毎年、秋が深まりゆく今頃になると、ふっと感傷的な気分になり、秋を歌った童謡、唱歌を、ふっと思い浮かべることが有る。子供の頃覚えた童謡、唱歌を聞くと、当時の故郷の情景や暮らしまで、セピア色で蘇ってくるような気がするのだ。特に秋を歌った童謡、唱歌からは、日本人ならではの心情を深く感じる。秋を歌った童謡、唱歌は、特に多いような気がするが、2007年(平成19年)に、「日本の歌百選」の1曲に選ばれているという「旅愁」も、その一つではないかと思っている。
今更になってネットで調べてみると
「旅愁」は ジョン・P・オードウエイ(John P.Ordway)作曲した「家と母を夢見て(Dreaming of Home and Mother)」が原曲で、1907年(明治40年)に、犬童球渓(いんどうきゅうけい)が、翻訳・作詞した唱歌だった。同年に、音楽教科書「中等教育唱歌集」で取り上げられたのだそうだ。
アメリカ人の楽曲にもかかわらず、日本人の心情に響くメロディーであり、歌詞は、110年以上経った今でも、すっかり「日本の歌」として、広く親しまれているように思う。
「旅愁」
作曲 ジョン・P・オードウエイ(John P.Ordway)、作詞 犬童球渓
(1)更け行く秋の夜 旅の空の
わびしき思ひに 一人なやむ
戀しやふるさと 懐かし父母
夢路にたどるは 故郷の家路
更け行く秋の夜 旅の空の
わびしき思ひに 一人なやむ
(2)窓うつ嵐に 夢もやぶれ
遥けき彼方に 心迷う
戀しやふるさと 懐かし父母
思いに浮かぶは 杜の木ずゑ
窓うつ嵐に 夢もやぶれ
遥けき彼方に 心迷う
「旅愁」 (YouTubeから共有)
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時代は変わり、すっかり、環境も、暮らしも変わりましたが、日本の季節感、日本人の心情、変わって欲しくないものですね。