たけじいの気まぐれブログ

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葉室麟著 「天翔ける」

2025年02月12日 13時16分53秒 | 読書記

図書館から借りていた、葉室麟著 「天翔ける(あまかける)」(角川書店)を読み終えた。
本書は、江戸幕府と明治新政府の双方で要職を務めた唯一の人物、第十六代福井藩主・松平春嶽を描いた葉室麟の長編時代小説だった。明治維新の影で、近代日本の礎を築いた英雄、雄飛達が続々登場、正直、春嶽の存在すらも、無知だった人間、「へー!、そうだったのか」、目から鱗・・・、である。


読んでも読んでも、そのそばから忘れてしまう老脳。
読んだことの有る本を、うっかりまた借りてくるような失態を繰り返さないためにも、
その都度、備忘録として、ブログ・カテゴリー「読書記」に、書き留め置くことにしている。


▢目次
 (一)~(二十七)

▢主な登場人物
 松平春嶽(しゅんがく)・勇姫(いさひめ
 中根靭負(ゆきえ、雪江)、横井小楠(しょうなん)、三岡八郎、橋本左内、
 井伊掃部頭直弼、
 徳川斉昭、徳川慶喜、徳川家茂、
 永井玄蕃頭尚志、
 三条実美(さねとみ)、岩倉具視(ともみ
 島津斉彬、島津久光、西郷吉之助(隆盛)、大久保一蔵(利通)、
 山内豊信(容堂)、松平容保、
 勝小吉(海舟)、坂本龍馬、中岡慎太郎
 孝明天皇、明治天皇、

▢あらすじ等
 ペリー来航、徳川幕府の弱体化などで激動する幕末に、新たな体制を構築しようとした、
 徳川家一門の福井藩主の松平春嶽が主人公の長編時代小説である。

 春嶽らが目指したのは、西洋から進んだ技術を取り入れながらも、日本伝統の道徳も守る国。
 春嶽は、軍師として迎えた横井小楠から、政治家が倫理に基づいて民のために働く民主主義と、
 心法(倫理)に根ざして行う経済活動が、新体制の根本だと説かれ、高い理想に向かって
 積極的に打って出るが、私利私欲に走る公家や武士によって、次々と頓挫。

 開国派と攘夷派の抗争が激化する中で、二者択一ではなく、どの派も納得できる第三の道を
 模索、諸外国から開国を迫られる中、内戦を回避し、挙国一致の体制を作ろうとしたのだが。
 同じ志を持った橋本左内を、安政の大獄で失い、坂本龍馬も消され、横井小楠まで刺殺され、
 西郷隆盛は志を捨てないまま世を去り・・・・・、
 松平春嶽は、明治23年、東京、小石川関口町邸で、63歳で逝去、
 辞世の和歌が残されているという。
   なき数によしやいるとも天翔り(あまかけり)御代(みよ)を守らむ皇国(すめくに)のため

 本書の随所で目に止まった四字熟語。
 「百折不撓」「挙藩上洛」「疎宕爽快」「春風駘蕩」「御家安泰」「乾坤一擲」「破約攘夷」
 「大政奉還」「王政復古」「廃藩置県」「思慮遠望」