小沢一郎。
去りゆく者に対して、どんな言葉をかけたら良いのだろうか。
本ページは一貫して党首辞任を求めて来た。それが成就してしまった今、何か虚しい。赤坂の高層ビルにあるバーで、シーバスの水割りを飲みながら島と話し合った。
「突然の発表だが」
「先週、軽井沢であった鳩山の研修会に小沢の講演がドタキャンされた時点で、その噂は飛び交った。ホストの鳩山は呆然としていた」
「今日の会見では、挙党一致という言葉は乱発していたが、ある記者に西松事件を聞かれて逆切れしていた」
「一番痛いところだからな。結果的には赤門検察の小沢はずしは大成功に終った。これで民主党は混乱に陥る。つまり小沢の後がいない」
「そこがポイントだな。 民主党分裂まである」
「親自民グループを麻生が引き入れる。政界再編だ」
「秘書が逮捕された2日前に、帝国ホテルの豪華スイートルームで、麻生と検事総長が会ったという情報が流れている」
「謀略は赤門の根城である帝国ホテルで秘かに行なわれる」
「官僚帝国の契約ホテルか」(笑)
「民主が不信任案と問責を出すと言い始めた瞬間だな」
「あの政治資金規正法違反の虚偽記載という事案に関して、元締めの総務省に何が、どこが違法なのかを民主党が問い合わせをしているんだが、総務省からの回答はない」
「あれは法的には100%合法だ」
「自民党は皆やっている。例えば、各都道府県に医師会があるが、その政治団体として医師連盟というものがある。その医師連盟は医師会から集めた金を自民党に献金をしている」
「そうすると、医師会も自民党の秘書も全員逮捕しなければならないな」(笑)
「そういうこと。元特捜部長の宗像、特捜検事だった郷原が、あの逮捕は無茶だとメディアで発表しているくらいだから」
「しかし政治倫理的には責められる。あの事件の本質は談合、あっせん利得、権限無き収賄というのが本筋だが、そこまで検察は踏みこめない。なぜなら、その核心部分を突けば、ますます権力の矛盾に立ち入る。パンドラの箱を開ければ、自らも泥をかぶることになる」
「泥をかぶるというのは?」
「はっきり言って、法務省も検察も警察もきれいに澄んでいる沼で泳いでいる訳ではあるまい。あまりやり過ぎると赤門帝国にもしっぺ返しが来る」
「小沢も最後は身を捨てて浮かぶ瀬もありということかな」
「小沢の後継は誰になる」
「岡田、鳩山、菅直人の争いだが」
「皆、収まりが悪いな」
「全員党首経験があるが、いずれも失敗した人間ばかりだ。岡田は在日韓国朝鮮人に選挙権を与えようとする政治音痴。鳩山の方がベターだが、お坊ちゃま体質で迫力がない。菅直人は政治的にエキセントリックだから反対勢力が存在する」
「前原は党首選には出ないと言っている。枝野、野田、馬淵は実績が不足だ」
「いっそのこと長妻昭というのは」
「そうなれば民主党も捨てたものではないが、そこまでやる度量が民主党全体にあるかどうか」
「刻一刻と政治情勢は変わる。その潮目を読んで流れに乗った者がゴールを切る」
国会議事堂の橙色の明かりが遠くにひっそりと滲む夜。
☆
村上春樹のノルウェイの森から、
「私達は、不完全な世界に住んでいる不完全な人間なのです。
定規で長さを測ったり、角度を測ったりして、銀行預金みたいにコチコチと生きているわけではないのです」
(じゅうめい、低く口笛を吹く)
去りゆく者に対して、どんな言葉をかけたら良いのだろうか。
本ページは一貫して党首辞任を求めて来た。それが成就してしまった今、何か虚しい。赤坂の高層ビルにあるバーで、シーバスの水割りを飲みながら島と話し合った。
「突然の発表だが」
「先週、軽井沢であった鳩山の研修会に小沢の講演がドタキャンされた時点で、その噂は飛び交った。ホストの鳩山は呆然としていた」
「今日の会見では、挙党一致という言葉は乱発していたが、ある記者に西松事件を聞かれて逆切れしていた」
「一番痛いところだからな。結果的には赤門検察の小沢はずしは大成功に終った。これで民主党は混乱に陥る。つまり小沢の後がいない」
「そこがポイントだな。 民主党分裂まである」
「親自民グループを麻生が引き入れる。政界再編だ」
「秘書が逮捕された2日前に、帝国ホテルの豪華スイートルームで、麻生と検事総長が会ったという情報が流れている」
「謀略は赤門の根城である帝国ホテルで秘かに行なわれる」
「官僚帝国の契約ホテルか」(笑)
「民主が不信任案と問責を出すと言い始めた瞬間だな」
「あの政治資金規正法違反の虚偽記載という事案に関して、元締めの総務省に何が、どこが違法なのかを民主党が問い合わせをしているんだが、総務省からの回答はない」
「あれは法的には100%合法だ」
「自民党は皆やっている。例えば、各都道府県に医師会があるが、その政治団体として医師連盟というものがある。その医師連盟は医師会から集めた金を自民党に献金をしている」
「そうすると、医師会も自民党の秘書も全員逮捕しなければならないな」(笑)
「そういうこと。元特捜部長の宗像、特捜検事だった郷原が、あの逮捕は無茶だとメディアで発表しているくらいだから」
「しかし政治倫理的には責められる。あの事件の本質は談合、あっせん利得、権限無き収賄というのが本筋だが、そこまで検察は踏みこめない。なぜなら、その核心部分を突けば、ますます権力の矛盾に立ち入る。パンドラの箱を開ければ、自らも泥をかぶることになる」
「泥をかぶるというのは?」
「はっきり言って、法務省も検察も警察もきれいに澄んでいる沼で泳いでいる訳ではあるまい。あまりやり過ぎると赤門帝国にもしっぺ返しが来る」
「小沢も最後は身を捨てて浮かぶ瀬もありということかな」
「小沢の後継は誰になる」
「岡田、鳩山、菅直人の争いだが」
「皆、収まりが悪いな」
「全員党首経験があるが、いずれも失敗した人間ばかりだ。岡田は在日韓国朝鮮人に選挙権を与えようとする政治音痴。鳩山の方がベターだが、お坊ちゃま体質で迫力がない。菅直人は政治的にエキセントリックだから反対勢力が存在する」
「前原は党首選には出ないと言っている。枝野、野田、馬淵は実績が不足だ」
「いっそのこと長妻昭というのは」
「そうなれば民主党も捨てたものではないが、そこまでやる度量が民主党全体にあるかどうか」
「刻一刻と政治情勢は変わる。その潮目を読んで流れに乗った者がゴールを切る」
国会議事堂の橙色の明かりが遠くにひっそりと滲む夜。
☆
村上春樹のノルウェイの森から、
「私達は、不完全な世界に住んでいる不完全な人間なのです。
定規で長さを測ったり、角度を測ったりして、銀行預金みたいにコチコチと生きているわけではないのです」
(じゅうめい、低く口笛を吹く)