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あずさ25号

2022-11-09 20:29:38 | 旅行記
JR東日本パスの旅。秋田から新宿へ行って、13時00分発「あずさ25号」で長野県の岡谷へ向かう。
狩人の歌で認知度が高く、在来線特急が減った現在ではその代表的存在とも言える「あずさ」。
これまで3度(往復乗車も1度とカウント)乗っている。E351系(スーパーあずさ)とE257系。なお、あずさ/かいじから引退したE257系は「踊り子」に転用されていて、この旅行3日目で乗車する。
2016年は長野県側でE257系に少しだけ、ほかも片道だけといった乗車が多くて、新宿駅からあずさに乗ったのは、25年以上前に最初にあずさに乗った時の1回だけだった。狩人の「あずさ2号」の印象は強く、あずさといえば「新宿駅00分発」で、それを体感してこそあずさ乗車みたいな、思い入れ(?)があるにもかかわらず。
今回は、2017年に導入されたE353系電車に初乗車であり、2度目の新宿からの乗車となる。降りるのは途中の岡谷、帰りは甲府までと、また変則的な形だけど。

新型コロナの影響により、短い9両編成のあずさが増えたそうで、25号も9両(1~3号車なし)。先頭12号車を予約。
停止位置は12両編成と同じなので、12号車はホーム端ギリギリ。正面に表示器がないので、あずさ/かいじの判別はできない
E353系は、E6系こまちと同じく奥山清行氏が内装・外装ともデザイン。外観はE6系ほど奇抜ではないが、ちょっとした未来っぽさがあって、好き。
隣の11号車

英字の行き先表示は独特の書体。E653・E751系のとは微妙に違う?

普通車車内
普通車の車内は、明るくてさわやか。E257系ほどカジュアル感が強くなく、適度な落ち着きがある。
南アルプスと梓川の「きよらかさ」などをモチーフにした、水色の座席、LED間接照明の天井、それに壁がとても白いのが印象的。
おなじみ上下スライド枕も装備。枕カバーも水色でE353ロゴ入り
座席は、形状も座り心地も、E5系新幹線電車(過去の記事)のものによく似ている。E6系よりもクッションが硬いような薄いような感じだけど、座りやすい。
JR東日本の在来線特急車両は、デザインも座り心地、乗り心地も良好なものが多いと思っているが、E353系もそうだった。

今や標準装備になった充電用コンセント。E6系などでは窓際の壁に1つしかなかったが、E353系では、前の座席の下(網袋の下の金属部分)に2口設置。緑色LEDはないこともあって、初見だとこれがコンセントとは分かりづらいかも。
在来線特急らしい大きな窓
荷棚の下=頭上。
黒いものは、車やバスにもあるような、向きを調節できる空調吹き出し口。2つあるので1人に1つ。E257系にも付いていた。
緑や赤に点灯しているのは、座席の予約状況を示すLED。
列車が今走っている位置において、ランプの下の席が予約済みであれば緑、空席であれば赤、まもなく予約された区間に入る時はオレンジ色に点灯する(※)。ただし、乗車直前に予約が入った時は、赤からいきなり緑になる。
※上の新宿発車前の写真で、オレンジ色に点灯している席がある。1つ手前の停車駅時点でオレンジ色になるのかもしれない。
普通列車のグリーン車では、Suicaをタッチする部分があって、そのグリーン券情報に応じて点灯色が変わるが、これはタッチ不要。

あずさは全席指定席で、自由席もなければ、はやぶさ・こまちのような自由席相当額の特定特急券制度もない。
ただし、指定券と同額の「座席未指定券」なる特急券を買えば、空席に座ることができる。座席未指定券利用者は、赤ランプの席に座ればいいことになる。なお、今回のパスでも、指定を取らなれければ(無料4回分のうち1回、もしくは別途購入)乗車できない。
指定を受けて座っている者としても、次の駅で隣に人が来ないか気になり、来るのであれば荷物を片付けたりトイレを済ませたり準備しておきたいもの。このランプがあれば、心の準備ができ、精神衛生上よろしい。
こまちの特定特急券利用時には、どの席に座ればいいか迷うし、途中駅から指定券を持った人が来たら、互いに少々気まずくなる。新幹線にもランプがあってもいいのでは(なくてもいい装備だとも思うけど)。


13時ちょうど、ミュージックホーンを鳴らして発車。東京の電車が、発車時に警笛を鳴らすとは思わなかった。
この後は、一部のトンネルに入る時に、普通の笛を鳴らす程度。また、別のあずさが、長野県内の下諏訪駅通過時にミュージックホーンを鳴らしていた。

弁当を食べているうちに、立川に停車。次の八王子で、新宿から30分。
八王子を出てまもなく、神奈川県境の小仏トンネル(下りは新小仏トンネル)。トンネルを抜けると、それまでの都会の風景から一変して、急に「山に囲まれた田舎」みたいな風景になって、それが続く。
東京近郊の中央本線の車窓を眺めるのは、初めて同然。東京から東海道本線や東北本線で移動する時とは違う、“激変”なので驚いた。

