈穂橋」。竿燈まつりが終わった翌朝、「御幣流し」の儀式が行われる場所でもある。
そこから下流方向を見ると、
奥のほう
先方で川が右へカーブしており、そこの上空を覆うように緑のものが見える。
拡大
楢山登町から旭南三丁目に向かって右上がりに、大量の葉っぱ?

近くで撮影

対岸のシダレザクラに向かって一直線に太い緑

川を横断する、線状のものに、つる草がからみついているのだった。からみつかれているのは、何かのケーブルかと思った。
上の写真の位置から対岸を拡大
ケーブルではなく、対岸にある電柱のてっぺんから出ている、ワイヤーだ。
左端の電柱につながる。奥に見えるのが刈穂橋
この電柱は、電力柱。対岸の、一方通行の狭い市道(下り新屋線・旭南三丁目バス停の先方付近)沿いに立っている。
バス停側から。赤い線付近がワイヤー

反対側から。つるの先端が見えている
電柱から、沿道の駐車場・シダレザクラ、そして旭川をまたいで、楢山登町側の岸にワイヤーが伸びている。ワイヤーの根元は、草に覆われていて確認できず。電柱から楢山登町の岸まで、(ワイヤーの長さでなく)距離にすれば50メートル程度あろう。


電柱からワイヤーが伸びて、近くの地面につながっていることはある。
「地支線」と呼ばれるもの(単に「支線」と呼ぶことも多そう)。関西電力送配電ホームページでは「電柱にかかる力のバランスを取り、電柱がたおれないようにするための設備。」と説明している。かかる力と角度や長さ等を計算して、設置するらしい。
地支線に人や車がぶつからないための黄色いカバーや、つる草を途中で止める黒い部材(つる巻き上り防止ガード、つる巻ストッパーなど)も見かける。

あちこちでたまに目にする地支線は、電柱から5メートルくらいの地面につながっているのが普通のはず。人や車が通る道路沿いでは、長すぎると迷惑だろうし。
川を渡って、しかもこんなに長いのは珍しいではないだろうか。こういう分野の愛好家サイトがありそうなものだが、見つけられなかった。
旭南の道路はカーブしていて、それに沿う電線も一直線でないから、電線によって引っ張られる力のかかり具合が特別で、こんなに長くする必要があったのだろうか。でも、同じような環境の隣の電柱は支線なしで自立しているようだけど。


次に巻き付いている植物。
3パーツで1組の大きな葉っぱと、夏に咲く赤い花、そしてどんどん伸びるツルが特徴的な、「クズ(葛)」。
クズの花(千秋公園で8月上旬撮影)。ほのかに甘い香り
葛粉とか葛根湯とか、最近は「葛の花由来イソフラボン」の健康食品とか、有用な植物のイメージもあるけれど、現状の実態の大部分は雑草。千秋トンネルの口の上からつるが数本垂れ下がったりもする。
元は自生していなかったアメリカでは、外来種として迷惑がられているとのこと。

ワイヤーの細さと比べて、クズのツルがかなり太く巻いているので、二重三重、それ以上に巻き付いているのだろうか。それでも足らず、川面に向かって垂れ下がってもいる。「のれん」のように。

その重量はどのくらいだろう。改めて写真を見ると、楢山登町側でワイヤーが少したわんでいるように見えなくもない。また、旭川が増水したら、垂れ下がったクズが水の流れに浸かり、それによってワイヤーに想定していない負荷がかかるおそれはないだろうか。あるいは強風が吹いても、風に当たる面積が増えるから同様に。下手したら、電柱が倒れたりしないか。

先日の大雨後も特に変化はない。ちなみにクズのツルのほうも目立った影響はなかったようで、枯れたり減ったりはしていない。
Googleマップストリートビューによれば、少なくとも2012年以降は巻き付いているから、この程度は問題ないのでしょう。

でも、つるガードが存在するのだから、東北電力(今は「東北電力ネットワーク」?)はそれを取り付けても良さそうなもの。クズの勢力だと、そんなもの意味ないか。でなければ、楢山登町側の岸を草刈りして、クズを元から枯らしてもいいのに。
やっぱり、大した影響はないから、からませ放題にしているのでしょう。
2022年は対岸目前のここが限度か?
だけど、過去のストリートビューを見比べると、年々、ワイヤーのより先(旭南側)のほうへツルの先端が近づいており、勢力が拡大しているように見える。草本だから、ツルは冬になると枯れて、春にイチから伸び始めるはずだけど。数年後には、電柱のてっぺんに到達したりして。
この後、冬の様子
コメント (4)
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