麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

血と骨~かんげきの章

2019年04月15日 | 鑑賞
4月13日(土)マチネの『血と骨』観劇。
崔洋一監督、ビートたけし主演で
2004年封切られ話題になった映画を
連想する人が多いことだろう……。
1998年、小説として世に出て、
同年の山本周五郎受賞に輝いた
梁石日の作品を舞台化し昨日千秋楽。



そのパンフレットに企画者が
「私の琴線に最も強く触れた部分を、
(中略)表現してみたかった…」と。
原作は長編ゆえ場面を絞って描くのか
と予想したのだが、それは覆された。
勿論、登場人物を整理して
家族に強くフォーカスされていたが!

主人公・俊平は「巨漢」である。
映画は「狂気」に主眼があったが、
舞台ではその点も明確になっていた。
一方、子役を使わずに一人の役者が
……例えば、長男の成漢はこどもから
三十路のタクシー運転手までを担うが、
十二分に「成長」が見てとれた。
芝居の魔法!! 他の役者も同様だ。

で。
この長男に作者が投影されている。
wikipediaの略歴をさらにまとめると
・・・大阪市猪飼野生まれ。
済州島から大阪に移住してきた両親は
戦後、蒲鉾製造で成功するも、
父はほどなく愛人を作り、出奔。
靴屋や鉄屑屋、洋服店勤めなどの後、
父から借金をして立ち上げた事業に失敗。
仙台へ逃げ、そきでも借金を増やし上京。
タクシー運転手となる。そんな折、
病床の父から家業を託されるも固辞。
父は北朝鮮に渡り、病死・・・
とあるが、ほぼこのストーリーだった。



タイトル通り、まさに血と骨に
ズシンと響く一編でした。


【上演データ】

原作/梁石日、脚本/江原吉博
演出/小笠原響

出演
金子由之(劇団昴)、名越志保(文学座)、
筑波竜一(温泉ドラゴン)、須藤沙耶(Pカンパニー)、
山口雅義、戸谷昌弘、勝平ともこ、
小松弾(以上フリー)
翁長諭、光木麻美、柴田義之(以上劇団1980)
川﨑初夏(トラッシュマスターズ)
七味まゆ味(柿喰う客・七味の一味)

美術/阿部一郎、照明/阿部康子、
衣裳/原田夏おる、音響/井出比呂之、
舞台監督/赤坂有紀子、宣伝美術/村井夕
企画制作/江原吉博/

制作協力
トム・プロジェクト(森康次)、
森正敏(青年座)、白田聡(文学座)、
柴田義之(劇団1980)、塩田友克、
菅野佐知子(劇団チョコレートケーキ)
コメント
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