古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

物語が、始まる  川上弘美

2024-02-05 03:05:16 | 小説の紹介
中央公論新社 1999年

これは果たしてSFなのだろうか。雛型という

成長型アンドロイドみたいなものを拾ったと

いうんである。それが成長して、どんどん一日

で一年老いていってしまい、死んで捨てられて

いた状態に戻るまでを描いた表題作の短篇なの

である。

こういうのはなにも考えず、ずいずいっと一気に

読んでしまうのがコツなのであるが、ぼくは生憎

ラストで風呂に入ってしまって、風呂の中で、ちろ

ちろとこの短篇のことを考えてしまった。

面白い、と思う反面、実にお間抜けな話でもあり、

よくこれを書こうとしたな。実際に書いた弘美氏は

凄いな、と思った。ラストまで実際に読んでみたが

驚愕するようなことは一切なく、つつがなく終わる。

えっ、これでええんかい、と思いつつ、次の作品に

想いは注がれるのであった。(少し寝かせていおいた)

(読了日 2023年12・26(火)20:45)
                (鶴岡 卓哉)


コメント
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