14日に紹介した「焚火」は平成4年に650部の限定版として出版されました。その出版に事務局担当として関わったのが登山家の高見和成です。
高見和成と言えば高名な登山家ですが、冬の大山北壁で遭難死しています。彼は私たちの仲間的な存在ですが、登山の面では月とスッポン以上の差があり、存命中一度も山行きに誘われたこともありません。またタカ長のほうから誘ったこともありません。
しかし、彼が行っていた「自称文化人もどき」の活動にはタカ長も協力したことがあり、その縁で「焚火」の出版にも微力ながら協力しました。
昭和48年10月、61歳で病没した加藤武三は多くの絵と詩を残していました。山が縁でその遺作を目にした高見が感激、それを出版することを思いつきました。しかし、出版してくれる会社は見つかりませんでした。
そのため高見は自費出版を決意します。
予算200万円で普通のかたちの本として出版することを企画、加藤や高見の山友だちに協力を求めて歩きました。その結果600万円以上の資金が集まりました。
予算が集まると色々な夢がふくらみ、豪華本として出版されることになります。
製本は広島山稜会の桑原会長に教わったフランス綴じを採用することになりました。
ご存知の人も多いと思いますが、フランス綴じではそれぞれのページが袋とじになっています。読者はペーパーナイフで袋の部分を切り、その中を読むことになります。
出来上がった箱入りの本です。
左の白い本が「続焚火」です。表紙に何も書かれていないのは、そこに読者が、世界に一つしかないデザインを工夫するために。あえて白紙になっているのです。
タカ長は絵心など無いので、何も手を加えないままになっています。
ペーパーナイフは高見のゲレンデであった三倉岳に近いところで採った竹を、家具職人の姫島正和、緑夫妻が作成されました。本が届いたときは青竹の状態で、少し乾いてから使用するよう注意書きがありました。
ペーパーナイフを入れる袋は重要無形文化財石州半紙伝統工芸士久保田保一先生よりご寄贈いただいたものです。
焼印は中国地方唯一の製作者堂正明氏によるものです。
写真には写っていませんが、それらの本を縛る紐は高見がチベットから持ち帰った大黄を草木染作家、青木笛美・貞永孝幸両氏が染め上げたものです。
と言うように、細部にわたって色々な工夫がされている豪華本です。すべてに凝り性だった高見の性格が色濃く反映されています。
タカ長が持っているのは650部限定版の402番です。
その「続焚火」に、14日に紹介した「内黒峠」もあります。
文字はすべて竹ペンで書かれたものです。
これらの作品はタカ長にとっては「雲の上」の人の作品なので、タカ長ごときはコメントすることは出来ません。
多くの人に読んで頂きたい作品ですが、部数は限定されています。しかし、各県の県立図書館などには寄贈されているので、この作品に触れるチャンスはゼロではありません。
ある程度困難が伴うことですが、広島人としては是非一度ご覧いただきたいと思います。
この署名「焚火」ですが、加藤と交流のあった人から「ほだび」と読んでいた、と高見の挨拶文に書かれています。
そうですね。タカ長も「たきび」ではなく「ほだび」と読むほうがいいように思われます
昭和25年に発表された作品です。
近年ブナの重要性が見直されていますが、加藤武三は古くからブナに深い愛情を注いでいたのですね。
高見和成と言えば高名な登山家ですが、冬の大山北壁で遭難死しています。彼は私たちの仲間的な存在ですが、登山の面では月とスッポン以上の差があり、存命中一度も山行きに誘われたこともありません。またタカ長のほうから誘ったこともありません。
しかし、彼が行っていた「自称文化人もどき」の活動にはタカ長も協力したことがあり、その縁で「焚火」の出版にも微力ながら協力しました。
昭和48年10月、61歳で病没した加藤武三は多くの絵と詩を残していました。山が縁でその遺作を目にした高見が感激、それを出版することを思いつきました。しかし、出版してくれる会社は見つかりませんでした。
そのため高見は自費出版を決意します。
予算200万円で普通のかたちの本として出版することを企画、加藤や高見の山友だちに協力を求めて歩きました。その結果600万円以上の資金が集まりました。
予算が集まると色々な夢がふくらみ、豪華本として出版されることになります。
製本は広島山稜会の桑原会長に教わったフランス綴じを採用することになりました。
ご存知の人も多いと思いますが、フランス綴じではそれぞれのページが袋とじになっています。読者はペーパーナイフで袋の部分を切り、その中を読むことになります。
出来上がった箱入りの本です。
左の白い本が「続焚火」です。表紙に何も書かれていないのは、そこに読者が、世界に一つしかないデザインを工夫するために。あえて白紙になっているのです。
タカ長は絵心など無いので、何も手を加えないままになっています。
ペーパーナイフは高見のゲレンデであった三倉岳に近いところで採った竹を、家具職人の姫島正和、緑夫妻が作成されました。本が届いたときは青竹の状態で、少し乾いてから使用するよう注意書きがありました。
ペーパーナイフを入れる袋は重要無形文化財石州半紙伝統工芸士久保田保一先生よりご寄贈いただいたものです。
焼印は中国地方唯一の製作者堂正明氏によるものです。
写真には写っていませんが、それらの本を縛る紐は高見がチベットから持ち帰った大黄を草木染作家、青木笛美・貞永孝幸両氏が染め上げたものです。
と言うように、細部にわたって色々な工夫がされている豪華本です。すべてに凝り性だった高見の性格が色濃く反映されています。
タカ長が持っているのは650部限定版の402番です。
その「続焚火」に、14日に紹介した「内黒峠」もあります。
文字はすべて竹ペンで書かれたものです。
これらの作品はタカ長にとっては「雲の上」の人の作品なので、タカ長ごときはコメントすることは出来ません。
多くの人に読んで頂きたい作品ですが、部数は限定されています。しかし、各県の県立図書館などには寄贈されているので、この作品に触れるチャンスはゼロではありません。
ある程度困難が伴うことですが、広島人としては是非一度ご覧いただきたいと思います。
この署名「焚火」ですが、加藤と交流のあった人から「ほだび」と読んでいた、と高見の挨拶文に書かれています。
そうですね。タカ長も「たきび」ではなく「ほだび」と読むほうがいいように思われます
昭和25年に発表された作品です。
近年ブナの重要性が見直されていますが、加藤武三は古くからブナに深い愛情を注いでいたのですね。