麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

桟敷童子『博多湾岸台風小僧』

2005年07月16日 | 鑑賞
  *本日午前の当ブログ『戦後六十年』でのキーワード
   「会場選定」を受けて、本日2発目ですが…
   それほど深いつながりはないです。

         ※     ※

ザ・スズナリで、今や若手アングラ芝居の先頭を
ひた走る「桟敷童子」を観る。

劇場初進出!で、スズナリ・・・
小劇場スゴロク的にはかなり格好いい
2枚看板の板垣桃子、池下重大は、ともにtptなど
外部出演でも脚光を浴び、新聞雑誌等の露出も増えてきた!

そんな「桟敷童子」の第12回公演
『博多湾岸台風小僧』(7/9土~18祝まで)
・・・いやあ、洗練されてきたナ!!

今回も得意の“貧民窟モノ”で、
かつ“対資本(権力)”の構造も出てくるが、
自信なのか勢いなのか、年齢を重ねたからか、
とにかく洗練された印象を受けた。
どこがどーって具体的には言えない。
汚い衣裳に絶叫台詞、群唱・・・など
スタイルは全然変わっていない。
でも一皮むけた感があった。

「倉庫に始まり、ビルの屋上、廃映画館など
上演会場にこだわってきて、今回初の劇場進出!」
とプレスなどで大いに宣伝しているけれど、
廃映画館といっても、演劇公演によく使われる
「中野ひかり座」だし、果たしてスズナリが厳密な意味で
「劇場初」かは疑問だったりもするが・・・。

そんなことより、劇場という限られた空間が、
少々窮屈な服を着たみたいに、
動きがしゃっちょこばったものにしたのかな?
と思わないでもない。
ひかり座より、ロサ会館屋上やすみだパークの
特設テントの方が面白かった記憶のせいか?

売りの「舞台美術」の仕掛けは、今回も二段重ね。
一発目は、きっと多くの人を満足させたと思うが、
二発目が、ちとモノ足りなかった。
このへんも劇場構造がネックになったか?

あ、あと。今回は良い意味で
バランスのいい群衆劇になっていて、
「板垣歌舞伎」※の出番が少なかったことも
僕が「洗練」……ここまで書き進めて思うのは、
読者の皆様に、単純に今回はおとなしい作品だったって
印象を与えかねないゾってことだ。
間違ってはいないが、それとは少し違う。

違うけれど、冒頭の「会場選定」で云えば、
ぶっちゃけ桟敷童子に、劇場は似合わないって思うのは本当。

で、次回公演は特設テント
きっと、もっと激しいモノが見られるって、期待大。
(ただそれを僕個人が好きかは別問題なんだけどサ)

とにかく、小屋は満パン! ブチブチ云いましたが勢いあります。
年齢層も広い
若かりし頃「アングラ黄金時代」を知る
   今50代のお客様の顔も多くあった。

単純にバイト先の上司とか、親類縁者かもわからないが、
普通の小劇場より明らかに、良い意味で異質の
客席だったことは間違いない!

まだまだ疾走は続きそうだ。


※板垣歌舞伎=特別演劇界で通ってる言葉じゃない。が、
       長台詞に歌に見栄……ヒロイン板垣のケ
       レンは桟敷童子の魅力の一つ。
今回はそれが少なかったです。



コメント (2)
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戦後六十年

2005年07月16日 | 身辺雑記
この夏に紀伊國屋ホールで上演する
青年座『明日』、関西芸術座『少年H』と、
弊団『月光の夏』・・・戦争を描いた三作品合同公演の
トータルタイトルが「六十年目の夏」

青空に舞う鳥と勇壮な雲をあしらった宣伝デザインも好評
おかげさまで、チケット予約も続々といただいております。
興味のある方、少しお急ぎください。

戦後六十年目の今年、弊団ばかりでなく、
本当に沢山の作品が上演上映出版展示等されるわけですが、
朗読劇『月光の夏』は、“観て良かった、選んで良かった”
と思っていただける作品だとの自信があります。
           
昨日・・・敵情視察というわけではないけれど、
相模原で上映された映画『父と暮せば』を観ました。
遅ればせながら、井上ひさしの傑作戯曲を脚色した、
宮沢りえ主演、全編広島弁で、
他の主要人物は父=原田芳雄、木下青年=浅野忠信の
たった三人での約100分・・・

演劇版『父と暮せば』は、さらに少なく父と娘、
二人だけの舞台でロングランを続けていますが……、
自分が演劇人のせいかもしれませんが
舞台の方が数段優れていました!

いえいえ、そーゆー話を今日はしたかったのではないのです。
公共ホールで行われたその上映会は、
残念ながら、構造が映画に適してなく、
台詞がグワングワン回ってしまい・・・
例えば「おとったん」が→おとったんおとったんたんたん、
ってなってしまい、それはそれは大変聞きづらいのでした。

主催はNPOの女性団体で、
恐らくそのようなことは解らないだろうから、
はたしてホールが、ちゃんと説明したのかな?と。
あるいは説明されても、かなりの人数集めていましたから、
背に腹はかえられず、大ホールでの上映に
踏み切ったのかも・・・。

まあ、いくら考えても詮無いことで。
決して文句を言いたいのでもない。
ただ「会場選定」は大事だ!とゆー、
至極当たり前の話をしたかったのです。

選定がらみの話を……今日はもう一題、
午後に書こうと思います。







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