広く浅く

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市“広報”が変わった?!

2020-05-02 23:20:43 | 秋田のいろいろ
今年4月から、秋田市の広報が変わった。
変わったというのは、広報の組織とか方針とかそういうことじゃなくて。

秋田市役所が秋田市内全世帯に配布する「広報あきた」。
市役所からのお知らせ的印刷配布物のタイトルは、全国的に「○○市政だより」「○○市報」と呼ぶ自治体も少なくないようだが、「広報○○」も多数。自治体はひらがなにするところも多い。青森県3大都市は「広報あおもり」「広報ひろさき」「広報はちのへ」。広島県安芸高田市は「広報あきたかた」で、Googleで「広報あきた」を検索すると、結果にまぎれこむことがある。秋田県北秋田市も「広報きたあきた」、高知県安芸市も「広報あき」。
よそから引っ越してきた人にとっては、「広報+ひらがな自治体名」では、市の広報ということが伝わりづらい可能性もある。堅苦しいが市政や市報の名が入ったほうが、それらしくていいような気もする。
京都市は「きょうと市民しんぶん」だそうで、なんかフリーペーパーとかミニコミ紙のような名前。

秋田市ホームページより。最近のタイトル面一覧
上の画像で上2つが今年度、下が2019年度のもの。ちょっと小さいけれど、年度替わりに変化している。

変わったのは「広報あきた」のタイトルの一部分。
上が昨年度まで、下が今年度
「広報」の文字のデザイン、大きさ、書体が変わった。「あきた」は変わらず。

昔の広報あきたは、タブロイド判、青インクの1色刷り縦書きだった。
かつては秋田市役所サイト内で、創刊号からすべてのバックナンバーの閲覧と検索ができたのだが、「lg.jp」ドメイン移行と前後して、検索と2000年より前の閲覧ができなくなってしまった。市に問い合わせたり図書館では見られるかと思うが、気軽に見られなくなったのは惜しい。ただ、昔の広報には個人情報がてんこ盛りだったから、配慮が必要(かつ修正等は至難の業)なのも分からなくはない。

現在、市のホームページに掲載されているものは、2000年4月・1479号以降。それらは青1色タブロイド判でない、A4判、表紙・裏表紙フルカラー、中面は2色刷り、右開きの縦書きの作りだが、中身は横書きも多用。
※現在見られるバックナンバーの一部は、lg.jp化以前のドメインに残っていたり、PDFファイルのリンクが分かりづらいページもあったりするが、美術館収蔵品の写真などごく一部を除けば、すべてを見ることは可能。

青1色時代は「広報あきた」のロゴ全体が別デザインだったが、2000年度以降はずっと同じロゴが2019年度まで続いていた。
ただ、毎号、その掲載位置と色が違う。位置は写真との兼ね合い。色はざっと見ると赤色系統が多いが、それ以外もバリエーションは多く、特に決まってはいなそう。
これまでの「広報」は小さくて、色や写真との組み合わせによっては、目立たなかった。

今年度変わった「広報」はとても存在感がある。広報であることは分かりやすくなったかもしれないが、「秋田市」の広報であることは書いてない。知らない人は秋田県とか、その他組織の広報だと思ってしまうおそれはまだ残る。


新しい「広報」は、存在感は別として、「あきた」と対極にある角張った今風のフォント。「あきた」との組み合わせでなく、単体で見ても個人的には好きじゃない。どういうフォントか?
実は現在の広報あきたの紙面本文は、フォントワークス製のフォントが使われている。明朝体はセザンヌ【10月29日訂正・セザンヌは角ゴシックでした】マティス、角ゴシック体はロダン、丸ゴシック体はスーラ(このメーカーのフォント名は分かりづらい…)。
それを手がかりに調べたら、すぐに判明。やはりフォントワークス製。
フォントワークスホームページにテスト入力
「カラット UB」というフォント。UBの1種類のみで太さ(ウエイト)違いはなし。
「メカニカルやエレクトリックな雰囲気を表現します。」と説明されているけれど、「広報」そして「広報あきた」にふさわしいのか…
【9月2日追記】余談だが、カラットは、工藤パン「イギリストースト」のロゴに似ている。イギリストーストのほうが先にできただろうし、細部は異なるが。


