たけじいの気まぐれブログ

記憶力減退爺さんの日記風備忘雑記録&フォト

葉室麟著 「散り椿」

2024年01月20日 09時14分12秒 | 読書記

図書館から借りていた、葉室麟著 「散り椿(ちりつばき)」(角川書店)を読み終えた。毎度のこと、予備知識もなにも無しで、ふっと手を伸ばした書だったが、本書は、著者創作の架空の小藩「扇野藩(おうぎのはん)」を題材にして描かれた長編時代小説「扇野藩シリーズ」の第1作目だった。第2作目に「さわらびの譜」、第3作目に「はだれ雪」、第4作目に「青嵐の坂」があることが分かり、続けて読んでみたくなっているところだ。

■目次
「帰郷」「四天王」「政争」「蜻蛉組」「襲撃」「采女の恋」「人質」「国入り」「迷路」「面影」「椿散る」
■主な登場人物
瓜生新兵衛(うりゅうしんべい)・篠(しの)、
坂下勘右衛門(慈斎)、篠(しの)、里美(さとみ)・坂下源之進、坂下藤吾・美鈴、
篠原三右衛門・美鈴・弥市、
榊原平蔵・滋野(しげの)、榊原采女(うねめ)、
山路内膳(郡奉行)
石田玄蕃(家老)、滝川十郎兵衛(次席家老)、佐々八右衛門(勘定奉行)、宇野十蔵、
小杉十五郎、
田中屋惣兵衛(紙問屋)、
吉右衛門(武居村の庄屋)
扇野藩藩主千賀谷右京大夫親家、御世子左近将監政家、
刑部家成(奥平刑部、鷹ヶ峰)、神保弾正家久、太郎丸、
井ノ口伝内、
■あらすじ、感想等
山間の小藩扇野藩の一刀流平山道場で、榊原采女、篠原三右衛門、坂下源之進と共に、四天王の一人と呼ばれていた勘定方の瓜生新兵衛が、上役の不正を訴え藩を追放されて18年後、妻・篠と死別し、帰郷するところから、物語が始まっている
おりしも扇野藩では、藩主代替りを巡り、側用人榊原采女と家老石田玄蕃の対立が先鋭化。新兵衛の帰郷は、藩内抗争を呼び起こし、藩内の秘密を白日のもとに晒そうとしていた。
野望と執念で陰謀を巡らす黒幕とは誰?、
起請文とは?
暗躍する蜻蛉組とは?
一人の女性を巡って、人生が狂ってしまった男と信念を貫いた男?の再会。
随所に、容赦なく死闘を繰り返す派閥抗争の場面もあるが、底流には、最愛の人を失ったとき、人は何ができるのか、秘めた想いを胸に、誠実に生きようと葛藤する人々を描いている。
「散る椿は、残る椿があると思えばこそ、見事に散っていけるものだ」、
たとえこの世を去ろうとも、友情、思慕、純愛、嫉妬・・・、ひとの想いは深く生き続けることを訴えている。
扇野藩内の激しい政争を描きつつも、日本の伝統的な美意識に貫かれている作品であると思う。
どこか、映画「シェーン」のラストシーン、「シエーン!、カンバック!」のようなイメージで終わっており、第2作目以降、どのような続編になるのだろう?、興味深い。
「故郷に帰り、自分の代わりに庭の椿を見て欲しい」と新兵衛に言い残して死んだ篠、気性の激しさ、半端無しの采女の養母滋野、頼りなさそうだったのが、伯父新兵衛が現れたことから成長、出世する藤吾、新兵衛を慕う義妹里美、・・・・、それぞれが、愛おしい。


コメント (2)    この記事についてブログを書く
« 「北風 ( North Wind)」 | トップ | 「ブンガワン・ソロ(Bengawa... »

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
映画にもなって (アナザン・スター)
2024-01-20 09:54:16
お早うございます。
この物語、昔の話に思えなくて・・・
生きざま、逝き方の何と潔さでしょう。
性別を問わず、時代に生きることの素直さと、清らかさに自らを重ねてしまいました。

最後の件で、泪が止まりませんでした。

何時も応援・訪問を感謝です。
返信する
アナザン・スターさん、こんにちは (takezii)
2024-01-20 10:32:48
知りませんでしたが、映画にもなっていたようですね。
おっしゃる通り、登場人物、それぞれの生き様、潔さ、純粋な思い、が描かれていて、ジンときますね。
藤沢周平作品を、読み尽くした後、すっかり、葉室麟作品に、はまってしまった感じがしています。
コメントいただき有難うございます。
返信する

コメントを投稿

読書記」カテゴリの最新記事