新潮文庫 1995年
ボクが雲古をたべる夢をみたりするのは異常では
ないのか、とつねづね思っていたのだが、シーナさん
もついに雲古を食う夢を見た、と書いておられて、そ
ーか、やはり雲古をたべる夢を見る人っていうのは、
サイノーがあるっていう証なんだな、と頷いたのだった。
そして、糞便学ともいうべき、クソに対する考察は興味深い。
もし人間がうさぎのようにころころした雲古をしたらどうな
るだろうか、などとボクは思った。ケツにも残らないし、数千
万年後の人間はそうなっているのかもしれぬ。
キタヴァ島で島民とサメ肉の焚火焼きを食し、うまい、という
言葉を教え合っているその様はつくづく美しいのであった。
わしは文明の象徴の直線と直角の世界で生きていくよ、それが
宿めだ......合掌。
(鶴岡卓哉)