4月発行の2回は、「あきた」がピンクや赤なのに対し、「広報」が黒い文字で、そのことも違和感につながっていた。これまでは、「広報(の地色)」と「あきた」は常に同じ色だったから、色指定を間違えたかとさえ思った。
5月1日号では、再び同じ色に戻った。
「あきた」は白抜き
いくぶん違和感は和らいだものの、やっぱりなんか…


ついでに、この20年の広報をさかのぼっていたら、いくつかの変遷があったことを知った。
まずは本文のフォント。上記の通り、現在はフォントワークス製だが、前はそうでなかった。※PDF版で確認した限りなので、実際の印刷物では違った可能性があるかもしれません。
青1色刷りだった頃の末期は、モトヤの明朝体だったはず。

2000年4月ではアドビ「小塚明朝」「小塚ゴシック」。看板や印刷物や魁「中学自習室」などでよく見るフォントだけど、個人的には嫌い。丸ゴシックは使っていなかったようだ。

2001年4月からはゴシックはそのまま、明朝体が変更。
おなじみ(?)「MS 明朝」。PDFファイルでは、縦書きの行内で文字が左右にガタガタに表示されてしまう。
MS明朝は、リョービイマジクス(現在はモリサワが発売)の「本明朝-L(標準がな)」を、リコーが手直ししたフォントだそう。両者でひらがなのデザインなどが微妙に異なり、特に「ま」で区別しやすく、そこから判断。

MS明朝は2003年5月9日号まで。5月13日号からは再び小塚明朝に。
小塚明朝・小塚ゴシックは2008年7月18日号まで。8月1日号からフォントワークスになって現在に至る。


もう1つは、表紙のタイトル付近や紙面上部にフレーズが添えられていた時期があった。
2000年4月から2004年6月25日までは、「広報」の横にその英語「Public Relations」と、上段に「北のまちで心にふれる」。
2004年7月9日以降は「Public Relations」のみ。

2004年10月8日からは「Public Relations」がなくなり、ほぼ同じ位置に「市民の生活情報誌」。
渋い色使い
【3日追記】上の画像では「市民の生活情報誌」が、縦画が太い、特殊なデザインの書体のように見える。他の号を見ると、一般的な太めの角ゴシック体に、影をつけているようだ。その中で、上の写真のようなものもたまに見受けられる。おそらく、文字本体と影を同じ色で指定してしまい、その結果一部の線が太く見えているようだ。【4日訂正】コメントで教えていただいた。上の画像の「市民の生活情報誌」は、フォントワークスの「ロウディ EB」というフォント。角ゴシック体「ロダン」をベースに右方向に伸ばしたのがロウディ EB。なお、同じ年度内でも号によっては、「市民の生活情報誌」がそのロダンになっている。

「市民の生活情報誌」は覚えている、というか引っかかっていた。
実は当ブログ過去記事で、「広報あきた」の説明をどう表記するか、これが原因で迷っているのだった。個人的には「広報あきた」を「秋田市の広報誌」と説明するのは躊躇する。「秋田市の広報紙」だと思うから。誌か紙かの問題。

「生活情報誌」だから発行元の秋田市としては「誌」で、「広報誌」ということなんだろう。
秋田市のサイトでは、タイトルが書かれた面を「1面」でなく「表紙」と表記していることからも、秋田市としては「誌」扱いしているのがうかがえる。

青1色の時代は明らかに「広報“紙”」であったが、現行のこのスタイルを「広報“誌”」と呼んでいいのか。
もっとページが多いとか、ホチキスや糊でバラけないように留められているのなら「誌」で問題ないだろうけど、小ぎれいで若干ページが多いものの「紙」のようにも思う。
それならば、ページは少ないが同じスタイルの「あきた市議会だより」も、「誌」になるのか。また、同様の(ただし左開き)県の広報「あきたびじょん」は、秋田県のサイトには「全戸配布広報紙「あきたびじょん」」とあるので、県庁としては「紙」扱いしている。
あと、基本的には「市政情報」が掲載されているものを、「生活情報」と言い換えてしまっているのも、少々引っかかっていた。生活情報誌ってのは「オレンジページ」や「ESSE」のようなものを指すのじゃないでしょうか。

「市民の生活情報誌」は約15年続いたが、2019年3月15日が最後。
2019年4月からは、「新年度スタート!」「夏イベントまっさかり!」など時期に応じたキャッチコピーをロゴ周囲に表示するようになったかに思えたが、わりと早期にフェードアウトしてしまう。
2019年度中盤以降、現在は、何も添えないことになっているようだ。