霧雨が降り、しっとりとした車窓が続く。
やや減速して通過した小さな駅の駅名標が読み取れた。「四方津(しおつ)」。
急に思い出した。
通っていた幼稚園で、希望者に販売する月刊誌があった。「サンチャイルド」ブランドだった気がするが、今も「チャイルドブック」として続いているようだ。毎号1つのテーマについて、フルカラーで説明してくれるような本(自然科学・社会科学のシリーズだったかも)。その中でお気に入りだったのが、庭に来る鳥類の号と、国鉄のとある駅の日常をルポルタージュした「ちいさなえき」というタイトルの号だった。
山あいに位置し、クリーム色と青の普通電車が停車し、トンネルを抜けて183系「あずさ」が通過する写真が載っていた。
幼児向けにはどこの駅かの言及はなかった(駅名標の写真はあったはず)が、保管しておいて小学生になってから、保護者向け解説文に、取材先が中央本線四方津駅である旨の記載を見付けて知った。
子会社委託ながら今も駅員はいて、今年6月に駅舎が新しくなったとのこと。

椅子の座り心地だけでなく、列車の乗り心地も良好。速度は速いのに、揺れは少なく快適。
E351系スーパーあずさは、カーブを高速で走行できる振り子式車両だった。車体が大きく傾き、人によっては乗り心地が悪く感じる。
E353系は、振り子より簡易な、空気ばね式車体傾斜装置で対応。E6系同様、揺れを減らすアクティブサスペンションも搭載。

鳥沢→猿橋間、川は桂川
猿橋駅の次、ちょっと大きい駅を通過したと思ったら、三遊亭小遊三師匠でおなじみの大月駅。それなりの規模の町だが、やはり山あい。
この辺りで新宿を出て約1時間。
勝沼ぶどう郷→塩山間。手前はブドウ畑?
左側が開けて、甲府盆地へ。
八王子を出てノンストップで55分、甲府着。いくらか下車して、それより多い人が乗ってきた。
韮崎に停まって、再び山間部。人家は少なくなって「田舎」ではなくほんとうの「山」っぽい景色。右には八ヶ岳が見える。

甲府から先では、天候によっては車窓に富士山が見える。この時は見えなかったが、翌日の乗車時には見られたので、その時の記事にて。
小淵沢に停まった後、いよいよ長野県。諏訪湖沿岸の茅野(ちの)、上諏訪、(下諏訪はこのあずさは通過)、岡谷とこまめに停車。下車していく人もちらほら。
宿泊する上諏訪では降りず、よそを少し観光しておこうと、岡谷まで乗車。

9月に乗った東北・山形・秋田新幹線では、英語の自動放送冒頭の「Ladies and Gentlemen」を言わなくなっていたが、あずさではまだ言っていた。最後の「Thank you」も。
しゃべる人は同じでも、列車ごとに搭載する音声データは違うから、一斉に変えたわけでもないのか。

秋田を出て7時間8分、15時19分岡谷着。居眠りもせず、退屈もせず、快適で楽しい移動だった。
初めて降り立つ岡谷。
自由通路から上りあずさ。左は飯田線のJR東海213系電車
【10日補足・E353系の前照灯について。この記事の新宿駅と岡谷駅↑の写真では、左右とも上寄りに3灯ずつ点灯している。これはロービーム。ハイビーム時には、下にさらに2灯が点灯する。】
天気予報を見て、到着時には雨は上がっているはずと、傘は持たずに来たのだが、まだ霧雨。ウインドブレーカーのフードをかぶって、最初の目的地へ。
そこは、岡谷駅徒歩圏内にある「大河の始まり」。続く。

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3 コメント

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こんなところにベッドタウン (あんなか)
2022-11-16 00:15:36
特急あずさの車窓は良いですよね。
Yutubeの車窓動画でも特急あずさはついつい見てしまいます。
やっぱり車窓が八王子から先で激変するからでしょうね。
山梨県に入って数駅、四方津(しおつ)駅という山間の駅があるのですが
この駅から山の上に行くエスカレーターや斜行エレベーターが目に入って非常に奇異に感じます。
実はこの上にコモアしおつという巨大ニュータウンがあるんです。
住民の殆どが都内に通勤している世帯らしいんですが此処から新宿駅まで1時間20分以上はかかるという。
高崎や宇都宮から都内まで通勤する人は居るのでそんなに驚くことは無いのでしょうが
周りの環境が凄すぎます。
此処ディープ関東旅行として結構お勧めポイントです。
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ごめんなさい (あんなか)
2022-11-16 00:26:12
記事内で四方津駅が出てきましたね。
うっかり読み飛ばすというか・・識字障害の特性でしょうか。
どうもごめんなさい。
コモアしおつは本当に行ってみると凄いですよ。
空中ニュータウンという感じで。
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コモアしおつ (taic02)
2022-11-17 19:04:49
ダラダラと書き綴っていますので、読み飛ばしてください。
あんなかさんにとっても、四方津は印象にある駅だとは奇遇です。
秋田市の桜ガ丘を見た時、これがニュータウンかといろいろ思ったものですが、コモアしおつはそんなもんじゃないようですね。いっそ、甲府に住んで特急で通ったほうがいいのでは…などと思ってしまいますが。
中央線快速でのグリーン車営業がいずれ始まるので、四方津駅からの通勤はいくらか楽になるかもしれません。
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