司馬遼太郎の「巧名が辻、第4巻」から、
「以前はこうではなかった。自分は運がいい。それほどの分際ではないのだが、というような謙虚さがあった。今はそうではない。自分の力で勝ち得た、と思い始めている。男に、出世とはこわい」。
★鳩山由紀夫。
昨日、永田町に近い一流ホテルで、釈明会見を開いた。長々と70分も喋っていたが、口から嘘を吐いただけ。
自分の政治献金も管理できない人間が、国の予算を仕分けできる訳がない。
秘書の勝場が悪い、芳賀が悪いと、人のせいにしていた脱税総理。これが友愛の中身だったとは。
鳩山の口から、2002年から12億6千万円の生前贈与を、母の安子さんから受け取っていたことを自ら明らかにした。それ以前の贈与に触れないのは、時効の壁を逆手に取ったということか。脱税の時効は5年だが、贈与税6億円余りを払うと述べた。
そんな中、鳩山の胸を見ると議員バッジがない。なぜバッジをはずしたのだろう。議員辞職の発表ではなかったが。
鳩山という男、友愛を口にしながら、実は今まで、何人もの政敵を蹴落としてきた。
実の弟の邦夫からは「兄は黒い鳩」と指弾されている。
そしてこの脱税総理、「秘書がやったことと言い逃れるのは政治家として失格だ。即刻、議員辞職するのが当然」と政敵には友愛したが、自ら同じ穴に入ると、「私は辞めない。総理を続けるのが私の責任」とママのスカートの中に隠れようとしている。
しかし、鳩山の政治生命は風前の灯ではないのか。
勝場啓二・元公設第1秘書(59)、鳩山に言わせると勝手に故人献金を作った悪党。会計責任者であり政策秘書であった、現・私設秘書の芳賀大輔(55)は、有罪確定で罰金30万円。しかし脱税総理は不起訴。もっとも、いくら鬼の検察特捜部でも現役総理を逮捕する訳にもいくまい。法務大臣に指揮権発動させることができるのだ。
故・伊藤栄樹の「巨悪は眠らせない」は、夢のまた夢。
★鳩山家の資産管理会社「六幸商会」。
小野寺社長は脱税幇助ではないのか。「金に紐はつけられない」と言い放ったとされるが、鳩山家の資産管理会社というくらいだから、「入金」と「出金」のキャッシュフローと、それに伴う税務申告のエキスパートのはずだ。この六幸商会、えぐれば謎が隠されている。
さて勝場啓二、「故人献金を行った理由は、見栄えを良くしようと思った」などと動機を述べているらしいが、誰がそんなことを信じるのか。
永田町で個人献金が一番多いのは、個人献金に力を入れている清廉な長妻昭だが、その長妻でさえも年間1千万円とか、そんなレベルだ。
そもそも政治資金収支報告書なるものは、一般の人の目には全く触れない。その報告書は官報に記載されるのだが、官報なるものを一生見ないで過ごす人が圧倒的だ。
そうであるのに、世間体の見栄えを良くする為などという、子供じみた嘘を、平気でつくのだから、性質(たち)が悪い。
母の安子さんから頂戴する毎月1500万円の贈与税を隠蔽するための虚偽記載であったことは明白。そして場合によっては、韓国朝鮮からの献金ではなかったのかという疑惑が残る。そうであれば、外国勢力から政治献金を貰ったことになり、永田町に大噴火が起きる。
★鳩山由紀夫イッシュー。
この脱税事件は根が深い。5千万円は鳩山由紀夫の私的流用だとされる。そうであれば規正法違反。また10億円を超える金額のうち、7億円が使途不明なのだ。財産隠しの脱税。マルサが発見するように、庭に穴を掘って、現金を入れた壷カメを田園調布の自宅庭に隠しているのではないのか。あるいは、天井裏にネズミが番をしている隠し金庫があるとか。
★小沢一郎。
こちらの小沢金脈も噴火した。
小沢一郎の「陸山会」による土地取引に関し、4億円以上を記載していなかった事件、東京地検特捜部は、小沢の元秘書で民主党の代議士・石川知裕、北海道11区、を虚偽記載で立件するという。強制捜査でバーンとやるか、それと在宅起訴にするか年明けになる。石川の正月は寝覚めが悪い。
一方、小沢の公設第1秘書・大久保隆規にも、検察は任意で事情聴取を求めたが、大久保は拒否したという。
また、陸山会の口座には土地購入の直前、4億円以上の資金が複数の団体から入金されていたことが分かっている。問題は資金の原資が不明なのだ。つまり誰が金を入金したのか。
★小沢金脈。
しかも世田谷の土地とか、その他の都内の10億円不動産は小沢一郎の個人名義になっている。このことは余り世間沙汰になっていないが、それを告発した2006年6月号の週刊現代(講談社)の記事について、名誉毀損と損害賠償の裁判沙汰になったが、2007年8月東京地裁で小沢一郎は敗訴している。
判決では「記事の前提となる事実の重要部分は真実で、違法とはいえない」と判断された。
その週刊現代の記事の内容は、小沢の政治資金管理団体の所有とされていた不動産の名義が、実は登記簿上、小沢一郎個人の名義になっており、この隠し資産ともいうべきマンションの購入価格が合計で10億円を超えているという。
マンション10件のうち8件までが都内の一等地、うち6件が赤坂にあることも明らかにしている。週刊現代は、何のためにこれほど多くのマンションを買いあさっているのか、個人の資産形成が目的ではないか、と指摘した。
さてさて、2010年、日本の夜明けは近いのか。
(ムラマサ、鋭く斬る)