最後に、秋田市ホームページにも「広報あきた」のロゴが出ている。
ホームページより
現行とは違うし、青1色時代とも違うような。

秋田市民としては紙面の内容には目を通しておくべき広報あきただけど、これからはタイトルも要注目?!
【15日追記】この後、新型コロナウイルス関連の秋田市の対策をまとめた、A4裏表1枚、黒・ピンクの2色刷り「臨時号【保存版】広報あきた」が配布された。それも書体は同じで「あきた」が濃いピンク、「広報」が黒。これはこれで目立っていいかもしれない。
定期の15日号は、新緑にちなんで緑色ベースの表紙で、「あきた」も「広報」も緑。

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6 コメント

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Unknown (Unknown)
2020-05-04 17:01:06
「市民の生活情報誌」の部分はFWの「ロウディ EB」というフォントです。
https://lets-site.jp/fontsearch/item?RowdyStd-EB&word=%E5%B8%82%E6%B0%91%E3%81%AE%E7%94%9F%E6%B4%BB%E6%83%85%E5%A0%B1%E8%AA%8C
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ロウディ EB (taic02)
2020-05-04 20:17:37
ありがとうございます。
まさかこれもフォントワークスの商品だったとは…
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静岡気分 (7aoi)
2020-05-09 07:32:50
静岡市の広報紙は愛称が付けられていて,旧清水市と合併前は「アイラブしずおか」,合併後は「静岡気分」です.
合併前の「アイラブしずおか」の愛称は,80年代から使われていましたが,これは公募等ではなく市職員の提案だそうです.
ネーミングの良し悪しや市民への定着性には多少問題があるかもしれませんが,市民から「石橋をたたいても渡らない」と揶揄されるような静岡市の市政に対するイメージに対し,なんらかのインパクトを与えたかったのでしょう.
なお,全国的は縦書きの広報紙が多いなかで静岡市は昔から横書きです.
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合併 (taic02)
2020-05-10 00:52:28
アイラブニューヨークに着想を得たのかもしれませんが、特に当時は斬新だったことでしょう。
秋田市は2005年に2町と合併しましたが、実質吸収合併だっただけに、広報紙は特に変化なかったです。静岡市の清水市との合併は大規模で、政令指定都市化もあって、心機一転改めたのでしょうか。
横書きも増えた現在、縦書きにこだわる必要もなさそうです。秋田市は、右から開くものの、ページ内で完結する横書きの記事も多く、考えてみれば少々不自然な作りかもしれません。
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変わったと言えば…トヨタも (編地 耕部、)
2020-05-13 22:35:06
今年度より広報あきたが変わったのは、記録に新しいが、変わったのはもう一つあります。
それは、今年度からトヨタ自動車では、全販売会社でフルラインナップを全部取り扱うと言うスタイルに変わっていました。
昨日もテレビでネッツのCMを観ていたら、何故か今までのネッツでは観た事がなかった車種のNOAHやALPHARDのマークが出ていたので、観ていた途端に一瞬だけ驚きました。
あの天下のトヨタも、遂に全店で全車種取り扱いにシフトされたのでしょうが、その内、秋田県内のトヨタのお店の名称も、ひとつに統一(例としてとある地方ではトヨタモビリティに改称されている所もある)されるのではないかと見ましたが、さて、どうなるんでしょうかね。

後、同じくトヨタ関連ですが、4月19日17時45分過ぎに車で近くを通りかかった際に、追分に入る前の下新城中野にあった秋田トヨペット秋田北店が3月末で閉店されて、トヨペット跡より斜め向かいにあったカローラ秋田追分店に統合される形で、移転されていた上、看板も新世代のTOYOTA仕様に変わっていました。

長文、すみませんでした。
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トヨタ統一 (taic02)
2020-05-14 01:06:27
昔はもっと細分化されていた気もしますが、客としては同じトヨタブランドなのに、店によって買えるものが違うというのは、選択肢というかサービスとしては、なんだかなという感じでした。
地方では、販売店の運営会社が違うこともあり、縄張り争いみたいなものあったと思いますが、今後はどうなるのでしょう。

コピー機では富士ゼロックスが、ゼロックスとの提携を解消して、社名変更するという話もあります。
秋田では辻兵系列の秋田ゼロックスというのもありますが、それがどうなるか。
世の中いろいろ変わっていきそうです。
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