サラ・ペイリン。
この人が登場して舞台は賑やかになり面白くなった。
ABCテレビとのインタビューで、サラは言った、「オバマがヒラリーを副大統領候補にしなかったことを後悔していると思う」。
こういう言い方をするのは、人の心に土足で入りこむ田舎者のアメリカ人タイプ。
サラは、ヒラリーの度胸、気品を称賛した上で、「彼女のオバマに対するタフな攻撃は、効果的だった」 と分析したのは、自分にない「気品」 を言いながら、自分の特徴であるタフな攻撃を誇示したものだ。サラにとってタフな攻撃とは、理屈をつけながら相手の傷に塩を揉んでいくような手口だ。
一方、子供5人を持って副大統領が務まるのか、という質問には、「もちろん務まる。私は性差別など問題にならない環境で育った。質問は不適切だ」 とヒステリーを見せた。 何も怒ることはない。 子供5人を産んだということは、パワーと情熱を感じさせて称賛の対象だが、「その質問は不適切だ」と逆切れするということは、何か痛い所を突かれたのだろう。
そして、サラはインタビューの中でミスをした。7年前の同時多発テロが契機となって、テロ組織への先制攻撃を辞さないとするブッシュに同意するか、という質問には、「ブッシュの理念?」と逆に聞き返したのは、政治常識を知らないということだと、ワシントンの人々は笑う。
さて、考えてみればジョン・マケインは72歳だ。 バラクーダ・サラに食われてしまうのか。 そしてオバマの逆襲は?
アメリカでは、手を加えても変わらないことを、「ブタに口紅」と言うが、この大統領選演劇の題名は、「バラクーダに口紅」と決まった。
★
死刑囚3人、11日早朝、死刑が執行した。
保岡法務大臣が就任して以来初めて。
一人は、神戸で2004年いとこ夫婦を刺殺、強盗殺人。
別の一人は、1987~88年にかけて、仮出所中に大阪で女子短大生を刺殺するなど、若い女性3人を次々と襲った強盗殺人。
最後の一人は、1994年、栃木県で牧場経営者夫婦を殺害、金品を奪った強盗殺人。
遅過ぎるくらいの死刑執行だ。
残り、死刑囚が100人だ。 100人を超えると死刑を執行するという法律でもあるのか。 100人同時というのも大変だから、毎日5人ずつやれば、20日で終わるが。
★
ギリシャ。
日本人の元バチカン大使が死体偽装を行なった事件。
アテネ郊外エビア島に住む日本人元バチカン大使外の自宅豪邸で、娘(36)が変死体で発見された。
娘は、谷田まさみ・元バチカン大使の二女、美名・アンフィセア。顔はヨーロッパ系の美人。 谷田さんのギリシャ人の妻マリアと美名は日頃から仲が悪く、妻マリアから殺害された。美名にとってマリアは本当の母かどうかは不明。
手口は、マリアがベッドで寝ている美名を、枕を使って窒息死させ、自殺に見せる為に、美名の左手をナイフで切った。 マリアが美名を殺害後、部屋に呼ばれた谷田は、娘の死に驚いたが、妻マリアに指示され、血にまみれた美名の体を洗い、シーツに包んだという。
谷田は、痩せて小柄で、メガネをかけた気弱そうな雰囲気の老人だ。
地元では「お城」 と言われ、2億円の豪邸に住み大型犬を10頭以上飼っており、ギリシャ警察が家に入るのに、麻酔銃で眠らせたほどだったという。
ギリシャ・カトリックは人を殺すなかれ、と教えるのだが。
(ムラマサ、月光に冴える)