中央公論新社 1999年
弘美氏には不思議系と日常系とエッセイと三本立て
だと思うのだが、これは不思議系の短篇。
幸運の屋敷トカゲが主人公でこのトカゲが妙なこと
になっていく。
どんどん大きくなってゆき、そのトカゲの肉を食べて
しまう。いや、トカゲ自体は肉を食べても生きている
らしく。それは肉としてどんどん食べても平気らしく。
カレーやシチューににしてしまうらしい。そして、
どんどん濃密に甘いニオイが漂ってきて、カメ
ガイさんは仲間にされてしまい、幸福化していって
しまうというんだが、読んでみると、その奇妙さ
はちょっと宗教的で気味悪く感じるくらいである。
(読了日 2024年1・6(土)0:54)