どうやらこれも野坂氏自身の体験による
私小説ということらしい。
ラ・クンバルシータの続篇で、少年院に
入った辰郎のその人生。盗みに手を染めて
母のものを次々に盗み、売って、そのうち、
捕まり、少年院に放り込まれ、見受けに
おじさんのところに転がり込むも、嫁に
惚れこみ、男にレイプされて痔になった
ところを見せたりするうちに、本当のお
母さんだと思うようになり、皆子という
ママハハにラヴレターめいたものを旅先から
書くも、それもおじさんに読まれ、なんやか
やで、ママハハの胸に顔を埋めると、そこに
ずっと鬼のような子宮のない、母と同じ女心
のないババアが立ち竦んでいた。ラスト、プ
ア・ボーイという歌の歌詞が載っている。人生
振り返ったら……。
ダウンタウンにおれは痔だから、あれはだめだよ、
と言っていたが、転がり込んだ男に毎晩、襲われて
痔になったのか、と合点がいった。
壮絶な人生である。
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