古民家ギャラリーうした・ガレッジ古本カフェ便り

古民家ギャラリーうしたと隣のガレッジ古本カフェで催している作品展、日々の発見!、書評、詩などを紹介していきます。

もの食う人びと     辺見庸

2018-03-27 10:26:25 | 本の紹介
角川文庫  1994年6月。



その当時、タイヘン話題になった本。出版されてから24年か、


社会情勢や背景は変転しつつも、ルポとして、文学として、ま


ったく古びていない。


チェルノブイリに潜入したルポは誰も怖くて、マネしようと


すら思わないし、福島とも微妙に重なってくる。ソマリアにだっ


てHIVや、今ではエボラとか恐ろしいし、病原菌がうようよ


している中をよく行ったなあ、と思う。一言言いたい……バカなの


か?…………君は。


食えると言うこと、カネさえ払えば何だって食えるのだから、この


日本という国は、いくら貧者が増えたとて、ソマリアほどじゃない。



働けば少なくとも食うことはできるし、バイト君でも、食えないもの


なんてあんまりないんじゃないのか。良い国である、ボクは飢えるのが


一番怖い。けど、飢える日も来ないとは限らないし、けっこう足音くらい


は聞こえてきているのかと思うと、薄ら怖い気持ちになってくるのだった。



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