麒麟琳記〜敏腕Pの日々のつぶやき改題

還暦手前の身の回りのこまごま。
スポーツや映画演劇など。

アンゼルム

2024年12月06日 | 鑑賞

御年79歳のAnselm Kieferは

ドイツのドナウエッシンゲンに

第二次大戦終戦の年に生まれた。

 

欧州各地でナチス式敬礼を自身がする

一連の写真作品『占領』、

顔のない白いドレスによる女性像の立体

『フランスの女王たち』等で知られ、

日本には油彩『アタノール』が

高知県立美術館に、

ミクストメディア『シベリアの王女』が

名古屋市美術館に所蔵されている。

 

そんな鬼才のドキュメンタリー映画が

『アンゼルム一“傷ついた世界”の芸術家』。

監督を務めたヴィム・ヴェンダースも

同じ1945年ドイツ生まれだ。

 

キーファー本人のほか、彼の青年期を

実息のダニエル・キーファーが、

幼少期をヴェンダース監督の孫甥にあたる

アントンが務めている点も興味深い作品。

 

さて、巨大なアートが多いキーファーだが、

スクリーンの中では、はじめ実感がない。

カメラが引いて、まるで工場のような

アトリエ内を自転車でゆっくりと廻る

アンゼルム。静かだが強い衝撃を受ける。

 

また、若い頃の彼と今の彼にも

決して小さくはない隔たりがあり、

驚くのだけれど。

 

ただ。メガネカマキリと呼ばれ、

細い体躯に長髪の若きさだまさしと

随分貫禄が出た今のまっさんを

同一人物と判じられるのは

古くからのファンだろう。

 

容姿の変容はキーファーに限らない。

その対象として、唐突に

長崎出身のシンガーソングライターを

置いたのは、映画の中でキーファーが

鉄線を渡る場面があったから。 

 

バランスポールを持って歩く姿が

『翔べ、イカロスの翼』でさだが

サーカスのピエロを演じて、

やはりバランスポールを握り

綱渡りをするシーンと重なった。

 

或いは、さだが製作・主演の

ドキュメンタリー映画『長江』も

本作同様に壮大なスケールだった。

 

 

二つの映画の一場面や、

アンゼルム・キーファーの作品を

載せることは著作権的に難しいので

映画館の最寄駅の壁画を

 


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