たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

鵲の 渡せる橋に おく霜の 白きを見れば 夜ぞふけにける

2020年12月24日 06時41分29秒 | 懐かしい小倉百人一首

昨年、書棚に詰め込まれていた古い書籍、辞書等を大胆に整理処分したことが有ったが、その際に、多分、長男か次男かが学生時代に使っていたものに違いない、文英堂の「小倉百人一首」(解説本・参考書)が目に止まった。パラパラと ページを捲ってみたところ、なかなか詳しく、分かりやすく、子供の頃、正月になると、必ず家族でやっていた「百人一首かるた取り」を思い出して懐かしくなり、「今更、向学心?」なーんてものではなく、ブログネタに?、頭の体操に?等と思い込んでしまい、処分せず、以後座右の書にしてしまっている。「小倉百人一首」は、奈良時代から鎌倉時代初期までの百人の歌人の歌を、藤原定家の美意識により選び抜かれた秀歌であるが、時代が変わっても、日本人の心情が呼び起こされるような気がする。
今年も残すところ1ケ月、師走に入り、初冬から本格的な冬を迎える。「小倉百人一首」で、季節を詠んだ歌の中では 「冬」を詠んだ歌は非常に少なく、一般的には、6首のみとされているようだ。「雪」や「霜」、「白」等という文字が含まれている歌が多く、「冬」の印象的な風景が詠まれているという。今回、「冬」を詠んだ歌を取り上げてみることにした。

(ネットから拝借画像)


百人一首で「冬」を詠んだ歌 その6

鵲の 渡せる橋に おく霜の
白きを見れば 夜ぞ更けにける

出典
新古今集(巻六)

歌番号

作者
中納言家持(ちゅうなごんやかもち)

歌意
(1)
見上げると 天の川のかささぎが渡したといわれる橋のあたりは
霜がおりたように白い。もうすっかり夜が更けたことよ。
(2)
宮中の御橋のあたりに置く霜が白い。
ああ夜も更けてしまったことよ。


注釈・補足

「鵲(かささぎ)」
カラス、尾長鳥に似た鳥、
中国の伝説では 七夕の夜に翼を並べて 
  牽牛と織姫の橋渡しをする鳥。

歌意には 二つの解釈が有る。
一つは 宮中の階(きざはし)を「かささぎの渡せる橋」と
例えて詠んだものとする解釈、
もうひとつは、七夕伝説を 冬の夜空にも見える天の川から連想した、
神秘的な気分を詠んだものとする解釈。
後者の解釈を重視した方が良いと考えられる。
いずれも 冬の夜更けに対する詠嘆の気持ちが強く表現されている。

中納言家持=大伴家持(おおとものやかもち)
「万葉集」編集の中心的人物。
万葉集後期の代表的歌人。
三十六歌仙の一人。
作歌数は 470首、
古今風、優美、繊細な歌が多い。
父親は 大伴氏の統領、大伴旅人(おおとものたびと)
中納言は 大臣・大納言に次いで国政を司どる重要なポスト。

川柳 

かささぎの橋を越えると天の原
    百人一首で 歌番号6「かささぎの・・」の次、歌番号7は
    「天の原・・・」(阿倍仲麿)で その順番のことと
大空の散歩を掛けた 洒落た句。


参照・引用
小野谷照彦著 解説本「小倉百人一首」(文英堂)


「百人一首で「冬」を詠んだ歌」・・(おわり)
   

 


コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 宗旨替え? | トップ | 川柳で笑って忘年令和2年 「... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (juraku-5th)
2020-12-24 09:00:00
「かささぎ」って白鳥座デネブのことだったのですね。
やっと、この歌の意味がわかりました。
勉強になりました。
ありがとうございます。
返信する
juraku-5thさん、こんにちは、 (takezii)
2020-12-24 10:23:04
星座についても 全く疎い爺さんで ネットで調べての受け売りなんです。
天の川伝説を詠んだ歌だったんですね。
今は ネットで いろいろな関連知識や情報をサッと知ることも出来て 有難い世の中だと思います。
コメントいただき有難うございます。
返信する

懐かしい小倉百人一首」カテゴリの最新記事